40年ぶりの梅小路蒸気機関車館 18 C59 164号機
2014年8月10日、台風の接近する中、40年ぶりに訪問した梅小路蒸気機関車館、あれから1年1ヶ月、すでに来春開業の京都鉄道博物館開業に向けて新たな準備が始まっています。今回は鉄道省設計の幹線旅客用蒸機C59形164号機です。
C59 164号機 2014/8/10 梅小路蒸気機関車館
164号機は瀬野八の補機経験もあるため、走行解放用の開錠装置が残されています。
以前にも書いていますが、幹線旅客用蒸機は1930年代末まで3シリンダーのC53形が活躍していました。C53形は低重心とスムーズな走行性能を持つものの、複雑なグレズリ-式弁装置のため、故障等による年間の休車日数が他形式と較べ格段に多いという問題を抱えていました。
C59形の第一動輪 1750mm径のボックス輪心
C53形が97両まで製造された後は、当時、南アフリカ国鉄がユニオンリミテド用に設計した1830mm径動輪の16E形に対抗して1850mm径動輪の蒸機を計画したりもしましたが、結局、線路設備を考慮してC51形以来の1750mm径動輪を持つ、軸重16.8tの蒸機で設計されることになりました。
ボイラーはD51のボイラーを基本に設計
ボイラーはD51形のものを基本としながら、3缶胴構成、ストレートタイプ、圧力を16.0kg/cm²まで引き上げ、煙管も長煙管構造としました。ただ、長煙管のために熱効率が低いという問題点もあったそうです。
下回りは、C57形式についで2-C-1のパシフィックとしました。台枠は棒台枠、動輪はボックス輪心、弁装置はワルシャート式、先台車はエコノミー式復元装置付きLT219、従台車はばね式LT156・156Aとしました。設計上の問題点として、従台車に過度の重量負担がかかり、車輪の摩耗、タイヤの亀裂、緩み等の問題が多々発生したそうです。
先台車の車輪、前輪はボックスタイプ、後輪はスポークタイプ
シリンダーはボイラー使用圧力の高圧化に合わせ、C51形と同じ行程長ながら直径を縮小、シリンダーブロックは通風を穏やかにするために排気膨張室が組み込まれ、ピストンはC57形同様のH型断面のものが採用されました。
運転台はC58形同様の密閉構造となり、炭水車は航続距離確保を考慮して石炭10t 水25立方メートルを積載可能な10-25・10-25A・10-25Bとなりました。
これまで見てきた蒸機のなかで炭水車は高く、長い 水容積を十分に確保した構造のように感じます。
全長は21,575mmで国産最長の蒸機となりました。
1974/9/29 訪問時の写真
C59164号機、その履歴は沖田祐作氏の機関車表によると、
C59164 日立製作所笠戸工場=1999 1946-07-31 S80.30t2C1T(1067)
車歴;1946-07-31 製造→1946-08-10 発送納入;国鉄;C59164→ 配属[達438];大阪局→
1946-07-31 竣工→1946-08-16 配置;梅小路→1946-08-18 使用開始→
1946-12-31 現在;梅小路→1950-08-10(8/11 着)糸崎→ 第一先輪をスポーク車輪に交換→
1970-09-00 休車(保存予定)→1971-08-12(8/11?)奈良→
1972-09-30 発(10/2 着)梅小路→1979-03-28 廃車;梅小路→
保存;京都府JR 西日本「梅小路機関車館」;C59164(最終走行距離=2,002,879㎞)
落成は日立製作所笠戸工場で戦後の1946年7月31日新製配置は梅小路機関区、1950年に糸崎区に移りましたが、最後は呉線で活躍しました。
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