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2015年11月11日 (水)

通勤電車シリーズ 103系 34 常磐緩行線1000番台の改造、快速線へ その1

通勤電車103系の登場からの歴史を線区別に見てきていますが、今回は常磐緩行線に投入された103系1000番台のその後です。

1031000_52 103系 1000番台 52編成 松戸

1971年4月20日に常磐線北千住~我孫子間が複々線化され、緩行線の地下鉄千代田 線乗り入れが開始されました。103系1000番台はそれに先立ち、8M2Tの10両編成が昭和44年度第4次債務予算(山手線試作冷房車1編成と同じ時 期)において4編成製造され、千代田線乗り入れ開始前の一時期、地上区間で運用されたそうです(私はその頃は 常磐線沿線に関しては全く縁がなかったので知りません)。

さらに昭和45年度民有予算で6編成、昭和45年度第1次債務予算で6編成の計16編成が製造されました(関連記事)。

10両編成でも6M4Tではなく8M2Tとしたのは千代田線内の最大33‰勾配区間で自走不能となった場合に別編成で救援可能という乗り入れ条件を満たすためだったそうです。1編成にM'車が4両入るため、MGも10kVAのMH124-DM77 (基本番台は20kVA, MH97-DM61) となりました。このMG 10kVAの件は、後年105系化改造の際に問題となり、奈良電車区に投入された改造車ではそのまま流用されましたが、可部線広島地区に投入された車両では20kVAのものに換装されました。

千代田線の営団側の主力車両は現在も活躍中の6000系、回生ブレーキ付き電機子 チョッパ制御車で、消費電力の違いは明白であり、さらに103系1000番台は抵抗器の排熱でトンネル内温度が上昇し、単線シールド区間での抵抗器の放 熱・冷却も十分でなかったため故障が多発し、運行ダイヤに影響を及ぼすこともあったそうです。電力消費量の違いから相互乗り入れでの双方の距離に応じた相 殺が出来ず、国鉄は電気代を営団に請求されることになりました。国鉄としてはこの問題を解決するために1982年から電機子チョッパ制御方式の203系を投入し、103系1000番台は同線を追われることになりました。

203_72_850429 まだJNRマーク時代の203系 72編成 1985/4/29 亀有
1984年4月1日時点での編成表データによると203系0番台は71~78編成番号が与えられていました。1986年11月1日時点では100番台も増備され、0番台8編成は51~58、100番台9編成は61~69となりました。

105系への改造

1984年の奈良線、和歌山線五条~和歌山間、紀勢本線和歌山~和歌山市間電化開業用、可部線旧形車置き換え用として、103系1000番台56両のほか、他区で余剰となっていた0番台5両の計61両が改造されました。1000番台はクハ105基本番台、クモハ105-500番台、クハ104-500番台に改造されました。

1
表1 クハ105 基本番台への改造 

この表のように14両が改造されました。クハ105-7は1990年3月の踏切事故で廃車となりましたが、運転台部分は後述のように別の改造車に引き継がれています。

105_841207 クハ103-1031 から改造されたクハ105-9 1984/12/7 京都

105_w11_120317 クハ105-9    2012/3/17     桜井
同車は現在、地域カラー青色になっています。

105_k12_141219_6
105_1051_k12_141219 クハ105-1 元クハ103-1016 K-12編成 2014/12/19 広島

105_k14_141219_2 105系 K-14編成として活躍する クハ103-1030  改造のクハ105-12 2014/12/19 広島

2

表2 クモハ105-500番台への改造

モハ103-1000, モハ102-1000から32両が改造され、新造車に準じた運転台が取り付けられました。種車が異なっても性能は同じに統一されました。

105519_080226 クモハ105-519 2008/2/26 和歌山

105_w11_120317_3 同車 2012/3/17 桜井

3
表3 クハ104-500番台への改造
(これらの表を作成するにあたり、103系側のデータはCan Books 103系物語 毛呂信昭著、105系側のデータは「きはゆに資料室 別館」のデータを参考に致しました。

以前、101系の記事でも触れましたが、モハ102-1000を電装解除し、台車をDT33形から101系廃車発生品のDT21T形付随台車に交換し、運転台は新造車に準じたものと取り付けたタイプです。

105_tc501_120317_3 クハ104-501 2012/3/17 高田

これら以外にモハ102-385から改造されたクハ104-551が踏切事故で廃車となったクハ105-7の運転台を切り継いで、電装解除105系化されており、顔は103系1000番台クハの顔となっています。次回は、常磐快速線に転用された103系1000番台の話題です。

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コメント

おはようございます。

常磐線の沿線には、高校時代や大学時代の同級生が住んでいて、
この103系1000番台を よく乗ったり、見かけました!

西日暮里で待っていると、千駄木側から けたたましい音でやって来ました!
そしてモワァッと熱気が…!

これが地下鉄東西線にも乗り入れている103系1500番台と同系列なのか!?
でも飲んで帰るとき、神楽坂駅で営団5000系も 煩かった!


そんな大学時代の飲み仲間が東京で修行をして、地元の広島の可部で
103系1000番台と再会するとは。


今でも この改造された105系が走っているんですからね!

今では、このような改造や広域転属がなくりました。

JR東日本の中では
205系が先頭車改造されて、首都圏や仙石線で活躍していましたね!

B767-281様おはようございます。懐かしい時代です。この頃が国電を1番追いかけた時代です。103-1000に関しては、1000番台だから単純に武蔵野線に来ると思っていました。103系0番台もすでにA基準を満たすようになっていたのですね。目まぐるしい転配、今となっては懐かしいです。

準急豊島園さま、こんばんは。

わたしもこの103系1000番台は大学から大学院時代にかけてお世話になりました。練馬区南大泉の自宅から西武新宿線~高田馬場~地下鉄東西線~大手町~千代田線根津といったルートで通っていましたが、根津の駅は今でもそうですが単線トンネル2階式で列車の接近、出発でピストンとシリンダーの関係のように列車が動くと猛烈な空気の動きがありますが、営団6000系の場合に較べて103系1000番台の場合は騒音と熱気が動く感じがありましたね。
そして、トンネル内温度上昇が問題となって、追われるように消えていったのが私が大学院を卒業して、つくばに就職した頃でした。
そして、京都に出張した際に奈良線ホームには105系に改造された元1000番台がいて、東海道線のホームにはEF58のリタイアが進み、急遽山から下りて平坦線の東海道・山陽ルートで小荷物列車を牽引しはじめたEF62の姿がありました。

細井忠邦さま、こんばんは。

確かに当時の感覚からすれば、101系の1000番台が武蔵野線用に改造されていたので、103系1000番台の転用先が武蔵野線というのは正しい推理のように思いますね。ただ、それよりも先に105系改造で奈良線とか奈良。和歌山、広島地区に転用とは思いもしませんでしたね。おかげで、それらの車輌は今日も一部を除いて健在というところがなんともまた驚きですね。

こんにちは~。モモパパです。
小田急の代々木上原駅まで乗り入れてた車輌。
懐かしいです。
103系から改造された車輌。
こんなにもいっぱいあるんですね。
ぼく、103系というと山手線のウグイス色の高運転台車を真っ先に思い出すのですが。

モモのパパさま、おはようございます。

103系から105系への改造、一般形の低運転台クハから105系への改造もあり、可部線で活躍していましたね。外見はまさに103系でしたが、2連なのが違和感でしたね。後にそれらの写真をアップしようと思っています。

B767さん……こんにちは‼︎(^^)JR西日本で現在も運用されている2両編成って、元は103系1000番台なんすか⁉︎何気に面影ありますよね。1984年12月の京都の画像で先頭車同士が連結していますが、幌で繋がれているんすか⁇

マスダっち1971さま、おはようございます。

わたしも幌が繋がっていたかどうか当時、しっかり確認はしていないのですが、おそらく繋がっていたのではと思います。

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