広島・四国西南部旅行 広島編 その3 広島電鉄 part 16 連接車70形 保存車
昨年12月の広島~四国西部旅行の一環として広島電鉄の車両を紹介しているシリーズ、今回は広電本社前に保存されている70形 元西ドイツドルトムント市電の76号です。
現在は車内に立ち入れなくなっている 元ドルトムント市電 76号 2014/12/18
この車両は西ドイツのDuesseldorfのDuewagで大量に製造されたタイプで、ドルトムント市電が地下線新設で車両更新し、余剰が生じた際に広島電鉄が購入したもので、1981年に購入されました。広電も1977年に運行開始65周年を迎え、日本国外の車両を導入する機運が盛り上がった時でした。
ドルトムント市電ではDuewag GT8Zというタイプで、1959年から1974年にかけてHansa Wagonbauなどで製造された91両のDuewagが2001年まで活躍していました。
車体は3車体8軸の連節方式で全鋼製で1959年製です。76と77(オリジナルの番号は80)の2編成が購入され、1982年から運用を開始しました。
全長 27,160mm
全幅 2,360mm
全高 3,940mm
編成出力 64kw x 4
主電動機 BG-56Gmtw
歯車比 64:13 = 4.92
多段式直接制御方式で他社とはノッチ進段が逆回しでした。
駆動方式は吊り掛け式
ドイツにおいては珍しい両運転台・両側面ドア方式です。
導入当初は連接車であることから宮島線直通用として使用されましたが、高速運転時の振動発生や運転取り扱い上、他車両との違いが多く、保守整備に際しても支障が生じ、3700形以降が導入されると使用されなくなり、1994年以降は市内線に回されました。こちらでも3000形が転属してくると1998年頃から使用頻度が下がりました。77号は2006年1月に廃車解体となり、76号は車内にテーブルやカーテン、マイクを設置して「ビール電車」など貸し切り専用車として活路を見出しました。2008年以降は老朽化が進み、部品の調達も困難になり、営業休止状態となりました。
77号はドルトムント市電の標準塗装で活躍、オリジナルの番号は80でしたが、76に合わせて77となりました。
76号は銀を基調としたドイツの地ビール Koenig Pilsenerの塗装で活躍しました。
2012年5月11日、広島電鉄100周年記念事業の一環として76号が引退し、7月より本社横の系列スーパーマーケット「マダムジョイ千田店」でイートインスペース・レストラン電車「トランヴェール・エクスプレス」になることが公表され、7月11日に開店、外装も緑色を基調としたものに変更し、片側の運転台を撤去し、貸し切りスペース「LUXE」としました。
しかし、広島電鉄100周年記念事業の終了を理由にオープンから8ヶ月で閉店となり、現在は展示車両として残されています。
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コメント
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こんにちは~。モモパパです。
元ドルトムント市電76形。
この車輌は静態保存されてるんですか。
広島電鉄はいろんな車輌を導入してたんですね。
今でも海外から車輌を輸入してるのでしょうか。
投稿: モモのパパ | 2015年11月30日 (月) 21時07分
モモのパパさま、こちらにもありがとうございます。
本当にいろいろな車両を導入していたことがわかりますね。
現在はさすがに海外からの購入は無いと思います。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2015年11月30日 (月) 21時32分