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2015年11月26日 (木)

東京総合車両センター公開 その3 首都圏直流電車の主電動機 part3 MT54

東京総合車両センター公開での主電動機の展示に沿って、歴代の電車のモータを見ていますが、今回は国鉄抵抗制御新性能電車のスタンダード・モータだったMT54形です。

Mt54_150822
MT46、MT46A101系から始まる新性能電車の主電動機として東洋電機製造が設計したのに対して、MT54は日立製作所が1962年に設計・開発したモータで

端子電圧 375V
定格出力 120kW
定格回転数 1630 rpm 全界磁
定格電流 360A
最高回転数 4320 rpm

となり、MT46Aに対して20%出力が向上し、MT比1:1の車両構成でも25‰程度の勾配が登坂可能となり、経済性と輸送力を両立させました。

165108_140812 クモハ165-108 2014/8/12 リニア・鉄道館

MT54が最初に搭載された系列は165系1963年3月、主制御器CS15と組み合わせて登場しました。勾配線区や寒冷地での運用を考慮し、153系に対して出力増強、耐寒性能が向上した急行形系列となりました。

急行形では交直両用系列の50Hz版451系、60Hz版471系においてもMT46AをMT54に置き換えて453系や、473系、さらに453系や473系に抑速ブレーキ機能を付加した455系、475系、(制御器はCS15B)、そして周波数を50/60Hz対応可能とした457系へと発展して行きました。また165系においては修学旅行用バージョン167系、さらに碓氷峠の協調運転用として169系が製造されました。

4731_811126_edit クモハ473-1+モハ472-1の1ユニットのみの製造で終わった473系 1981/11/26 金沢
ちょうど34年前に撮影した写真です。

特急形では151系、161系がモータを換装し、181系に、交直両用昼行特急車輛の481系、483系、485系、碓氷峠協調運転用489系、寝台特急電車581系、583系(モータは耐寒耐雪形のMT54B、主制御器もCS15E)、交流専用特急車両781系では417系で採用された強制通風冷却方式のMT54Eが採用されました。183系でもMT54が採用されました。

近郊形でも401/421系の出力増強タイプとして、403系、423系、さらに50/60Hz共用として415系、その直流版として111系の出力増強タイプ113系、勾配区間対応でノッチ戻し、抑速ブレーキ装備の115系(制御器はCS15A)に採用されました。

117系ではMT54Dが採用され、185系も同形式が採用されています。Dはネジがウイットネジ(インチネジ)から新JISネジ(メートルネジ)にかわり、互換性が無くなったことで新たに形式を起こしたそうです。

711902_910820 711系 試作902編成を組み込んだ編成 1991/8/20 苗穂

711系ではサイリスタ位相制御が採用され、MT54A電動機を永久並列接続し、端子電圧は375Vから500Vに引き上げ、定格電流を330Aに下げたことで、定格出力は150kWに上昇し、弱め界磁制御も廃して単純化されました。

国鉄以外では、

西武の601系からのカルダン車系列、701、801系は日立HS-836-Frb型 (端子電圧375V、定格出力120kW)ですが、国鉄のMT54と同一設計のモータでした。なんと国鉄の165系(1963年就役)よりも早い1962年に登場しています。さらに西武ではこのモータを国鉄101系と同じ84:15 (=5.60)の歯車比で駆動しており、加速力、牽引力重視の設定でした。国鉄では電力消費量の問題でこの歯車比の通勤車両は新造されず、581系583系を近郊型に改造した419系、715系で初めて101系の駆動装置を転用した際に登場しました。

北陸鉄道の7000系は廃車となった西武の701系のモータを再利用しており、えちぜん鉄道のMC6001形も愛知環状鉄道の100形などを譲受した際にJR東日本からMT54を購入し、搭載しました。伊豆箱根鉄道の3000系でも西武601系などと同仕様の日立製HS-836-Krb型が使用され、歯車比は86:15=1:5.73 となっています。

419_d15080905_2 419系 D15編成 2008/9/5 越前花堂

165系の走行機器を再用した1M方式の107系ではMT54BもしくはMT54D 4基を永久直列接続とし、歯車比を165系の4:21から5:60に変更して使用しています。

107_n1_111103_2 107系 N1編成 他 20011/11/3 日光

こうやって挙げて行くと、103系MT55381系MT58以外殆ど全てのMT46A以降の抵抗制御方式の国鉄新性能電車に使用された汎用モータであることが分かります。

CS15はCS12の発展型主制御器で電動カム軸式抵抗制御器
直列全界磁 13段 並列全界磁11段 並列弱め界磁 4段 
発電ブレーキ ノッチ戻し制御 抑速発電ブレーキ付き となっています。

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コメント

おはようございます。

軽井沢は、雪みたいです。


MT54は、通勤用から特急まで万能でしたね。


出力増強の平坦地用直流急行163系は、サロ163のみで
抑速ブレーキを装着した165系に引き継がれました。


181系には乗りましたが、MT46の161系には乗った記憶がありません。

準急豊島園さま、こんにちは。

めっきり寒くなりましたね。
163系という系列、確かにサロ163形だけは製造され、冷房付きで登場したのですね。
ただむやみに系列を増やすのはやめようと言うことで、サロのみで終わってしまいました。
直流の150、160番台系列というのは、まだ系列の数字の持つ意味がしっかりと決まっていないで番号が振られてしまった感がありましたね。

私も181系になってから山陽の「はと」、上越の「とき」には乗りましたが、151系、161系の時代はなしでした。

B767-281様おはようございます。国鉄でMT54使用の通勤形が実現しなかったのは、つくづく不思議です。東海道緩行に103が入ったあと、大鉄局が105系「MT54付き」を要求した、と言う話がありますが、どうも電力使用量の問題より標準化を優先したようです。もし実現していたら、111.113系のように、101と「105」が混用されていたのでは、などと考えると楽しくなります。

こんばんは。

MT54サウンドと言うと、私にとっては西武701系列の音ですね。つい最近まで115系に乗れる環境に居たのですが、イイ音していました。

確かに国鉄では通勤型には使われなかったのが不思議と言えば不思議ですね。

細井忠邦さま、MiOさま、こんばんは。

MT54による通勤形、やはり通勤形といえばMT55の103系以外考えられなかったのでしょう(笑)。
東武8000系のように1C8Mと1C4Mを併用することなく、MM'ユニットで対応しようとした点もかなり頑なでしたね。
抵抗制御から界磁添加励磁制御の時代になって211系と213系が登場し、MM'と1Mが混在しはじめ、221系で初めて同じ編成内で混在となったのでしょうか。

それにしても西武も恐るべしですね。吊り掛け時代はMT15のような旧式のモータを使っていて、カルダン車なったらいきなりMT54同等品を使い始めるのですから。

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