豊田車両センターまつり その1 E233系 0番台
2015年11月7日の豊田車両センターまつり、これから展示車両に関して系列ごとに記事にして行こうと思いますが、
展示車両(2015/11/7)
E233系 H48編成、青664編成、H53編成、T11編成、T39編成、青661編成、青662編成、青463編成、T20編成
E231系 A520編成
189系 M52編成、N102編成
211系 N323編成、N603編成
651系 K105編成
庫内
E233系 T26編成 T34編成 H56編成、青467編成
クハ201-1
のうちで、E231系A520編成は2015/1/25の記事にしており、189系M52編成は2014/12/7 や2015/6/21の記事で登場しており、N102編成も2013/5/19の記事で登場しており、中央線の211系も2015/2/19の記事などで触れております。
ということで今回は現在の中央快速線の主力であるE233系0番台について触れてみようと思います。
青梅線開業120周年のHMを付けて展示されていたE233系 青467編成 2015/11/7
E233系はE231系の改良・発展系列として、E231系によって置き換えられなかった通勤型車両の201系、203系、205系、209系、近郊形車両の211系の置き換え用として製造されてきました。製造メーカーは東急車輛製造 (2012年4月より、総合車両製作所横浜事業所)、川崎重工業、新津車両製作所(2014年4月より、総合車両製作所新津事業所)です。
製造に当たっては、車両の信頼性の向上、サービスの向上で、故障に強く、人に優しく、情報案内や性能を向上させ、車体強度を向上させることなどを基本コンセプトに据えています。
E231系やE531系の軽量ステンレス製車体を踏襲し、2005年の福知山線脱線事故の教訓から側面衝突時における安全対策も強化されました。
その一環として、台枠の側梁部材をそれまでの2種類の部材から厚みのある部材に統一し、側構体では戸袋部分の強度向上のため出入り口部材を厚みのあるものとし、補強板を追加しました。屋根構体でも屋根垂木材の板厚を増加させ、垂木部材の本数を増やしました。従来はバラバラであった骨組み部材の位置を直方体にくみ上げた後、一致するように配置し、車体の骨組みがリング状になるようにしました。その結果、E231系に較べて、静止強度が側面で約10%、台枠及び屋根で約30%上昇しました。
前頭部は踏切事故における安全対策から、衝撃吸収構造を通勤タイプにも取り入れ、乗務員室扉付近は意図的に壊れやすくしたクラッシャブルゾーンとして、衝撃エネルギーを吸収するようにしています。一方で運転士着席位置や客室部はサバイバルゾーンとして強固な構造にしています。先頭車後位の連結器も衝撃吸収緩衝器付き半永久固定連結器として、後位側の車両への衝撃の伝達を軽減しています。
前照灯はHID灯(キセノンガス、水銀、ヨウ化金属などを封入したバルブ内の電極間の放電で発光)とし、輝度の上昇、消費電力の減少、長寿命化に貢献しています。車外スピーカーも設置され、乗降時のアナウンスや発車メロディーが流されます。行き先表示器も初めてフルカラーLED方式になりました。
TIMSの箱
走行系の機器類は故障や事故に備えて同一機器を2基以上搭載する二重化設計思想が採用されました。情報制御装置はTIMS (Train Information Management System)で運転台からの力行、制動指令はTIMSを介してVVVFインバータ制御装置やブレーキ制御装置に伝達されます。
主制御器CCOS 2レベル方式は0/1、3レベル方式は0/0.5/1の方式でモータ電流を制御
主制御器は64ビットマイコンとIGBT素子による2レベルVVVFインバータ制御方式で電動機(MT75形 140kW)を1C4M 2群構成で制御しています。歯車比は1:6.06でE531系と同様です。
補助電源はIGBT素子を利用したSIV SC86形で容量は260 kVA (三相交流440V)で、こちらも片方が故障した際にバックアップが働く待機二重系となっています。
E233系のCP 以前の系列では如何にも圧縮機といった形態が外観からも判別できましたが、最近の車両は箱に収められています。
CPはE531系で新規開発されたスクリュー式のナブテスコ社製MH3124-C1600SN3形式を採用しています。
シングルアーム式 PS33Dパンタグラフ
集電装置はシングルアーム式PS33Dで、編成内で予備のパンタを装備しており、万が一常用パンタが全て壊れても予備のパンタで1ユニットが働くように設計されています。
ブレーキは回生ブレーキ併用の電気指令式空気ブレーキでTIMSを介して編成単位でブレーキ制御を行います。
台車はボルスタレス台車で制御車と付随車がTR255形およびTR255A形、電動車がDT71形を装着しています。
0番台には、
T編成 10両貫通編成 T1~T42
H編成 6+4両編成 H43~H59
青編成 青梅・五日市線用 6両 青660~670 4両 青460~467があり、
メーカーは
新津 T1~T14、T17~T19、T22、T23、T26、T27、T30、T31、T34~T42
東急 T15、T16、T20、T21、T24、 H43、H45~H52、H56~H58
青660, 460, 663,463, 665, 465, 666, 466, 667, 467, 668~670
川重 T25、T28、T29、T32、T33、H44、H53~H55、H59
青661, 461, 662, 462, 664, 464
となっています。
各編成における車両の番号の構成はE233系の場合、編成毎に下二桁の車両番号を揃えるように、モハなども枝番で区別していますが、
T編成
クハE233 モハE233/2 モハE233/2 サハE233 サハE233 モハE233/2 クハE232
0 0 200 500 0 400 0
H編成 青編成
クハE233 モハE233/2 モハE233/2 クハE232 + クハE233 モハE233/2 クハE232
0 0 200 500 500 600 0
A A A' B B' C D
A: T編成 1-42 H編成 43-59 青編成 60-70
A': T編成 201-242 H編成 243-259 青編成 260-270
B: T編成 501~542 H編成 501~517 青編成 518~528
B': T編成 1~42 H編成 501~517 青編成 518~525
C: T編成 401~442 H編成 601~617 青編成 618~625
D: T編成 1~42 H編成 43~59 青編成 60~67
と10両貫通と6+4編成で形式の違う車両があるため、番号の並びがややこしくなっています。
事故後、5両を新造して生き返った青661編成 2012/8/17 拝島
青661編成は2008年9月8日に東青梅~青梅間で発生した踏切障害に伴う脱線事故でクハE232-519以外の5両を新津車両製作所で代替新造しています。内装品は再利用されていますが1000番台に準じたマイナーチェンジ(アンテナの位置の変化、ワイパーがアームの長いタイプに)も行われています。青661編成は川重製造でしたが、クハE232-519以外は新津製となったため、妻面のビートの有る無し、雨樋の形状に違いが見られるようです。事故後の様子、新造の回送の様子はこちらやこちらに。
H58編成は青658+458編成として出場しましたが、2008年4月1日付けでH58編成に変更されており、H59編成も2015年5月から青659+459編成からH編成になっています。
E233系 0番台の話題ではJR東日本が今年2月4日に2020年度まで二階建てグリーン車2両を現在のT,H編成の3,4号車間に2両導入すると発表しました。車輌製造、ホームの延伸、信号機の移設、グリーン券売り場の設置工事、車両基地の汚水処理施設の設置などで総事業費750億円かけて施工されるようです。
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コメント
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B767-281様 おはようございます。E233系、ノッペリした印象であまり好きになれません。グリーン車の導入、誰が乗るのかな?トイレが付くのか?など気になります。ついでに既存車との車齢の差も気になります。朝からお邪魔致しました。
投稿: 細井忠邦 | 2015年12月 1日 (火) 06時12分
細井忠邦さま、こんばんは。
E233系のG車追加、確かに車齢の違いは大きいですね。
ところで、山手線で運転が開始されたE235系散々なデビューになりましたね。
新聞などによるとブレーキシステムの制御系とありますが、以前 記事にした
INTEROSのトラブルなんですかね。
”ブレーキ方式は、回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキを採用しました。常用ブレーキではINTEROSによる編成ブレーキ力管理システムにより応荷重制御と電空協調制御を行い、回生ブレーキを優先して使用することで、省エネルギー運転と台車の基礎ブレーキで使用されている制輪子の摩耗量の低減が図られました。”とありますが、これまでの試運転では乗客を乗せていなかったのが本運転でたくさんの乗客が乗車して、応荷重制御との関係がおかしくなってしまったのでしょうか?
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2015年12月 1日 (火) 20時40分
こんばんは。
中央快速線、青梅・五日市線のE233は、他のE209、E231,E233の先頭車の正面がラインカラーでなく 白のが不思議に感じます。
昨夜のE235が故障により大塚駅で運用を打ち切りしたのには、驚きました。
ふと思い出したのが
E231近郊型が宇都宮線で9号車と10号車の連結器が 外れて緊急停止をしたことです。
この一件とは全く異なる不具合事象ですが、
昨夜の大塚駅で件は、ホームドアの電源を再投入することで 正常になったようです。
スマホなどでE235の走行位置を確認できるアプリがあるようですが、そこまで情報が必要なのでしょうか。
今夜は、早めに帰宅でしたが、
車内で雑誌を読んでいたのは私だけ!
不思議な光景です!
投稿: 準急豊島園 | 2015年12月 1日 (火) 21時19分
準急豊島園さま、おはようございます。
今から思うと中央線のE233系のカラーパターンは例外的になりましたね。常磐線のE531系のパターンを踏襲した感もありますが。京浜東北線の1000番台から各線区のパターンが確立したように感じます。
E231系で連結器が外れる事故があったのは知りませんでした。
確かに今、電車に乗ると9割近くの人が皆スマホを見てますね。そのうちの6割程度はゲームをしているようにも感じますが(笑)。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2015年12月 2日 (水) 04時42分
こんにちは~。モモパパです。
話は全然関係ないですが先日JR山手線に導入された新しい車輌。
トラブル続きで運行停止になってしまいましたね。
せっかくの新しい車輌なのに開発が煮詰まってなかったのでしょうかね。
投稿: モモのパパ | 2015年12月 6日 (日) 20時22分
モモのパパさま、こちらにもありがとうございます。
E233系まではTIMSを使って情報を制御装置に流していましたが、E235系ではINTEROSという新しいシステムで、さらに多くの情報を集めて統合させ運転に反映させているようですが、今回の場合、試運転では想定しなかった、乗客数の変化、特に初日ということで多くの鉄道ファンをはじめとする乗客が詰めかけたもので、想定外の重量変化にシステムが応答しきれなかった様ですね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2015年12月 6日 (日) 22時47分
E233系は既に3000両以上あり、中央線を手始めにJR東日本の首都圏各線で大活躍している車両となっていますが、ロングシートと固定クロスシート、4ドアである点を除けばJR東海や西日本の通勤・近郊電車と肩を並べるほどのエース的車両と言える気がします。
埼京線のE233系7000番台は今りんかい線に乗り入れていますが、今年の11月30日に相鉄がJRに乗り入れてくると相鉄にも乗り入れを開始すると言われています。また相鉄も新型車両の12000系を導入するので、相鉄・埼京の両線でE233系と12000系の競演が見られそうです。
投稿: 乃木坂46三期生応援団 | 2019年4月 7日 (日) 17時50分
乃木坂46三期生応援団さま、はじめまして。
コメントありがとうございます。
まずは相鉄とJRの相互乗り入れ11月30日からとスケジュールが発表されましたね。相鉄としては初の東京進出であり、新たな車両12000系が導入され、JRもE233系7000系が数本増備され、既に活躍中ですね。
これからも宜しくお願い致します。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2019年4月 8日 (月) 05時36分