隅田川貨物駅フェスティバル 2 EH500-5
2015年10月25日、JR貨物の「隅田川貨物フェスティバル」、今回はもう1台の機関車展示、EH500-5号機です。
EH500-5 2015/10/25 隅田川貨物駅
拙BlogではEH500形の写真を1両ずつ紹介しており、ちょうど10月26日に5号機を紹介予定だったこともあり、5号機が展示されているのを見たときは「あれっ!」と思いました。今回は当日の写真とEH500に関連した話題で記事にしようと思います。
憧れのマンモス機を間近で見ることが出来た貴重な機会でした。
EH500形は1997年から製造され、2012年度(2013年3月)に製造された81号機が現在のところラストナンバーとなっています。
901、1~44、51~66、73~81号機の70両が仙台総合車両所に45~50、67~72の12両が門司機関区に配置され、仙台配置車両は首都圏から五稜郭(函館貨物)の貨物列車を、門司機関区配置車両は幡生操車場から福岡貨物ターミナルまでの貨物列車牽引を担当しています。門司へのEH500形の配置は九州への1300t貨物の直通を可能にしたとされています。
本来、交直両用機であり、交流区間も50/60Hz対応なので、保安装置と軸重の問題がなければ電化区間ならどこでも運用可能な機関車ですが、面白いことに、首都圏では東京貨物ターミナル乗り入れはありません。また東海道、山陽ルートも幡生操車場以東への乗り入れもありません。
2016年3月26日、北海道新幹線、新青森~新函館北斗間の149kmの開業がすでに発表されています。、青函トンネルを含む津軽海峡線のうち新中小国信号場から木古内までの約82kmは新幹線と在来線の共用区間で、2014年12月1日からH5系新幹線電車を使用した走行試験が開始されています。
津軽海峡線は日中の在来線運行時間帯は在来線運行管理システムが管理し、夜間の新幹線走行試験時間帯はCYGNUS (Computer system for signal control and useful maintenance of Hokkaido Shinkansen) と名付けられた列車の運行管理、制御機器監視システムに切り替えて、新青森以南のJR東日本のCOSMOS (Computerized Safety, Maintenance and Operation Systems of Shinkansen) と接続して試運転を管理しています。
新幹線の走行試験はこの切り換え方式で行えますが、開業後は貨物列車がCYGNUS管理下の共用区間を走るため、CYGNUS管理状態に固定した状態で1日以上システムが安定して稼働するかのチェックが2016年1月1日に全列車を運休して行われることも既に発表されています。
まだEH800の実物に逢っていないものですから、こんな写真で
新幹線の架線電圧25kVと従来からの20kVの両電圧に対応し、新幹線用保安システムDS-ATCに対応した複電圧交流電機がEH800で、2012年11月に901号機が落成し、12月から性能試験が実施され、2014年度から量産も開始され、7月16日からED79の運用を代走する形で営業運転に投入されています。量産機もすでに14号機まで落成、五稜郭機関区に配置されています。
来年3月でお役ご免?となるED79 50番台 2010/10/24 千刈踏切
来年春以降、EH500形はEH800形の製造、投入分余剰となるわけで、それがどのような運用の変更、所属の変更になるか興味があったのでイベントの際にJR貨物の方に質問してみました。
1) 現時点では仙台配置機が門司に移動するような転属の話はない。
2) 青函からの撤退で余裕が生じる分は首都圏、奥羽本線北部の運用に回す予定。
3) 門司機関区の運用範囲は熊本まで拡大
という状況で現時点では3月改正以降の運用を考えているとのことでした。
首都圏の運用については黒磯における地上切り替え方式の交直接続が、設備の老朽化もあって近い将来、黒磯~高久間にデッドセクションを設けて車上切り替え方式とするプロジェクトがあるそうで、その辺の推移を考慮して東北本線の直流機の運用をEH500形の運用の南下延伸で置き換えて行くのではないでしょうか。既に同区間用なのかE531系3000番台5連3本も出場しています。
2015年3月改正の運用における黒磯折り返しを見て見ると
折り返し時間
A109 3084レ 2:32 ====== 8:02 4083レ A110 5h30m
A126 4070レ 0:18 ====== 6:58 3089レ A127 6h40m
A130 3064レ 9:00 ====== 11:43 3083レ A131 2h43m
A138 3078レ 3:07 ====== 6:38 1075レ A139 3h31m
A139 1074レ 12:48 ====== 10:07 3085レ A140 21h19m
A154 4086レ 2:45 ====== 10:22 4089レ A155 7h37m
A158 4078レ 19:54 ====== 0:28 4053レ A159 4h34m
A160 4054レ 3:38 ====== 9:53 臨8179レ A161 6h15m
A161 臨8178レ 19:48 ===== 1:40 4085レ A162 5h52m
A174 4084レ 23:38 ===== 5:42 1071レ A175 6h04m
A175 1070レ 11:07 ===== 1:24 3079レ A176 14h17m
A181 3082レ 21:08 ====== 2:33 4071レ A182 5h25m
となっており、折り返し時間から考えて、黒磯で折り返さず、首都圏のターミナルあるいは新鶴見のような継走場所までEH500が運用された場合、現行の折り返しに対して新たに機関車が必要なケースと必要でないケースに別れますが、いずれにせよ機関車運用に余裕が生じるのでこれらの運用のいくつかかは首都圏直行となり、東京ターミナルや蘇我などまだEH500が乗り入れていない場所に運用が設定されるのかと思われます。
私も、北海道新幹線開業前の在来線での青函トンネル通過と函館貨物や津軽海峡線でのEH500、ED79の見納め、EH800の初撮影に12月20日からの1週間、青森、函館旅行を計画しております。
最後まで読んで戴きありがとうございます。
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コメント
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こんにちは~。モモパパです。
ED79.
お役ご免になってしまうのですか。
考えてみれば今までいろんな機関車が廃車されてきました。
僕が好きなEF58にEF60、EF65 500番台などなど。
これも時代の流れなんですかね。
投稿: モモのパパ | 2015年12月 6日 (日) 20時26分
モモのパパさま、こちらにもありがとうございます。
青函トンネルの場合、北海道新幹線の開業のために在来線の北海道側は第三セクターになり、夜行列車は廃止になりと、果たして廃止にしてメリットがあるのかと思う点がいくつかありますね。
JR東日本の豪華列車「四季彩」の運行予定では北海道まで運行されるとのことで、青函トンネルはどうやって通過するのか気になりますが、「北斗星」や「カシオペア」を廃止して、豪華列車は走らせるというのも何か変な感じが致しますね。
そもそも北海道まで新幹線に乗り続ける乗客はいるのかと感じます。首都圏と函館、札幌ならどう考えても飛行機かなと思うのですが。1988年3月以降、何度も北海道には行っていますが、私も未だに青函トンネルはくぐっておりません。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2015年12月 6日 (日) 22時55分
おはようございます。
EH500が 首都圏と青函の主力になっていますね。
私なんか相変わらず
特急A牽引が 青森のED75P重連が 担っていたのが先日のように感じます。
コキ50000系ならば、ED75一般型で大丈夫でしたが。
在来線青函から北海道新幹線になることで 青函の運行システムが変更されるそうですが、
昨今のE235の不手際、そして仙台市地下鉄東西線の試運転での不手際など重なっているので
北海道新幹線における運行システムは本番で何事もないことを願うばかりです。
JR東日本の新しいリゾート車両、
青森までは田端のEF510が牽引でしょうが、
その先はJR貨物のEH800に委託するのでしょうか。
ED79 50番台、廃車になってしまうのでしょうか。
JR東日本が所有するED75 700番台を廃車して、ED79 50番台を…というのは無理なことでしょうか。
投稿: 準急豊島園 | 2015年12月 7日 (月) 04時53分
準急豊島園さま、おはようございます。
昨日も横須賀線が東京駅の地下トンネルで地下水汲み上げポンプが故障して、線路が冠水、半日以上修復に時間がかかったり、先日は横浜線で架線柱が折れたり、似たような障害は以前山手線神田付近でも発生したりと、今年はいろいろなトラブルに見舞われていますね。
仰るようにJR東日本所有の工臨などに使っているED75700番台をJR貨物のED7950番台で置き換えるというのは車齢的に見ても良いアイディアかと私も思います。
ED7950番代はEF66100番台、EF81500番台とともにJR化直後に当座の機関車不足を補うためにED79の設計(ED75700)の設計をほぼ踏襲して製造されていますからね。本質的な違いは殆ど無いと思いますね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2015年12月 7日 (月) 05時58分