小菅の複々線を走る様々な列車達 東武の車両編 8 8000系 その2
製造両数の多さと製造期間の長さから「私鉄の103系」とも呼ばれた東武8000系も現在は東武スカイツリー線(浅草~東武動物公園、押上~曳舟間)や東上線(池袋~小川町間)における営業運転からは退きました。
8401 2012/11/25 大宮
8000系4連のトップナンバー編成 後に8701+8801が組み込まれて6連(6R)化されました。
8000系は4連、2連、6連、8連が用途に合わせて製造され、最後に8連から800系、850系の3連も造られました。東武では4連を4R車というようですので、私もそれに従って記述します。
8000系は登場後23年目の1986年から2007年にかけて、いわゆるリニューアル、(東武では修繕)が行われました。この修繕も、1986年度施工分、1987年度~1996年度施工分、1997年度~2000年施工分、2001年度・2002年度施工分と5期に分かれて行われ、それぞれで内容が異なります。
1) 1986年度施工分 8104, 8108, 8111, 8112, 8127, 8130, 8509, 8516
これらは外板の張り替え、塗膜をはがしての再塗装、側面行き先表示器の新設、シートモケットの変更、車内化粧板のデザイン変更が行われ、内装は当時の新製車10000系と似たカラースキームとなりました。前面形状はオリジナルのまま残され、
後の修繕済み車両に付けられた津覇車両の銘板も付けられませんでした。
2) 1987年度~1996年度施工分
1987: 8102, 8103, 8105, 8106, 8107, 8110
1988: 8101, 8109, 8113, 8114, 8131, 8132, 8503, 8519
1989: 8116, 8117, 8121, 8122, 8133, 8136, 8504, 8508, 8511, 8513, 8517, 8523
1990: 8118(4R), 8120, 8135, 8137, 8502, 8505, 8506, 8507, 8510, 8520, 8527
1991: 8115, 8125, 8139, 8501, 8512, 8521, 8528, 8543,
1992: 8118(6R), 8129, 8140, 8119, 8123, 8124, 8138, 8514, 8522, 8531
1993: 8126, 8128, 8134, 8141, 8524, 8525, 8526, 8530, 8532, 8533, 8534, 8535, 8536, 8537
1994: 8142, 8143, 8145, 8147, 8148, 8151, 8541, 8542, 8544
1995: 8144, 8150, 8152, 8155, 8538, 8539, 8547
1996: 8149, 8153, 8159, 8163, 8167, 8168, 8549, 8555
前面形状が6050系に準じたデザインに変更され、運転台も10030系タイプに交換されました。「津覇車輛」の銘板を設置するようになり、途中から運転席側の客室との仕切り窓の廃止や蛍光灯の増設が実施されました。
3) 1997年度 - 2000年施工分
1997: 8158, 8161, 8162, 8164, 8169, 8553, 8556, 8557
1998: 8157, 8165, 8168, 8170, 8173, 8552, 8569
1999: 8156, 8172, 8175, 8179, 8191, 8558, 8567
2000: 8160, 8171, 8181, 8185, 8559, 8560, 8566, 8573,
車椅子スペースの新設、行先表示器の字幕式からLED式への変更、当時の新製車である30000系と同様のHID式前照灯となり、ケースの形状も変更されました。運転台のワイパーが電気式となり、大型化されました。列車無線アンテナの形状が棒型から逆L字型に変更されました。クハ8100形・モハ8500形の正面の向かって右下にジャンパー栓の台座が設置されました。
4) 2001年度・2002年度施工分
2001: 8177, 8183, 8192, 81108, 8561, 8562, 8565, 8568, 8575
2002: 8197, 8199, 81109, 81111, 81112, 81117, 8563
修繕内容は1997年度 - 2000年施工分と同じで後期台車装備車が主に対象となりました。また、自動放送設備、車外スピーカーを装備したワンマン運転改造編成もこのグループです。
5) 2003年度 - 2007年度施工分
2003: 81107, 81110, 81113, 81114, 81120 ワンマン対応: 81111, 81112
2004: 81119, 8570, 8577, 801, 802, 851, 852 ワンマン対応: 81109
2005: 8572, 803, 804, 805, 853, 854, 855
2006: 8189, 8190, 81105, 81106, 81118, 8564, 8574, 8576, 8579
2007: 81115, 81116 ワンマン対応: 8183, 8184, 8197, 8198, 8199, 81100, 81108
LEDスクロール式車内案内表示装置(客室内1両あたり4箇所の扉上に設置)・ドアチャイム・車外スピーカー・自動放送装置・デッドマン装置の設置、7名掛け座席にスタンションポール追設、側窓を一部固定化したバリアフリー仕様編成が登場しました。
次に新製時の編成タイプごとに登場後の変化を追ってみましょう。
4R車
1963年から製造された基本の編成タイプで1970年製の8155Fまではすべて4Rで製造されました。
8126F 2011/12/4 東岩槻
4連のままで生涯を終えた編成です。
<浅草・池袋・柏
Tc1 M1 M2 Tc2
クハ8100 - モハ8200 - モハ8300 - クハ8400
CON1/PT MG/CP
といった形式番号構成です。
表1 東武8000系 8101F~8155F
このグループは現時点では2編成が現役、1編成8111Fが動態保存という状態になっています。
表2 東武8000系 8191F~81120F
表1,2のデータは「東武8000系写真館」および「Kasukabe」総合車両センターさまのデータを参考に作成致しました。
CPは標準型のC-2000Nを搭載していましたが、後期車からはHB-2000CAに換わりました。
晩年は野田線に集結しましたが、8155Fまでの4R車の一部は3通りの方法で6R化されています。
A) 1971年から1972年にかけて8101Fから8114Fの14編成はサハ8700 - モハ8800を組み込んで6連化されました。西武701系、701F~713Fと似た経緯を辿っていますが、新製された1M1Tの中間車を組み込んでいる点が違います。
8106F 2011/12/4 東岩槻
4連で登場後、サハ8700-モハ8800を新製し、組み込んで6連化された編成でした。
B) 修繕工事の際に中間車化改造された2R編成を組み込んで6Rになった編成が10編成あります。2R編成は4R編成と編成番号が同じ番号の編成が組み込まれました。
8145F 2011/12/4 東岩槻
2Rの同番号編成(8545+8645)を修繕工事の際に、中間車化して組み込んだ6連
C) 4+2 併結の6連編成でクハ8400、クハ8500の運転台を撤去して6R化された編成
8153F 2011/12/4 東岩槻
併結相手の8542Fとの間の中間運転台を撤去して6連化した編成です。
一方、ワンマン運転対応のため東上線用の8R編成が分割されて4Rになったものもあります(このタイプは8R車の記事で触れます)。
81108F 2009/9/5 栃木
8156F以降、 8191F, 81107F-81109F, 81111F, 81112F, 81118F-81120Fと9本の4R編成が製造されましたが、これらから6連に改造された編成は出ていません。
長期間に渡る大量製造で、編成番号は99を越えてしまい、81000なる番号、所謂インフレナンバーが出てしまいました。面白いことに、このインフレナンバーの読み方は81111の場合ははっせんひゃくのひゃくじゅういちと読むそうです。
これらの4連のうち、81107Fはツートンカラー復元塗装
2015/12/6 南栗橋車両管区
8111Fと同様のインターナショナルオレンジ+ロイヤルベージュのツートンカラー
2015/12/6 南栗橋車両管区
81111Fはセイジクリーム塗装となっています。これら2枚の写真は先日の東武ファンフェスタでの色見本展示からです。
因みにフライング東上塗装の8198Fは8R車からの改造車です。
B,Cなどの方法で6R化された際に出た運転台関連の部品は後述する8R車からの800系、850系改造や、4R化の際に流用されたそうです。
今回はここまでです。
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