速報版 2015冬の旅行 青森・函館の旅 弘南鉄道弘南線3
今回も弘南鉄道弘南線の話題です。
2015年12月25日、函館を出発する頃から、暖冬の気候が漸く本格的な冬の気候に変化する兆しが見えていましたが、弘南線初乗りで黒石駅に到着した頃には完全に冬の様相を呈してきました。
今回立ち寄りませんでしたが、途中の平賀駅同様に編成が留置されており、終点の黒石駅には折り返しで発車する7153編成の他、左の7022編成、さらに昨日の記事で紹介した7021編成が留置されていました。
また、除雪用のラッセル車キ104とED333が連結された編成も留置されていました。
再掲
大鰐線では大鰐温泉駅にED221とキ105が留置されていました。
このラッセル車は国鉄キ100形貨車として、1928年から1956年まで苗穂・大宮・浜松・土崎・郡山の各国鉄工場と、飯野産業(飯野重工業)・立山重工業において全194両(キ100~キ293)が製造された事業用貨車(単線用ラッセル式除雪車)です。
もっとも、キ258~キ275は1953年に木製のラッセル車キ400形(2代)を苗穂工場、新津工場にて鋼体化改造して編入したそうです。
キ104 前頭部
前部がラッセル部、後部が機械室となっており、前頭部は上の写真のようにくさび形をして、線路上の雪をかき分けます。前頭部の形状は100-143の延鋤形、144-172の曲面状の流線形、173-293の平板の直線形と試行錯誤の跡があったようですが、直線形の優位性が認められ、大部分が直線形に改造されたそうです。
ラッセル前頭部の「舳先」部分の最下端には、フランジャと呼ばれる可動式の爪があり、踏切や分岐器等支障のある箇所以外ではこのフランジャを下ろして線路間に溜まった雪を除雪するようになっています。
操縦室後ろにある機械室の左右側面には大型の除雪翼があり、これを左右に展開することにより、前頭ラッセル部が掻き分けた雪をさらに線路脇に押し退けます。この左右除雪翼や前頭ラッセル部下端のフランジャを動作させるのは全て空気シリンダによって行われているため、機械室屋根には機関車から送られてくる圧縮空気を溜めておくエアタンクを6基備えています。
仕様
自重:31.1t
最大長:11.39m
最大高:3.99m
軸数:2軸ボギー台車×2 前位の台車は除雪時の安定性の確保から枕ばねのないTR42、後位の台車は戦前製のものはアーチバー式のTR20、戦後製はベッテンドルフ式のTR41を装備しています。
弘南線のキ104は1968年に譲渡されたもの、大鰐線のキ105は国鉄キ157を1975年に譲渡されたものです。
これらのラッセル車、1月に見たTwitterの記事ではせっせと除雪運用で活躍しているとのことです。
ED333は武蔵野鉄道(現 西武池袋線)の電化にあたり、1923年にアメリカウエスティング・ハウス社より、購入した3両の凸型電気機関車の1両で武蔵野鉄道ではデキカ10形と命名され、旧西武鉄道との合併による形式名統一でE11形となりました。参考記事
再掲
一方、大鰐温泉駅で見かけたED221は信濃鉄道(現 大糸線の北松本-大町間)が1926年に米国ウェスティングハウス/ボールドウィン社から30トン級EL3台を購入し、No1~3と名付けられました。1937年の国有化でED221~3となり、1号機は1948年に廃車となりました。これを西武鉄道が購入し、ED1と命名、同年10月近江鉄道に貸し出され、1950年2月、正式に近江鉄道に籍を移し、さらに1960年10月から1974年11月までは一畑電鉄でED221として活躍し、1975年から弘南鉄道に活躍の場を移しました。2,3号機もそれぞれ別の車生を辿っていますが、それぞれ解体されずに保存されているとのことです。
参考にした記事
黒石の観光に関しては折角の機会ではありましたが、気候的に厳しかったので、次回に回すことにして、直後の折り返し電車で弘前方面に向かうこととしました。
最後まで読んで戴きありがとうございます。
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