速報版 2015冬の旅行 青森・函館の旅 4日目 函館市内観光 その3 外国人墓地
2015年12月24日、ベイエリアを観光した後は、市電に乗車し、函館どつく前電停周辺と外国人墓地の散策を行いました。
2015/12/24 函館どつく前電停
函館どつく前から外国人墓地をカバーした地図
函館どつく前電停のそばには、弁天台場跡と新撰組最後の地の碑がありました。
弁天(岬)台場は江戸幕府が1856年から1863年にかけて外国船襲来に備えて箱館湾沖に建設した砲台です。周囲390間(約710m)、不等辺6角形で総面積11,611坪(約383,000平方m)高さ37尺(約11.2m)の石垣を持つ土塁2350尺(約780m)に囲まれたものでした。土石は函館山より切り出し、大手門などは大坂から運んだ備前御影石を用いたといわれています。設計者は五稜郭と同じ武田斐三郎で工事は松川弁之助が請け負い、井上喜三郎が引き継ぎました。
皮肉なことに台場が実際に使われたのは内戦となった箱館戦争であり、台場は旧幕府脱走軍によって占拠され、新政府軍と砲撃戦が展開されました。しかし、新政府軍によって圧倒され、1869年5月15日、籠城していた箱館奉行永井玄蕃ほか約240名全員、新撰組百余名も含まれており、ここが最後の地となりました。
台場は1896年の港湾改良で取り壊され、周囲が埋め立てられ、消失しました。
このあたりの海岸は函館山の北西の山麓で、対岸には久根別、上磯から茂辺地、葛登支岬まで見えます。
波静かな湾に停泊する各種の船
3枚目の写真の対岸に見える高架橋が北海道新幹線です。
渡島半島のランドマークでもある駒ヶ岳は噴火前は富士山のような山容で標高1700mありましたが、1640年の大噴火で山頂が崩壊し、 現在のような山容(標高1131m)になったそうです。
外国人墓地へ行く道路の途中に国華山高龍寺があります。
高龍寺は函館市内では最古の寺院で
1633年 松前法源寺(曹洞宗永平寺派)の僧・盤室芳龍が、亀田(現在の万代町付近)に創建。
1706年 幸坂下に移転。
1869年 箱館戦争において、旧幕府軍が箱館病院分院として使用。しかし5月11日の箱館総攻撃の際、乱入した官軍兵により負傷者を殺害・放火され焼失。
1879年 現在地に移転。
1899年 現本堂が完成。
1911年 東北以北最大といわれる山門が完成。
2012年 本堂・山門など計10の建造物が登録有形文化財となる。 といった歴史がある寺院で、蠣崎波響(松前藩の家老で江戸時代後期の画家)の最高傑作といわれる釈迦涅槃図を所蔵しています。
墓地一帯に入ると最初にあるのが中国人墓地です。
ペリー来航、函館開港で居住外国人が増え、死去する者も増えたので1870年、開拓使と在函5カ国領事の間で協定が結ばれ、外国人墓地設置が決まりました。
中国人墓地には中華山荘とも呼ばれ、23基の墓があります。
プロテスタント墓地
函館港を一望する高台にあり、ペリー艦隊ヴァンダリア号の水兵2名の他、イギリス、ドイツ、アメリカ人等41基の墓があります。
中国人墓地の道を挟んで反対側、高台側にはロシア人墓地があります。初代ロシア領事の夫人を含む43基の墓があります。墓の形状もロシアの文化を反映しています。
墓地群の先にあるピンクの建物は函館検疫所台町措置所
1877年、中国に始まったコレラの流行が日本にも波及する勢いをみせたので内務省からの指示で開拓使函館支庁内に検疫取り扱い事務所が設けられました。しかし、流行は防げず、1885年、防疫体制の強化のため、函館、新潟、横浜、神戸、下関、長崎に常設消毒所が設置されることになりました。函館では同年11月に消毒施設が建てられ、1886年5月には隔離室も併設され、検疫業務が開始されました。
1896年3月、函館消毒後は検疫所に改称され、1945年には太平洋戦争終結により、樺太方面からの引揚者の検疫にあたり、多くの患者を措置所に収容し、医療、援護に活躍しました。1968年、検疫所は市内海岸町に落成した港湾内合同庁舎内に移転し、1997年に小樽検疫所函館出張所と改称されました。
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