江ノ電を撮る 車輌編 その10 500形
江ノ電の車両シリーズ、最後は300形の置き換え用に2006年から投入された500形です。
これまで2編成投入されており、501Fが2006年3月27日、304Fの置き換え用として、502Fが2008年3月31日に投入されました。製造は両編成とも東急車輛製造でした。
車体は枕梁と中梁以外は江ノ電では初のステンレス製で、20形と同一の塗装が施されました。国鉄EF81301, 302のようにステンレス車体を塗装するのは極めて珍しい例だそうです。
前面にはスカートを装備し、乗降扉は両開き構造、窓ガラスは複層ガラスとなりました。
集電装置はシングルアーム式パンタグラフとし、屋根中央部に集中式冷房装置と空調制御装置が搭載されました。潮風による腐食対策で機器のカバー主枠はステンレス製となりました。
走行系は江ノ電初となるVVVFインバータ制御(2レベルIGBT)となりましたが、台車、補助電源、CP,蓄電池は置き換えられた300形のものを流用しました。
主制御装置は東洋電機製造製のATR-M460-RG695Aで江ノ電では初の回生ブレーキも装備され、回生失効対策として発電ブレーキも併用されています。
主電動機はTDK-6252-A(端子電圧440V、電流106A、周波数55Hz、出力60kW、定格回転数1,615rpm)です。駆動装置は300形の更新工事で採用された中空カルダン駆動用のものをTD継手用に変更したKD-110-B-Mであり、小歯車周りは新製されましたが、歯車箱は廃車になった300形のものを流用しました。歯車比は82:13(6.31)です。
車内は江ノ電初の英語放送併用の自動放送装置が導入され、扉上部の車内案内表示器は初採用の2基の液晶ディスプレイとなり、右側に路線案内、左側にDVDによる沿線案内が表示されます。
次回からは2015/11/28に極楽寺検車区で開催された『江ノ電タンコロ祭り』の様子を報告します。
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コメント
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B767-281様 今晩は。恥ずかながら500がステンレス製とは知りませんでした。優しいスタイルで好感のもてる車ですね。部品をリサイクルしているのもナイスですね。
投稿: 細井忠邦 | 2016年2月10日 (水) 20時05分
細井忠邦さま、こんばんは。
私もステンレス製であったことは、調べてみるまでは知りませんでした。普通、ステンレスに塗装なんてありえないことですものね。
しかも、廃車になった300形の部品をリサイクル、確かにナイスです。
なにか、極楽寺検車区の暖かさが伝わって来る話ですね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2016年2月10日 (水) 23時12分