1989年のDüsseldorf Airport その42 Air EuropeのShort 360-100
1989年の西ドイツ Düsseldorf空港で撮影した写真、いよいよ今回で最終回となりますが、最後に取って置きの珍奇なスタイルの機体を紹介しようと思います。
Short 360-100 G-BPCO cn SH3604 Air Europe 1989/5/4 DUS
このユニークなスタイルの双発ターボプロップ機はイギリスのショート・ブラザーズが製造したショート360というタイプの旅客機です。航空ファンの間では「ハコフグ」といった渾名を持つ飛行機です。
オリジンは同社が短距離旅客機、軍用輸送機として1959年から開発、1960年から組立が開始され、1963年1月17日に初飛行したショートスカイバンです。
最初はレシプロエンジン搭載のスカイバンシリーズ1からスタートし、シリーズ1A(1963年10月2日初飛行)でアスターズIIターボプロップエンジン装備の試作型に、さらにシリーズ2で量産され、エンジンはアスターズXIIになりました。1968年からはギャレット製TPE-331エンジン搭載のスカイバンシリーズ3が登場、これをベースにシリーズ3A (最大離陸重量アップ)、シリーズ3M (軍用、捜索救難用)、3M-200 (3Mの重量アップ)と発展して行きました。豪華版純旅客輸送タイプのスカイライナーシリーズも生産されました。
胴体断面は搭載能力を最大限まで上げるため、特徴的な四角形となり、主翼は上翼式、降着装置は固定式、水平安定板の両端に垂直尾翼を立てたH型の尾翼構造となりました。
キャビンは非与圧式で旅客仕様では定員19名、後部にヒンジ式カーゴドアを装備していました。1986年まで北アイルランドのベルファストで生産され、153機が製造されました。我が国でも海上保安庁が運用していました。
スカイバンの胴体を延長させ、最高30名まで旅客定員を増やしたのがショート330でした。降着装置は引き込み式とし、5翅プロペラの採用による騒音の低下などの改良が行われました。
1974年8月22日に原型機が初飛行し、1976年にはカナダの航空会社が採用、C-23Aシェルパとして、胴体後部に大型化した貨物扉を設置したバージョンがアメリカ陸空軍で運用されました。
初期量産型は330-100でプラット&ホイットニー・カナダPT6A-45A又は-45Bエンジンを搭載しています。改良型は 330-200でPT6A-45Rエンジン搭載しています。330UTTと名付けられた多目的戦術輸送機(Utility Tactical Transport)型もあり、空挺降下用のドアを有し、タイにて採用されました。
330の派生型として、前部胴体を0.9m、後部胴体を3.8m延長させて36席級の旅客機にしたのがショート360です。
尾翼は再設計され、後退角をもった一枚のものとなりました。主翼は支柱で支えられた半方持ち式で、主脚は胴体側面のスポンソンに収納されています。
1981年6月1日にプロトタイプが初飛行し、1991年までに165機が製造され、今日も多くの機体が現役で活躍しています。
-100 前期量産タイプ
-300 後期量産タイプ エンジン換装 プロペラ翅を5枚から6枚に
-300F 貨物機型。尾部にリアローディングドアを装備。
機体性能
運航乗務員: 2
乗客: 36
全長: 17.69 m
全幅: 22.78 m
高さ: 4.95 m
翼面積: 42.1 m²
空虚重量: 6,440 kg
最大離陸重量: 10,387 kg
最大速度: 352 km/h
巡航速度: 296 km/h
航続距離: 1,239 km
巡航高度: 3,500 m (11,500 ft)
続いてAir Europeは1978年に創設された英国の航空会社です。当時はInter European Airwaysといいました。
本拠地は当初Reigate, Surreyで後にCrawley, West Sussexとなりました。拠点空港はロンドンガトウィック空港でした。1979年に3機のBoeing737-200で営業を開始し、パッケージツアー会社として業績を伸ばし、1980年代には定期便も運航しましたが、1991年3月8日、倒産に至りました。
フリートは29機、
7 Boeing 757-200
4 Boeing 737-400
5 Boeing 737-300
7 Fokker 100
6 Shorts 360 1991年3月8日時点で でした。
この航空会社に関してはこれから他の空港の写真でもよく出てくるので今回はここまでに致します。
最後まで読んで戴きありがとうございます。
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