東武ファンフェスタ 2015 2 工場内見学 11452編成の検査修理
2015年12月6日に東武鉄道南栗橋車両管区で開催された「東武ファンフェスタ 2015」、前回に続いて工場内の様子で、今回登場するのは10000系 (10050番台) 4R 11452編成です。
10000系は8000系の後継として1983年に登場した通勤形車両で、7300系の置き換えも目的に製造されました。技術的には1983年より地下鉄有楽町線直通用に製造された9000系をベースに、4扉ステンレス製軽量車体、電動カム軸式バーニア界磁チョッパ制御方式で、2連、6連、8連が登場しました。
2016/2/6 西新井
9000系と非常に似たスタイルの10000系 2R車
1988年4月、マイナーチェンジした10030系が登場し、顔が変わりました。車体はコルゲート車体から,ビートプレス車体でステンレス光沢を押さえたダルフィニシュ(梨地)仕上げとなり、台車はボルスタレス台車に、補助電源はMGからSIVになり、2連、4連、6連、10連が登場しました。同じ時期、試作的にGTOサイリスタ素子によるVVVFインバータ制御を採用した4両編成1編成が登場し、10080系と命名されました。
1992年以降、製造された車両は10051以降に付番され10050系と呼ばれ、客室内車椅子スペース、補助送風機の設置、外観では冷房装置のカバーが連続式になるなどの変更がありました。
1995年までに総数486両が製造され、2007年から更新工事も施行されおり、2013年度からは制御器のVVVF化も行われています。
2009/10/31 朝霞台
東上線で活躍していた頃の11452F
2015/4/29 小菅
本線(スカイツリー線)急行線を行く11452F
11452編成は1992年10月26日にアルナ工機で製造・竣工し、東上線森林公園検修区に配属されました。2004年10月、川越工場で全般検査を受け、2008年3月、同じく川越工場で重要部検査を受けています。2012年2月29日、本線の南栗橋車両管区春日部支所に転属となり(転属の日は大雪だったようです)、2012年5月、南栗橋工場で全般検査を受けており、今回の入場は重要部検査だったようです(情報はこちらより)。
因みに東武の車両番号は 11452の場合を例に取ると
最初の1 10000系
2番目の1 浅草、池袋、柏から見て1両目
4 4両編成
52 第52編成 (50番台 第2編成)
西武の付番方式 20000系の場合 20152を例に
最初の2 20000系
3番目の1 飯能・西武新宿から見て1両目
5 8両編成 0なら 10両編成
2 第2編成 となっています。
台車は枕バリ(ボルスタ)の無いボルスタレス台車、SS009 付随車、SS110 電動車
空気バネに上下方向のみならず、左右方向の衝撃も吸収させることで、枕バリの機能を担わせ、枕バリをなくすことができました。
軸箱支持装置 SU型ミンデンドイツ+軸エリゴバネ
揺れ枕装置 ボルスタレス空気バネ(ボスルスタレス用ダイアフラム)
牽引装置 1本リンク
固定軸距[mm] 2,200
車輪径[mm] 860
上の写真からは見えにくいですが、車体からの中心ピンが台車中央の牽引装置に差し込まれ、ゴムブッシュを介して1本のリンクで台車と繋がり、牽引力、制動力が伝達されます。
床下機器箱も開けられて中の様子を見ることができました。
他励式界磁チョッパ制御装置
力行:直列24段・並列21段・弱界磁他励界磁チョッパ制御
ブレーキ:回生及び抑速回生ブレーキ付
VMC-HTR20A : M1-M2 (1C8M)
普段見ることがない、中間車両の連結面や中間連結器も見ることができました。
11452編成、年末には検査を終え、南栗橋を出場し、上の写真のように2月6日には運用に復帰しているのを見かけました。
最後まで読んで戴きありがとうございます。
上のリンクをクリックされると面白い鉄道記事満載のブログ村。もしくは鉄道コムに飛ぶことができます。
« San Diego Lindbergh空港でのSpotting 16 Northwest A320 | トップページ | 京急ファミリー鉄道フェスタ2015 part10 都営地下鉄5300系 »
「鉄道施設」カテゴリの記事
- 2023年晩夏の関西旅行 近江鉄道彦根駅の風景(2024.11.19)
- 速報版 2024年晩夏 京都の旅 2日目 午前中は嵐電、午後は叡電を満喫(2024.09.04)
- 速報版(補遺) 2024猛暑の夏 新潟の旅 3日目 その2 直江津駅 part2(2024.08.27)
- 速報版 2024猛暑の夏 新潟の旅 2日目(2024.08.20)
- 2023年夏と2024年冬の名古屋旅行 その37 豊明検車支区にてEL120形を撮影(2024.05.01)
「催事」カテゴリの記事
- 青梅線開通130周年、青梅駅駅舎築100年(2024.11.28)
- 通勤電車シリーズ 205系 20 E231系500番台(ヤテ514~516)の山手線への投入による動き(2022.02.21)
- 秩父鉄道の駅 その5 ひろせ野鳥の森駅と広瀬川原駅(貨物駅)(2021.08.31)
- 2021年春、外房線~内房線を巡る旅 その6 蘇我駅で撮影した蒸気機関車牽引列車(2021.06.21)
- 2018年晩夏 長野県内の保存蒸機を見て歩く旅 4 諏訪市湖畔公園に保存されているD51 824号機(2020.09.18)
「民鉄:東武鉄道」カテゴリの記事
- 東武20000系の4連化、20400系へ 東武日光線南栗橋以北、宇都宮線のローカル電車は20400系に(2022.05.05)
- 東武鉄道 350系の引退(2022.05.03)
- 通勤電車シリーズ 205系 9 山手線に6扉車 サハ204の投入(2022.02.03)
- 意外と奥が深い東武 50000系一族 その10 50000型5編成、50070型2編成、50090型2編成の増備(2021.12.24)
- 意外と奥が深い東武 50000系一族 その9 50000型2編成、50050型3編成の増備(2021.12.23)
コメント
« San Diego Lindbergh空港でのSpotting 16 Northwest A320 | トップページ | 京急ファミリー鉄道フェスタ2015 part10 都営地下鉄5300系 »
おはようございます。
東武9000系が 東上線に登場した頃、
西武鉄道では 未だに有楽町線乗り入れ車両は登場しておらず、
N101系、3000系を増備していた西武鉄道に 当時も疑問を持っていました…。
しかし、東急東横線や東武伊勢崎線でも 日比谷線乗り入れ車両とのドアの数、車長の違いがあったのですから
当時は、そういった事が重視されなかったのかもしれませんね。
東武10000系も先代8000系同様に編成が4種類あり、
2両編成×3の浅草行きは、面白いです。
館林と久喜を走る6両編成には30000系と10000系を連結したものもあって、面白さも倍増します。
越生線がワンマン化される以前に 10000系も走っていたのが懐かしいです。
投稿: 準急豊島園 | 2016年2月27日 (土) 08時12分
B767さん、おはようございます(^^)10000系の2連って……一時期東上線配置で、10000系の8連と併結して、10連運用をしていた覚えが。9000系の一編成、現在は東上線の地上運用オンリーなんすね。
投稿: マスダっち1971 | 2016年2月27日 (土) 11時09分
準急豊島園さま、おはようございます。
わたしも東武9000系については最近、知ったのですが有楽町線乗り入れ開始の6年前に試作車は落成してるのですね。ある意味、東上線からの乗り入れは初めてでしたが、東武としては本線の方では長いこと日比谷線乗り入れが行われているにしてはずいぶん早くから車輌を準備したものだと感じます。
一方で西武は6000系で対応しましたが、試作的要素の強い第1第2編成は乗り入れ準備が未だに為されていない車輌となっていますね。
東武の車輌、10000系の2R車が8000系の2R同様に支線に投入されていたというのも面白いですし、10000系と30000系、30000系は最近本線ではあまり見なくなりましたが、の併結も興味深い話題ですね。
これまであまり東武の車輌は撮ってきませんでしたが、こうやって知ってゆくとその会社ならではの面白みが分かってきたように感じます。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2016年2月27日 (土) 11時33分
マスダっち1971さま、おはようございます。
8000系でもありましたが、10000系でも同じスタイルの編成があったのですね。
9000系、第一編成有楽町線には対応していますが、副都心線には対応していないため、運用的には地上線専用という位置づけになっているようですね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2016年2月27日 (土) 11時37分