San Diego Lindbergh空港でのSpotting 16 Northwest A320
このシリーズ、前回、前々回の記事ではデルタ航空のBoeing 767/757について触れました。
今回は2010年1月31日にデルタ航空と経営統合し、その名前が消えてしまったNorthwest航空のA320について触れてみようと思います。
Northwest航空の社名は創業時に初めて定期便を飛ばした路線がシカゴと本拠地ミネアポリスの旧北西部領土(Northwest Territory)を飛んでいたことから同社の社名に選ばれたそうです。また日本との関わり合いも長く1947年から就航しており,東京のみならず,名古屋、大阪にも路線を持っており、さらにインカンバンド・キャリアとしてアメリカ本土~成田~アジア各地の路線、すなわち以遠権も無制限に与えられていました。
N340NW Airbus A320-212 cn 373 2002/1/17 SAN
日本支社はアメリカ国外の支社として充実した体制を有しており、客室乗務員基地や整備部門、機内食部門だけではなく運航管理部門までも設置され、アジア太平洋地区におけるあらゆる業務を行うことから「第2の拠点」とさえ言われていました。
整備部門では200名近い要員を配置し、修理やエンジン交換も日本で行うことが多く、特に747用のエンジンは常時4基の予備エンジンを確保し、アメリカ本国から747の修理のために日本へフェリーフライトさせたり、日本支社の整備担当者がアジア地区の就航地へ出張することも多くあったそうです。
N352NW Airbus A320-212 cn 778 2008/1/18 SAN
設立は1926年9月1日でノースウエスト・エアウェイズ (Northwest Airways) として創立し、3座席の複葉機 Curtiss Oriole やWaco JYM を使用した航空郵便事業からスタートし、旅客輸送は1927年から開始されました。1934年に、Northwest Airlines, Incとして改組しました。株式上場は1941年2月14日でした。
特徴的だった赤い尾翼は、拠点のミネアポリスの冬の豪雪での視認性を良くするためのもので、1948年から保有機全ての尾翼が赤く塗られました。私もミネアポリス・セントポール空港で写真を撮影しましたが、ノースウエストのターミナルはまさに赤一色の世界でした。
N372NW Airbus A320-212 cn 1633 2003/1/14 SAN
この頃、アジア方面に積極的に路線を展開し、日本、台湾、韓国などへの運航を開始しました。1950年代になるとそれまでのBoeing 377 Stratocriser, Douglas DC-6B, Lockeed L188 (エレクトラ)などのレシプロもしくはターボプロップ機から、ジェット旅客機への機種変更がなされ、Douglas DC-8, Boeing 720, Boeing 707-320などが長距離路線に投入されました。
1970年代にはいち早くBoeing 747を就航させ,太平洋路線に投入、1972年5月にはDC-10を導入、エンジンをP&WのJT-9D仕様にしたDC-10-40が導入されました。1979年、カーター政権のディレギュレーション(規制緩和)政策で多くの路線に参入し、1986年には中堅のリパブリック航空を買収し国内線を強化しました。
1980年代、Boeing747-400のキックオフカスタマーとなり、さらに757やAirbus A320も大量導入しました。1997年には最高益をあげますが、2001年の9.11テロ事件、2005年には原油価格の高騰などで9月14日、連邦倒産法第11章の適用をデルタ航空とともに申請、2007年5月31日、経営再建となりました。
2006年にはインディペンデンス航空の運航権の買収、子会社コンパス航空の設立、さらにオランダKLM航空とのウイングス・アライアンスという名の航空連合、コンチネンタル、アリタリアも加わる予定でしたが、スカイチームの結成で消滅しました。
2008年1月、デルタ航空との合併交渉が開始され、同年10月29日、司法省の認可で合併が決まりました。合併当時はアメリカ最大の航空会社の誕生と言われましたが、2013年12月9日、アメリカン航空がUS Airwaysと合併して1位の座を譲りました。
表1 Northwest Airlines A320 fleet list
表2 Northwest Airlines A320 fleet list つづき
Dataは Planespotter.net から
Airbus A320に関しては78機これまでに導入されており、初期の8機は既にリタイアしています。残りの70機のうち1機 cn 400 (ex N346NW) 以外は同じ登録記号のまま、デルタ航空に引き継がれ現役で活躍中です。
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コメント
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B767-281様今晩は。まさかが本当になってしまう時代ですね。747-400のローンチカスタマーがデルタに吸収されるとは!パンナムがユナイテッドと同じくらい驚きました。アメリカザリガニと揶揄しながらレジ集めをしていた頃が懐かしいです。いつもの一言ですが、鉄道も航空も多種多様なバリエーションが、あってこそ面白いのです。ネットでチェックするとエアバスは売れています。ボーイングの777X、大丈夫なのかな?アメリカの技術力の低下を感じます。日本もアメリカを追っているのか?
投稿: 細井忠邦 | 2016年2月26日 (金) 21時08分
細井忠邦さま、おはようございます。
NWといえば、PAと同様に老舗中の老舗、特に日本と縁が深い会社だけに、その合併、名前が消えることはショックでしたね。
Boeingも787のトラブル以来苦しんでいるのでしょうか。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2016年2月27日 (土) 07時05分
A320シリーズ、757が投入されるまでは、成田ベースでアジアやグアム、サイパン方面に飛んでいた機体もありましたね。
そのころはギリギリDC-10も残っていたんですよね。
JALも747全盛、あの頃に戻ってみたいです。
投稿: にゃんきち | 2018年10月17日 (水) 21時01分
にゃんきちさま、おはようございます。
飛行機の方もお詳しいですね。
そうですね。アメリカの航空会社が本土からの機体を日本において成田ベースでグアム、サイパンというのはノースウエスト、コンチネンタルなどでも見られましたね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2018年10月18日 (木) 06時05分