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2016年3月15日 (火)

西武3000系 新101系の車体と2000系のメカを受け継いだ通勤車 1

このシリーズ、前回までは既に老朽廃車の発生している、2000系オリジナル版について触れてきました。今回からは2000系に続いて、省エネ電車として池袋線用に投入され、既に全廃された3000系について触れようと思います。

3000_3001_120407 2012/4/7 ひばりヶ丘

1983年登場で、新宿線には2000系が投入され国鉄201系などの省エネ化の波が西武線にも及んでいました。しかし、池袋線の主力は101系、301系などの抑速発電制動方式の抵抗制御車でした。また3扉車が主流であり、2000系の4扉車は新宿線各駅停車にという限定的位置づけでした。そこで、池袋駅での整列乗車を乱すことなく、3扉方式の車体に2000系の制御方式を組み合わせた車両として3000系が設計・製造されました。

3000_3004_120428 2012/4/28 富士見台

1983年4月からは私も西武沿線住民から茨城県つくば市在住になっていましたので、この3000系は日常接する電車ではない存在の電車でした。ですから残念なことに登場時の窓周りベージュの帯が入った101系ゆずりのオリジナル塗装時代の写真はありません。

8両編成9本が4次に渡って製造されました。

1次車   3001 1983/11/10              東急車輌
      3003  1983/11/10              東急車輌
           3005  1983/11/16               東急車輌
2次車  3007  1984/7/23    3207x4 1984/10/8   西武所沢車両工場 
      3009 1984/12/26   3209x4  1985/3/29 西武所沢車両工場 
3次車   3011  1985/6/25    3211x4   1985/9/19 西武所沢車両工場    
      3013  1985/12/14   3213x4   1986/3/14  西武所沢車両工場 
4次車   3015  1986/6/12    3215x4   1986/9/2    西武所沢車両工場
            3017  1986/11/27   3217x4   1987/3/2    西武所沢車両工場

1次車3本は8連として東急車輛で一挙に製造、投入されましたが、2次車以降は製造が所沢工場となり、4連がまず登場し、追って3ヶ月後くらいに中間車4両が竣工し、8連化されるパターンでした。

当初は全編成、池袋線で活躍しましたが、後年、新宿線に転属する編成も現れ、2010年には3005F3007Fが中間車3200番台車を廃車にした6連となり、2013年には8両編成5本が廃車となり、2014年12月までに全車輌が廃車されました。

3000_3008_100102 2010/1/2 所沢
6連化される前、池袋線で最後の活躍中の写真です。

3000系の設計段階では当時増備中だった営団地下鉄有楽町線用7000系を範とした軽量アルミ合金車体、電機子チョッパ制御方式、ボルスタレス台車を履いた当時の西武鉄道では前例のない新機軸が盛り込まれた車両が検討されていたそうですが、実際に登場した車両は普通鋼製車体、台車は101系と同じペデスタル式空気ばね台車FS372A、FS072、主要機器は2000系と同じといったある意味保守的な車両となりました。

7000_7101_160211 2016/2/11 石神井公園
3000系の設計の際に範となった営団地下鉄7000系電車

車体

新101系、301系に似た全金属製構体、前面形状も似た形状となりました。たた、前面のセンターピラーが省略され、凹みが左右一体となり、前面左側窓下部に車番表記が追加されました。これは撮影する方には個体識別がし易くなる朗報でした。

台車中心間隔、ボギーセンター間隔は新101系、301系の13,600mmに対して2000系と同一の13,800mmとなりました。

側面形状も101系、301系では各側窓が独立していましたが、3000系では601系以来の側窓2枚を1枚としてユニット窓風にした見付となりました。戸袋窓の固定支持方式も従来のHゴム方式から金属枠固定支持方式となり、幕板部には初の採用となった側面行き先・種別表示器が設置されました。車体塗装は101系列の方式を踏襲し、イエロー地に側窓周りをベージュとした2色塗りが採用されました。

室内は冷房吹き出し口をスポット式からラインフロー式に変え、化粧板も101系よりも薄い色合いのものとし、明るいイメージとなりました。

3000_3009_140504 2014/5/4 東長崎

今回はいずれも池袋線で活躍する写真を集めてみました。

運転機器

マスコン、ブレーキハンドルは独立したツーハンドル仕様で回生制動が装備されているので電流計は0点を中央にしたゼロセンタータイプとなりました。空気制動は従来の電磁直通ブレーキから電気指令式ブレーキ(HRD-1)に変更されたため、圧力計は元空気ダメ官圧力、制動筒圧力を表示するメータひとつとなり、空いたスペースに故障表示灯がセットされました。

行先種別表示器は指令装置による電動式で、クハ3001形奇数車に装備された指令装置において2つのダイヤルでセットしました。前面表示は行先幕40コマ、側面表示は60コマ仕様でした。

主要機器

2000系との共通化を極力図っていますが、行き先表示機器と放送機器の仕様が異なるため両車の併結は不可能でした。また101系列との併結も性能特性、制動装置が異なるため不可能でした。
中間電動車は2両1ユニット方式で、モハ3101形奇数車に制御装置、抵抗器などの走行関連機器を、偶数車にMG/CPを搭載しました。モハ3200形偶数車は容量の関係からこれら補助機器の搭載がなく自重の40tに対して35tと軽くなりました。

制御装置

日立製作所製の電動カム軸式抵抗制御・直並列組合せ制御および界磁チョッパ制御装置MMC-HTR-20Eが採用され、中間電動車モハ3101形奇数車に搭載されました。電動車2両分・計8基の主電動機を、4基直列繋ぎの2群として直並列制御を行う1C8M制御仕様であり、制御段数は起動1段・直列13段・並列11段で、並列最終段において主電動機の全界磁定格速度に達した後、界磁チョッパ装置による他励界磁制御(弱め界磁制御)領域に移行します。

主電動機

界磁チョッパ制御による回生制動が実装されており、2000系と同様に1両あたり4基の電動機は複巻電動機でした。タイプは日立製作所HS-835-Frb・HS-835-Hrbもしくは東洋電機製造TDK-8030-A・TDK-8030-Bの4機種で定格出力130kW(端子電圧375V・電機子定格電流385A・他励界磁電流24A・定格回転数1,450rpm)の特性はいずれも同一でした。駆動方式は撓み板継ぎ手式中空軸平行カルダン、歯車比は5.31 (85:16)と2000系の仕様を踏襲しました。

Fs072_372 FS372/072台車 揺れ枕部分の欠き取りの大きさの違い

台車

住友金属工業製のペデスタル式台車FS372A(動力台車)・FS072(付随台車)を採用し、前者を中間電動車モハ3101形が、後者を制御車クハ3001形がそれぞれ装着しました。いずれも101系列の導入以来、西武における標準台車として数多くの導入実績を有するダイレクトマウント式空気ばね台車で、2000系が装着する台車と同一機種です。両台車とも固定軸間距離は2,200mm、軸受部の構造は密封型コロ軸受仕様です。また両台車とも製造時期によって揺れ枕部分の形状が異なり、側面から見て向かって左上の欠き取りが小さなものが1983年以前に製造された前期型、欠き取りが大きなものが1983年以降に製造された後期型です。

3001 - 3005編成は制御車であるクハ3001 - 3006を含めて全車ともFS372A(前期型)を装着して落成しましたが、クハ3001 - 3006については1985年にFS072(後期型)を新製し台車交換が実施されました。同6両より発生したFS372A(前期型)は2000系クハ2410・2412・2414・2416に転用されたほか、VVVFインバータ制御の実用試験車に改造された101系モハ145・146に装着されました。また3011編成は制御車2両が新製したFS072(後期型)を装着するのに対し、中間電動車6両は予備品であったFS372A(前期型)を装着しました。さらに前述2000系クハ2410が台車交換以前に装着したFS072(前期型)については、しばらく保管された後にクハ3017の新製に際して活用されたため、3017編成においては同車のみが前期型台車を装着しました。

制動装置

日本エヤーブレーキ製の応荷重装置付・回生制動併用電気指令式電磁直通ブレーキHRD-1Rを装備しました。

集電装置

工進精工所製の菱形パンタグラフKP-62Aを採用し、モハ3101形奇数車に1両当たり2基搭載しました。

補助機器類

電動発電機 (MG) は、電力入力側・出力側ともに従来の直流電動機に代わって三相同期電動機を用いて整流子を廃したブラシレスMGを採用しました。日立製作所HG-77445-01Rもしくは東洋電機製造TDK-3350-Aをモハ3101形偶数車のうちモハ3100番台・モハ3300番台に1基、1編成当たり2基搭載しました。定格出力はいずれも140kVAです。

電動空気圧縮機 (CP) は、日本エヤーブレーキ製のHB-2000CB(定格吐出量2,130L/min)を、MGと同様にモハ3101形偶数車のうちモハ3100番台・モハ3300番台に1基、1編成当たり2基搭載しました。

冷房装置は外装カバーをステンレス製とした三菱電機製の集中式CU-71Cを1両当たり1基、屋上に搭載しました。

連結器

先頭車の前頭部寄りのみ回り子式密着連結器を採用し、中間連結部分はボルト固定による半永久連結器が採用されました。電気連結器の装備は省略されました。連結器胴受部分については、検修時における着脱作業を簡易化する目的で、枕木方向(横手方向)に設置されるチャンネル材について従来の直線形状から山形(凸形)形状に改良しました。また後年、先頭車前面下部に排障器(スカート)が新設されました。

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民鉄:西武鉄道グループ」カテゴリの記事

コメント

B767-281様おはようございます。3000系登場時は701.801系も残っていたので、西武電車を説明するのはなかなか難しかったです。中でも3000は中途半端な車と感じました。晩年国分寺で見かけましたが、あっという間に引退しました。近江に行った車がどうなるか、気になっています。

細井忠邦さま、こんにちは。

わたしもスマホから長い文章を入力するのは苦手ですが、途中で飛んでしまうのはホント大変ですね。

さて、西武3000系、わたしも登場時はなんで系列名が101から301、さらに3000になるのか分からず、しばらくして2000系の省エネ方式を導入した車両と知りました。

8連固定で、しかも他系列、特に2連との併結が不可能で、10連に出来ない点は3000系にとって致命的だったのではと思います。その時の経験から30000系には2連バージョンがあるのでしょうか。

いずれ池袋線が4扉方式になるのであれば、3000系は作らずに最初から2000系を増備しておけば良かったのにと感じることもあります。

こんばんは。
今日の高崎線籠原駅構内での送電事故、復旧は木曜日の始発予定!

明日は高崎へ出勤なので オートバイで出勤します。

西武3000系は、悲運の系列だったですね。


途中で301系も増備されました。


増結もできないために 運用にも限られたり。


3005F 3007Fが6両編成にされ、国分寺線のみに 運用されたのは残念でなりませんでした。


近江に譲渡された2編成、先に譲渡された301系が まだ改造されていないので まだ先になるのでしょう。

こんばんは。

3000系は3扉という中途半端な仕様だったので、2000系よりも早く引退を余儀なくされました。当時はまだ3扉で行ける、という判断があったということなのでしょうね。でも地下直通構想は有ったわけですから、いずれ池袋線にも4扉車が来ることは分かっていたでしょうにね。

準急豊島園さま、おはようございます。

幹線の高崎線が2日間も運休となるとはといった感じですね。どうかお気をつけて。
3000系が6連化された際は一体なぜと感じました。
8連限定、併結不能という制限付きがこういう事態になったのですね。

MiOさま、おはようございます。

電車を開発・増備してゆく段階で、将来見通しでこういった形列が出来てしまうのかなと私も感じました。確かに難しい判断ですね。

B767さん、おはようございます(^^)3000系、新宿線でも運用されていましたね。8連がいつの間にか新宿線から姿を消しましたし。6連は国分寺線運用に就いていたんすね。ツートンカラー塗装時代が懐かしいですわ。

マスダっち1971さま、おはようございます。

3000系の一部が8連から6連になったとき、ああこれからはこういう使われ方をしてゆくのかと思いましたが、その時代もあっという間に終わってしまった感じですね。

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