パリの6つのターミナル駅巡り モンパルナス駅 2 TGV Atlantique
2009年3月のパリ6つのターミナル駅巡り、前回の記事からモンパルナス駅に移っています。今回は同駅を発着するLGV大西洋線の車両 TGV Atlantique です。
このシリーズ最初のパリ・リヨン駅で見たTGVはSud-Estと呼ばれるタイプでした。Atlantiqueと呼ばれるタイプは第1世代のSud-Estに対して第2世代と呼ばれるタイプで1988年から1992年にかけてアルストムで製造されました。
サイズ、パワーを比較してもAtlantiqueが大きく、強くなっていることが分かります。
外観をみても前頭部キャノピーの上の屋根部分が段差なく滑らかになっており、空気抵抗を減らす工夫が為されたことが分かります。
編成は両端動力車+中間車10両でSud-Est編成よりも2両、中間車が増えています。動力車のモータも直流から交流同期電動機に代わり、定格出力は537.5kW (Sud-Est) から1100kWに増加しています。制御方式はGTOサイリスタ素子によるVVVFインバータ制御となりました。Sud-Estでは動力車に連結された中間車もモータを搭載していましたが、Atlantique編成では動力車のみのモータ搭載となりました。
中間の客車の台車は軸箱支持機構がSud-Est編成の筒型ゴム式からコイルバネを使用した軸梁式に変更され、枕ばねもコイルバネから空気バネに変更されました。
ブレーキシステムはSud-Est編成と同一の発電ブレーキ併用電磁自動空気ブレーキであり、台車には踏面ブレーキ・ディスクブレーキが装備されています。
編成はBarのある二等合造車を挟んで一方が3両の一等車、他方が6両の二等車となっており、定員もSud-Est編成の368名から485名に増えています。
現在ではTGVと言えばこの塗色ですが、Sud-Est編成デビューの頃はオレンジが地色で、Atlantique編成が登場した際に初めて採用されたのがこの塗色で、Sud-Est編成も更新の際にこの塗色となり、以後の標準色となりました。
2009年5月時点で、301-405の105本がアトランティック車両基地 (Technicentre Atlantique) に配置されており、LGV大西洋線系統の列車のほか、LGV大西洋線からLGV南東線・LGV東連絡線方面へ直通する列車にも運用されています。
2編成併結、動力車を含めて24両の長大編成での運用もあります。
第325編成は、1990年5月18日に開業前のLGV大西洋線クールタラン分岐点 - トゥール間支線において当時の鉄輪式における世界最高速度515.3km/hをヴァンドーム付近の下り勾配で記録しています。この試験走行に際し動力車は車輪径が一回り大きいものに交換され、パンタグラフはカバーで覆い、中間客車は3両に減車され、編成重量も250tまで減らした上で空気抵抗やブレーキなどさまざまな改良が施され、500km/hの速度域に対応した特別編成とされました。
あくまで個人的印象ですが、日本の新幹線に較べると無骨感は否めないように感じております(笑)。
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コメント
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B767−281様 おはようございます。TGVのお写真を拝見して、何か?と思っていましたら、そうそう登場時はオレンジベースの塗装でしたね。形態は言うまでもなく、某真っ赤がお好きな南西の方の鉄道会社のようにボンネット形まで真っ赤に塗ってしまった例もありますが、フランスでは、レトロ塗装なんて出ないのでしょうか?失礼いたしました。
投稿: 細井忠邦 | 2016年3月21日 (月) 06時27分
細井忠邦さま、おはようございます。
わたしも最近はヨーロッパにご無沙汰なのでTGVの情報は疎いのですが、まだレトロ塗色は出ていないようですね。
最近はタリスなどでも低価格列車が登場しているのは日本でも報道されましたね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2016年3月22日 (火) 06時51分