東武ファンフェスタ 2015 4 工場内見学 主電動機
2015年12月6日に東武鉄道南栗橋車両管区で開催された「東武ファンフェスタ 2015」、工場内の様子、今回は東武の電車に搭載されている各種主電動機の展示の様子です。この機会に、東武鉄道における主電動機の歴史を振り返ってみようと思います。
2015/12/6 南栗橋車両管区
TDK-544
最初にご紹介するのは直流直巻、吊り掛け式モータのTDK-544です。
東洋電気製、出力142kWです。日立製HS-269とともに7800系、その車体更新車5000系、5050系、5070系などに搭載されました。国鉄63系を払い下げ導入した7300系に搭載されていた国鉄制式MT40形モータ(端子電圧750V、142kW)と性能を極力合わせたモータとのことです。
前回の記事でも載せたTM-63です。
端子電圧375V、出力130kW直流直巻補極補償巻線付電動機で、国鉄風に言えば新性能電車カルダン式、抵抗制御時代の標準モータです。
急行形1800系 (300系、350系)、6050系、通勤形8000系のユニット車(8200、8300)に、<1M車 (8500、8800)は端子電圧750VのTM-64>に搭載されています。
東洋電気製造独自のAFE(自動界磁励磁)式主回路チョッパ制御、回生ブレーキ付きシステムを構成する直流複巻補極補償巻線付電動機で、1981年11月に竣工した9000系試作車から搭載されました。
出力は150kWです。その後、1983年12月から登場した10000系、10030系や1988年登場の20000系でも搭載され、こちらは出力140kWでした。10000系の1M車は8000系同様、端子電圧の関係でモータ形式もTM-84となっています。
ちなみに東武鉄道唯一の界磁添加励磁制御方式の200系特急形車両にはTDK-824A、直流直巻電動機(一時間定格出力75kW)が搭載されています。
東武で最初にGTOサイリスタ素子によるVVVFインバータ制御(日立製作所製)を採用した車両は1編成のみ試作された10080系でした。現在も4両編成1編成(11480F)が活躍中で、登場時に搭載されていたモータはTM-88、170kWでした。2007年9月12日に更新された際には50000系と同じ制御システムとなりました。10080系で試験されたVVVFシステムが100系スペーシアの登場に繋がりました。
また100系スペーシアでは定格出力150kW、定格回転数3,330rpmのかご形三相誘導電動機TM-90が搭載されています。
三相交流誘導電動機、出力150kWで、GTOサイリスタ素子によるVVVFインバータ制御方式の主電動機であり、20050系や9000系のマイナーチェンジ車9050系に搭載されました。
展示はありませんでしたが、
TM-95 かご形三相誘導電動機、定格出力190kWの東武電車最強のモータもあり、30000系や250系に搭載されています。IGBT素子による3レベルVVVFインバータ1C4M制御方式のシステムの一員となっています。
かご形三相誘導電動機、定格出力165kWで日立製2レベルIGBT素子使用VVVFインバータ制御で、ベクトル制御による全電気ブレーキ方式を採用したシステムの構成用員となっています。50000系、50050系、50070系、50090系に搭載されています。
東武野田線(アーバンパークライン)に投入されている60000系にはTM-12、三相かご型誘導電動機(密閉型) 出力165kWが搭載されています。
ちなみに2017年春、登場予定の新型特急車両「500系」や地下鉄日比谷線乗り入れ用「70000系」では永久磁石同期電動機(PMSM)が搭載されるそうです(2015/4/22 東武ニュースリリース)。
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コメント
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B767-281様今晩は。主電動機は電車を語るとき基本だと思います。さすがに私鉄の中の国鉄、東武。見事に似通った進化を見せているのが興味深いです。閑話休題、私鉄を眺めてらみても、MT55はつくづく特殊な主電動機だと言うことがわかります。ひたすら増えたのは時代なのですかね?
投稿: 細井忠邦 | 2016年4月 4日 (月) 20時11分
細井忠邦さま、おはようございます。
仰る通りで、まさに主電動機と制御器の歴史は電車の技術的発展の歴史ですね。
東武のように規模のおおきな私鉄の場合は業界で及ぼす効果も大きいですね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2016年4月 5日 (火) 05時11分