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2016年4月10日 (日)

朝日新聞社刊 年鑑 世界の鉄道 ’69

新年度になり、引き続き同じ職場に勤めてはいますが、現役ではなく再雇用として、週3日勤務の生活が始まりました。

金土日月は休みで、金曜日と月曜日はつくば~東京(小平)~つくばの移動日というパターンになりました。この機会につくばの家の本棚に眠っていた鉄道雑誌、書籍類を小平の家に移動し、現役中は忙しさにかまけて読まないでいた雑誌類に目を通すようにしています。

そんな中で自分の鉄道趣味に原点となったのが今回、ご紹介する朝日新聞社編の年鑑「世界の鉄道」シリーズです。1981年版が創刊20周年版となっているので、おそらく創刊は1961年版かと思いますが、私は1969年版から購入を始めました。正確に言うと、1969年版は書店で新刊を購入したのではなく、中学校の同じクラスの鉄道好きの友人から購入したものでした。

1969 年鑑「世界の鉄道 '69」の表紙 米沢駅構内

1969年号といっても発行日は1968年10月14日(鉄道の日)でした。この号の特集は「蒸気機関車9600」と「電気機関車」です。定価は680円でした。

9600形蒸機は国鉄蒸気の中で最後まで現役で活躍した形式で、1967年時点で770両新製されたうちの358両の半数強が現役でした。

カラーグラビアでは米坂線、石北本線で活躍する姿が紹介されており、白黒ページでは試作1号機9600の写真や南美唄線での脱線事故復旧の様子、浅川駅(現高尾駅)を行く大正11年の旅客列車の写真、59669、49613号機の各部、ディテール写真、輿浜北線を行く姿、九州の産炭地、筑豊本線、田川線の石炭列車の写真、函館本線、宮津線、川越線、留萌本線、磐越東線、米坂線などで単機貨物を牽引する姿、さらに唐津線、石北本線、八高線などで重連で活躍する姿が掲載されています。

当時9600の補機・重連仕業のあった区間は
宗谷本線 音威子府~咲来
名寄本線 名寄~輿部
石北本線 生田原~留辺蘂
夕張線 追分~夕張
富良野線 旭川~富良野
室蘭本線 苫小牧~苫小牧操車場
磐越東線 平~小野新町
八高線 拝島~寄居 拝島~高麗川
日田彦山線 伊田~後藤寺
田川線 油須原~伊田
後藤寺線 船尾~後藤寺
筑豊本線 若松~折尾 折尾~東折尾
伊田線 直方~伊田
唐津線 西唐津~東多久 西唐津~久保田 などであったことも記載されています。

海外の9600としては台湾で活躍中のDT560、DT580の写真が紹介されており、DT560はアメリカ製の9600仕様のSL, DT580は川崎造船、汽車製造、日立、日車製とのことです。

国内の私鉄・専用線で活躍する9600として、美唄鉄道、大夕張鉄道、夕張鉄道、日曹炭鉱天塩礦業所で働く9600の姿が紹介されています。

電気機関車の特集は国鉄・私鉄の電機世界の電機に大きく分かれ、

国鉄タイプは

EB10
ED11、ED17、ED18、ED19、ED21、ED26、ED27、ED16
EF10、EF12、EF13、EF15、EF16、EF18
EF52、EF53、EF59、EF56、EF57、EF58
EH10
ED60、ED61
EF60、EF61、EF62、EF63、EF64、EF65、EF66
ED91、ED70、ED71、ED72、ED73、ED74、ED75、ED76、ED77、ED78
EF70、EF71
ED30、EF30、EF80、ED92

がそれぞれの形式について写真付きできちんと説明されており、中学生だった私はこの年鑑を見ながら、国鉄電機の形式、用途などをシステム的に理解できました。

私鉄や会社専用鉄道では

定山渓鉄道 ED50
十和田観光電鉄 ED300 ED400
弘南鉄道 ED30 ED333
松尾鉱山鉄道 ED25 ED50
秋田中央交通 EB111
宮城中央交通 ED20 ED351
山形交通 デキ1 ED2
蒲原鉄道 ED1
花巻電鉄 EB61 ED261
越後交通 栃尾線 ED51 長岡線 ED211 ED401 ED311
長野電鉄 ED5000
松本電気鉄道 ED30 ED40
上田丸子電鉄 EB4111 ED2211 ED25
秩父鉄道 デキ1 デキ6 デキ100 デキ200 デキ300 ED38
上信電気鉄道 デキ1 ED316
東武鉄道 ED3000 ED4010 ED5050 ED5060 ED5010 ED5000
東京急行電鉄 デキ3021
銚子電気鉄道 デキ3
小田急電鉄 ED1010 ED1020 ED1030 ED1040 EB1051
西武鉄道 E11 E21 E41 E51 E61 E71
相模鉄道 ED10
京成電鉄 デキ1
伊豆箱根鉄道 ED30
大井川鉄道 E10 
伊豆急行 ED2511
岳南鉄道 デキ1 ED291 ED30 ED31 ED32
東濃鉄道駄知線 D1001
北恵那鉄道 デキ501 デキ151
豊橋鉄道 デキ1001 ED401 デキ53 デキ362 デキ370 
名古屋鉄道 デキ100 デキ110 デキ200 デキ250 デキ300 デキ400 デキ500 デキ600 
遠州鉄道 ED21 
三岐鉄道 ED22 ED45
関西電力黒部鉄道 ED18 5 8 13 15
富山地方鉄道 デキ8103 デキ12020 デキ14731
北陸鉄道 EB12 ED20 ED21 EB22 ED23 EB30 ED30 ED31 
京福電気鉄道福井支社 テキ20 テキ531 テキ9 テキ501 テキ511 テキ7 テキ521
福井鉄道 デキ1 デキ2
近畿日本鉄道 デ1 デ11 デ21 デ25 デ31 デ45 デ51 デ61 デ71 デ81 
京阪神急行電鉄 4300 
神戸電鉄 ED2000
近江鉄道 ED14 ロコ1100 ED31
南海電気鉄道 ED5101 ED5121 ED5151 ED5201 
一畑電気鉄道 ED22
北九州市営軌道線 101 201 3
西日本鉄道宮地嶽線 200
土佐電気鉄道 ED1000 ED2000
日本セメント上磯工場 1 6 7 8 10
日産化学 王子工場 NO1
日立製作所 NO15
日本油脂 武豊工場 2
大阪セメント伊吹工場 いぶき501
大阪セメント三重鉱業所 EF1
住友金属鉱山別子鉱業所 ED101
八幡製鉄所 E601 E602 E603 E604 E605
三井三池鉄道 2 4 12 17 22 32 

が白黒写真で紹介されています。

この頃は、こういった私鉄の電機や工場内専用線の電機には全く興味がなく、もっぱら国鉄型しか興味がありませんでした。後から鉄道イベントなどで見て興味を持った電機も多くあり、あの頃もう少し良く勉強しておくべきだったと後悔しております。

そして「外国の電機」では

西ドイツ DB 103 110 112 118 140 141 144 150 182 184 194
オーストリア OBB 1010 1020 1042 1050 1110 1141 
ベルギー SNCB 101 126 140 150 160
スペイン RENFE 7500 7600 7900
フランス SNCF 2D2-9100 BB-9200 CC-7100 BB-12000 BB-13000 CC-14100 BB-9400 BB-16000 BB-25100 CC-10002 BB-16500 BB-8500 BB-25500 BB-17000 CC-40100 BB-30000
イギリス BR E3100 E3000 E6000 
ギリシャ ギリシャ鉄道 貨物用B-B
イタリア E646 E444 E428 E554
モロッコ E600 E700
ノルウェー NB 11 14 
オランダ NS 1100 1200 1300
ポルトガル CP 2501 2551
スウェーデン SJ Da Dm Dm3 Ma Ra Rc 
スイス Be 4/6 12300 Ae 8/14 11801 Ae 8/14 11851 Ae 8/14 11852 Ae 6/6 11400 Re 4/4 10000 Re 4/4II 11100 Ee 3/3II 16500 Ee 6/8 16800 Ee 3/3IV 16550 Ae 6/8 200 Ae 4/4 250 Ae 4/4 260 Ae 8/8 270
アメリカ ペンシルバニア鉄道 ニューヘブン鉄道 ミルウオーキー鉄道 E28 E71
ブラジル レデ・ミニエラ鉄道 900
オーストラリア ニューサウスウエールズ鉄道 46
ハンガリー V55 V42 V43
ソ連 VL23 yC2 VL20 VL60
インド WCM4 WAG2

など各国の主力電機が紹介されています。
これらのデータも後に海外出張などで実物を見る機会に参考になりました。

そして特集の後のコーナーはその1967年度に登場した新車紹介のコーナーで

国鉄

583系
クモユ141
キハ181系
DE15

私鉄

京王帝都電鉄 5000系 5100系 冷房車
京成電鉄 3200形 90番台 新1600形
西武鉄道 801系
東京急行電鉄 7200系 アルミ車
名古屋鉄道 7650形
帝都高速度交通営団 1500形
阪神電気鉄道 5261形
近畿日本鉄道 12000系
京阪神急行電鉄 3300系
大阪地下鉄 3000系
岩手開発鉄道 キハ202

新線開通のコーナーでは

国鉄篠栗線
西武拝島線
都営1号線大門~泉岳寺
東急田園都市線 長津田~つくし野間

廃線のコーナーでは

東京都交通局 都電 1,2,3,4,5,8系統
東武鉄道日光軌道線
名古屋市電
宮城バス 登米線
茨城交通茨城線
呉市電

最後に
「最初の国産標準蒸機 9600」 久保田博氏
「最近の電気機関車」 猪野 淳之助氏
「国鉄未来図」 20年後のビジョン 奥 猛氏 の解説記事があります。

資料として

国鉄電気機関車 諸元表 電気部品
形式別配置両数一覧表

私鉄及び専用線電気機関車諸元表 使用路線一覧

世界各国の代表電気機関車主要諸元表、両数表

TEE列車一覧表

年誌・世界の鉄道 1967年8月から1968年8月までの世界の鉄道関連出来事

とさすが年鑑だけあって、非常に資料価値の高いデータが添えられていました。

因みに当時、鉄道以外にも「世界の翼」「世界の船」「世界の自動車」も発刊されていました。

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コメント

おはようございます。


記載されていた車両には、今も現役で走っている車両もありますね。


京王5000系、西武801系は、他社に譲渡されましたが、今も現役。


電気機関車では、秩父鉄道の機関車も現役。


1969年、私は小学6年でした。

井荻在住だった友だちと森山加代子さんの 蝶に抱かれるサンバを歌い、担任に叱られました!(笑)


私の書棚にも1969年の鉄道ピクトリアルの近鉄特集があります。

各地の話題に 入間市に入線する701系。

桜台の桜地堂書店で父が購入しました。

お客さんに石ノ森章太郎さんが いらしたのを よーく覚えています。

うぐいす色のメルセデスベンツに乗ってきていました!

準急豊島園さま、こんばんは。

今とあの頃では、鉄道に関する情報の速さも、量も違い、あの頃は書籍で知った情報が今はネットで知ることが出来、また出版社でなく一般のファンからの情報が拡散する時代で、さぞかしこういった世界で生き残って行くのは大変だと感じるようになりました。

逆にネットなどの情報は一過性で、Wikipediaなどできちんと残しておかないと数年後にどうなるかという危険性も感じられますね。

石ノ森章太郎さんがウグイス色のベンツで書籍を買いに来られたというシーンも面白いですね。

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