公園保存蒸機 コッペル製宇和島鉄道1号機 ケ220 宇和島駅前
このシリーズでは日本の各地の公園等に保存されている車両を見て回っていますが、今回は2014年12月の広島・四国西南部旅行で訪問した宇和島駅前に保存してある宇和島鉄道のコッペル1号機です。但し、レプリカだそうですが。
宇和島鉄道は現在の予土線の前身となった軌間762㎜の軽便鉄道です。
1897年4月に宇和島鉄道株式会社が設立され、1911年に路線免許を取得、1914年に宇和島~近永までが開通し、1923年に吉野生まで延伸しました。当初は蒸気動力でしたが、1931年、ガソリン動力併用認可を受け、ガソリンカーが1両導入されました。1933年8月1日、国有化され宇和島線となり、1941年には全線を1067㎜に改軌、宇和島~高串間の旧線を廃止し、北宇和島~務田間の新線が開業し、北宇和島が起点となりました。1953年、吉野生~江川崎間が開業、昨日の世界の鉄道’75の記事にもありますように、1974年3月1日江川崎~若井間が開業し、全線開業となり、予土線と改称されました。
私も2014年12月の旅行で全線乗車しましたが、初期に開業した区間は軽便鉄道の面影を留めているのに対して、1974年に開業した区間はまさに近代的路線で両者の大きな違いが面白かったです。
コッペルは正式名称をオーレンシュタイン・ウント・コッペル (Orenstein & Koppel OHG) と言い、1876年4月1日、ベルリンにてベンノ・オーレンシュタインとアルトール・コッペルにより設立された鉄道、エスカレーター、重機等の製造会社(O&K)でした。
創業当初は蒸気機関車をさかんに製造したため、折しも日本では1910年代に軽便鉄道開業ブームがおこり、同社製の蒸気機関車が大量に輸入されました(参照 コッペル製の蒸気機関車)。
宇和島鉄道では1913年に3両(宇和島鉄道1~3号機、1922年に1両(5号機)、1924年に1両(6号機)の5両が導入され、1933年の国有化で鉄道省籍のケ220形(ケ220~224)が与えられました。
形態は車軸配置0-6-0型9.6トン級ウェルタンク機関車で固定軸距は1400mmです。炭庫はオリジナルでは運転台前方にありましたが、後に改造され運転台後方に移設されました。宇和島線の改軌後は佐世保鉄道を買収した松浦線に転属となり、世知原支区に配属となり、同線の改軌が完成する1944年6月まで働きました。その後、ケ224号機のみが廃車を免れ、1948年3月からは遠州鉄道を第三の職場として、1956年まで働きました。
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