京成電鉄の車両たち 3 3600形
京成電鉄で現在活躍中の車両を見て行くシリーズ、今回は3600形です。
2015/10/31 公津の杜
成田特急で活躍する8連化後の3638編成
輸送力増強と在来形式の210形、700形の置き換えを目的に1982年6月から1989年7月にかけて6両編成9本の54両が製造されました。外観は3500形に準じたスタイルとなりました。
3500形との細かな相違点は
・前面が切妻から3面折妻に
・前照灯と尾灯が横並びになり、急行灯を左右上部に配置
・前面貫通扉部分に種別表示器を設置
・客室側窓は1枚下降式に、ドア間、車端部2枚に
京成電鉄の車両としては初の界磁チョッパ制御方式やワンハンドル式マスコン、MGに代わるSIV式補助電源装置、軽量ステンレス構造の車体が導入されたことが特徴でした。
←成田空港 上野・押上・西馬込→
クハ モハ モハ モハ モハ クハ
3601 3602 3603 3606 3607 3608
PT SIV/CP PT SIV/CP
6連の構成は4M2Tで両端が制御車、中間電動車4両でした。登場時の車両番号は上記の様に符番され、将来の8連化を考慮して、末尾4と5は飛ばされ、編成番号の末尾を揃えるため、9と0を欠番にして、第二編成は11から18までふられました。編成番号は第一編成の場合、3608編成と呼ばれます。
メーカは3618、3638、3648、3688編成が日本車輌製造、それ以外は東急車輌製造でした。
主制御器は東洋電機製造製界磁チョッパ、ACRF-H8140-783Aで直列15段、並列8段、弱め界磁無段階、
主電動機は140kWと出力の高い補償巻線付複巻電動機、KMM8500
各編成のモハ末尾02と03は東洋製TDK-8500B、06と07は三菱電機製MB-3276-AC
端子電圧375V、定格電流415A、分巻界磁電流23A、最弱め界磁率15%、定格回転数1,450rpm
駆動装置はWNカルダン
SIVとCPは末尾03と07のモハに搭載、パンタグラフは下枠交差式で末尾02と06のモハに搭載
冷房装置は分散式でパンタ搭載の車両にCU-15C(10500kcal/h・12.2kW)を3台、それ以外の車両にCU-15B(8500kcal/h・9.88kW)を4台搭載しました。
台車はモハがFS-513、クハがFS-013
京成電鉄では優等列車の8両編成化が進められ、1997年から3600形においても8両編成化が行われました。
西武の2000系のオリジナルタイプの8連化と同じように6両編成の中間電動車4両を2両ずつ、別の編成に組み込む方式で8連化を進めました。
8連化は1997年6月、1998年12月、1999年9月の3回に分けて行われ、上記のように3628、3668、3608編成がバラされました。この時点、6本の界磁チョッパ制御方式の8両編成が誕生しました。なお、バラされた編成のパンタはいずれも組み込み先で成田側のパンタが撤去されました。
西武では2000系8連化の際に余剰となった先頭車はクモハを新製し、2連化されましたが、京成では
まず4両を電動車化し、さらに2両を中間付随車として組み込み6連を組成しました。
2015/10/31 京成高砂 余剰車の元クハ6両から組成されたVVVF6連 3668編成
東洋電機製造製GTO素子使用のVVVFインバータRG633-A-Mをモハ3628とモハ3668に搭載し、主電動機はTDK-6170-Aかご形三相誘導電動機(社内制式名称KMM6170,出力130kW)、を搭載しました。駆動装置はTDカルダン、台車はFS-562形とし、3700形と同じ電装となりました。
パンタグラフは8連化の際に撤去した余剰品を流用の上でモハ3628、モハ3668とサハ3608に搭載しましたが、設置スペースを捻出するために連結面側のクーラーを1台撤去し、残りの3台もCU-15BからCU-15Cに変更しました。
電動発電機と空気圧縮機は廃車になった3100形・3150形の流用品で、ともにモハ3621とモハ3661に搭載されました。電動発電機は容量75kVAタイプのCL-355-B1、空気圧縮機はAC-1000という組み合わせで、3200形・3300形と同じになりました。
サハ3601には3150形の廃車発生品のMGとCPが搭載されました。CPは在庫の関係上、直流電源のC-1000であったが、2000年6月に交流電源のAC-1000に交換された。台車は一部改造され、FS-013A形となりました。
8両編成は先頭車が制御車であることから都営浅草線押上 - 西馬込間は入線可能だが、京急線には入線できません。また、北総線や成田空港線(成田スカイアクセス)には対応しておらず、6両編成が最長である千葉線・千原線や、4両編成に限定される金町線にもそれぞれ入線できないなど、運用が限定されています。そのため、本線京成上野 - 成田空港間の快速特急・特急運用や西馬込 - 京成佐倉間の快速運用に充当されることが多いようです。
6両編成は新3000形とともに普通運用が主体ですが、先頭車が電動車であることから京急線乗り入れが可能で、運用は存在しないものの、西武の263Fのように東急車輛製造からの新車搬入の際には付随車を抜いた全電動車編成の牽引車としても使用され、金沢八景まで入線したことがあるそうです。
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