京成電鉄の車両たち 4 3700形
京成電鉄の車両シリーズ、今回は1991年3月19日のダイヤ改正で登場した3700形です。
このとき、京成は成田空港ターミナル直下への乗り入れ、北総開発鉄道2期線が開通しました。京成では新規製造車としては最初のVVVFインバータ制御通勤車両であり、都営地下鉄浅草線、京浜急行電鉄線、北総線への乗り入れに対応した車両となりました。
2002年3月までに8両固定編成、15本、6両固定編成2本の計132両が製造されました。設計のモットーは「メンテナンスの容易化」「省エネルギー化」「乗り心地の向上」「旅客サービスの向上」でした。
車体は18m3扉で、軽量ステンレス製、幕板腰板部はヘアライン仕上げ、吹き寄せ部はダルフィニッシュ仕上げとし、前頭部は普通鋼製、シルバーメタリック塗装となっています。
側窓は乗務員室次位を除き2連窓となっています。帯色はそれまでのファイアーオレンジからAE100形で採用されたヒューマンレッドとフューチャーブルーの2色となりました。
冷房装置は集約分散式18,000kcal/hで東芝製のRPU-6006形と三菱電機製CU-71形を各車に2機ずつ搭載する方式とし、600V直流電源で駆動されるインバータ方式となっています。
先頭車屋根上にはラジオ受信アンテナが搭載され、乗降促進用車外スピーカーも京成車として初めて装備されました。
車輌番号は3600形と同じ付番方式で、第一編成が3701~3708で末尾9と0は欠番とし、第二編成は3711~3718となり、浦賀より先頭車の番号を編成番号としました。8両編成は6M2T、6両編成(一位が4と5の車両が欠)は4M2T、先頭車は京急方式に合わせて制御電動車とし、一位が3と6の中間車が付随車となっています。
制御装置はAE100形に引き続き、東洋電機製造製のGTOサイリスタ素子によるVVVFインバータ制御で1台のVVVFで8台のモータを制御する1C8M方式です。
補助電源装置はGTO素子使用のDC-DCコンバータ、東芝製COVO19-CO形、容量150kWで、CPはレシプロ式交流電源駆動のC-2000LMを搭載しています。
パンタグラフは下枠交差式で一位2と7の車両に2台、5の車両に1台搭載しています。6次車からシングルアーム方式になっています。
駆動装置はTD継ぎ手式平行カルダン方式とWN平行カルダン方式の2種類があり、TDは東洋電機製造製の、WNは東芝製のモータを搭載しています。タイプは両者ともかご形三相誘導電動機で出力は130kW、京成内での制式呼称はKMM6170です。2次車までは編成内で半々になるように両方の駆動方式が搭載され、3次車以降は編成単位で駆動方式が統一されたそうです。
起動加速度 3.5km/h/s
減速度 常用 4.0km/h/s 非常用 4.5km/h/s
歯数比 85:14 (1:6.07)
限流値 73.3A
台車は電動台車が揺れ枕形ダイヤフラム空気バネ・SUミンデン式FS-547 付随台車がFS-047で基礎ブレーキは片押し式踏面ブレーキです。
編成形態・搭載機器
番号 3701 3702 3703 3704 3705 3706 3707 3708
M2c M1 T M2 M1' T M1 M2c
CP VVVF DDC CP VVVF DDC VVVF CP
1次車 3701-3708 日本車輛
3711-3718 〃
3721-3728 東急車輛 1991年3月から4月にかけて落成
2次車 3731-3738 東急車輛
3741-3748 日本車輛 1994年12月から1995年2月にかけて落成
一次車に対して正面へのスカートの設置、先頭車への車いすスペースの設置など変化があった。
3次車 3751-3758 東急車輛
3761-3768 日本車輛
3771-3778 東急車輛
3781-3788 日本車輛 1995年12月から1996年3月に落成
4次車 3791-3798 東急車輛
3801-3808 日本車輛 1997年5月と12月に落成
5次車 3811-3818 日本車輛 1998年11月
2016/4/30 京成高砂 3828編成 6連
前照灯の位置が変わっています。
番号 3821 3822 3823 3826 3827 3828
M2c M1 T T M1 M2c
CP VVVF SIV SIV VVVF CP
6次車 3821-3828 東急車輛
3831-3838 日本車輛 2000年1月から2月にかけて落成 6両固定編成
6連のため、千葉線や千原線への入線も可能になりました。
番号 3841 3842 3843 3844 3845 3846 3847 3848
M2c M1 T M2 M1' T M1 M2c
CP VVVF SIV CP VVVF SIV VVVF CP
7次車 3841-3848 東急車輛 2001年1月に落成
6次車以降の変化は電源がDDCからSIVに変わったこと、それに伴ってエアコンが三相交流440V電源による稼働率制御方式に変化したこと、CPも同様に変化しています。基礎ブレーキ方式もユニットブレーキとなり、付随車に滑走防止制御装置が新設されました。
8次車 3851-3858 日本車輛 2001年8月に落成
9次車 3861-3868 東急車輛 2002年3月落成
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