千里丘、岸辺界隈での列車撮影 その6 681系「サンダーバード」 量産車
1992年7月に製造された681系量産先行車の試用における問題点を解決しながら1995年から1997年にかけて、量産車はJR西日本発注の0番台、75両、北越急行の2000番台、18両が落成しました。
2005/8/22 山科
681系のクロ681の量産車の特徴は運転席側窓が三角形から四角形になったことでしょう。
681系使用の特急が「サンダーバード」と改称されたのは1997年3月22日のダイヤ改正からでした。「スーパー雷鳥」が廃止されたのは、2001年3月3日のダイヤ改正でした。
2010/12/10 島本 W12編成
681系683系に於いて編成番号が前面に表示されるようになったのはこの頃からで、それまではどの編成を撮影したのか殆ど分かりませんでした。
変更点:
1.量産先行車の改造でも触れましたが、大阪 - 富山間で運行される「スーパー雷鳥」のうち3往復を金沢で分割併合し、基本編成(6両編成)が七尾線に乗り入れすることとなったため、基本編成(6両編成)にグリーン車が連結されるよう、クロ681形の連結位置が富山寄りから大阪寄りに変更されました。
2.6両+3両への編成分割および併合時の通り抜けができるよう、貫通型運転台を備える車両が落成し、貫通型前頭部は美観確保の観点から幌を収納式とし、幌内側には化粧板を備えて防音性を確保しました。
3.量産車ではM-Tpの2両1ユニット+動力機器の搭載の無い、純然たる付随車という構成になりました。M車は直流車両と機器が共通化され、重量機器が集中配置されることで、粘着性の向上に貢献しました。Tp車には交直機器を配置し、保守上も特高圧機器と高低圧機器のの混在が解消され、トラブル防止に役立ちました。
主変圧器はサイリスタ位相制御コンバータ WRS103 が使用され、VVVFインバータはGTOサイリスタ素子を使用した PWM インバータ WPC6 となりました。インバータ1基で1台のかご形三相誘導電動機を制御する 1C1M 制御方式が採用され、同時期に落成した223系0番台などに倣って、保守点検の容易化および操作性向上の観点から1車分4群のインバータ装置を1箱に集約しました。
補助電源装置は、GTO二重チョッパ+IGBT3レベルインバータで構成された静止形インバータ WSC33(定格容量150kVA)が採用されました。低騒音化、メンテナンスフリー化を図るとともに、インバータ素子をパワートランジスタ(先行試作車)から変更することで定格容量は同じものの、制御応答性が向上しました。CPは、往復単動2段式水平対向4気筒のWMH3096-WTC1500 が搭載されました。
2008/9/5 金沢 クハ680-500
パンタがあるのにクハとは?というのが681・683系の特徴でしょうか
集電装置は、先行試作車と同じく下枠交差式パンタグラフ WPS27C が採用され、搭載位置はサハ680形・クハ680形前位寄りに変更されました。
主電動機は、高速領域での性能向上のために容量がアップされた1時間定格容量220kWのかご型三相誘導電動機 WMT103 が電動車両1両あたり4基搭載されました。
台車の基本的構造は先行試作車に準じていますが、牽引装置を一本リンク式に変更しました。また、付随台車(WTR300)の基礎ブレーキ装置を高速化対応の観点から1軸2枚のディスクブレーキ+踏面ブレーキとしました。
連結器は、中間連結部は半永久連結器を、先頭車両前頭部は密着連結器としました。非貫通型の場合は非常時のみ使用することから格納式とし、貫通型は増解結作業の容易化のために、電気連結器・自動解結装置付き密着連結器としました。
保安装置は、新製当初はATS-SWのみを搭載し、ATS-Pは車上装置など(ATS-P2)を搭載した準備工事状態でした。
空調機器は、集中式の WAU704 1基搭載を基本とし、ユニットを組まずに交流関係の機器を搭載しない車両(クロ681形・クハ681形・サハ681形)には圧縮機とエバポレーターを分離したセパレート方式の WAU303 が2基搭載されました。冷房能力は1両あたり36,000kcal/hと共通です。
ほくほく線運用される「はくたか」用装備
160km/h走行に対応した編成を識別するため、「はくたか」用編成にはトランスポンダを搭載し、高速信号現示(GG信号)ができるようにしました。
単線のトンネルを高速で通過する際に発生するいわゆる「耳ツン」状態を防止するために気密性を高くする工事も施工されました。
編成の構成
←大阪 和倉温泉・富山→
1 2 3 4 5 6 7 8 9
Tsc Tp M T2 Tp Mc Tc M Tpc'
681-0 680-0 681-200 681-200 680-0 681-500 680-500 681-0 681-0
定員 36 64 68 46 64 64 56 72 56
主変圧器 VVVF 主変圧器 VVVF 主変圧器 VVVF
主整流器 SIV 主整流器 SIV 主整流器 SIV
パンタ CP パンタ CP パンタ CP
WC WC 多目的室 WC TEL
車椅子対応設備
プチカフェ TEL
WC TEL
2002年12月から2004年7月にかけて、金沢総合車輌所所属の「サンダーバード」用39両(T01 - T03・T06・T11 - T13・T15・T17編成)に対して、683系との車内設備統一化改造が実施され、
1) 3号車と8号車の位置を入れ替え、(座席モケットの色も変更) - 当初は3号車富山・和倉温泉側と4号車大阪側に乗降扉がなく、下車・乗車遅れが発生する恐れがありました。
2) 車掌室を撤去し自動販売機と座席を1列増設しました。
3) 4号車の売店(プチカフェテリア)を撤去し自動販売機・車内販売準備室を設置、車掌室を3号車から移動しました。
4) 9号車のバリアフリー対応化 - 客用ドアを広幅化、車椅子対応トイレを設置、座席を2席分撤去し車椅子対応化しました。
5) グリーン車の液晶テレビを撤去。
これらの改造により、新たに以下の番台区分の車両が発生しました。
モハ681形300番台 (M)
クハ680形もしくはサハ680形とペアを組んで使用されています。種車はモハ681形0・200番台で、0番台は後位出入口を撤去して自動販売機が設置されました。200番台は車掌室を撤去し、自動販売機と座席が1列増設されました。
モハ681-201 - 203・206・7 → モハ681-301 - 303・306・307
クハ681形200番台 (Tc)
種車はクハ681形0番台で、車椅子対応設備・車椅子対応トイレが設置されました。
クハ681-1 - 3・5・7 → クハ681-201 - 203・205・207
サハ681形300番台 (T)
種車はサハ681形200番台で、売店を撤去し、自動販売機・車内販売準備室・車掌室が設置されました。
サハ681-201 - 203・206 → サハ681-301 - 303・306
683系との統一化改造後の編成構成
編成の構成
←大阪 和倉温泉・富山→
1 2 3 4 5 6 7 8 9
Tsc Tp M T2 Tp Mc Tc M Tpc'
681-0 680-0 681-0 681-300 680-0 681-500 680-500 681-300 681-200
T06・T17編成は、後に「はくたか」に転用された際に再び3号車と8号車が入れ替わっており、同編成から転用された現W05・W15編成は他の「はくたか」用W編成と設備が一部異なっています。
2014年10月ごろから「はくたか」用編成についても3号車と8号車の入替が始まっています。
681系の車両番号に枝番が多い分けが漸く、理解できた次第です。
2015年からのリニューアル工事
<車両外観に関して>
従来のホワイトボディとブルーのラインを基調に、大きな窓をさらに強調するような塗装に変更されます。車体側面にあるサンダーバードのシンボルマークは、北陸新幹線にも使用されている銅色をデザインし、長く親しまれている「サンダーバード」らしさと新しさを表現したデザインに変更されます。
<車内設備に関して>
グリーン車の座り心地が改善され、客室内を落ち着きと趣きのあるデザインに変更されます。普通車の座席はブルーを基調とした最新のデザインに統一されます。モバイルコンセントがすべての編成のグリーン車全席、普通車客室出入口付近の席に整備されます。グリーン車と普通車の身体障がい者対応のトイレにJR西日本の在来線車両としては初めて温水洗浄機能付き暖房便座が導入され、グリーン車以外のトイレにもすべて暖房便座が整備されます。
車両配置と運用
金沢総合車両所
0番台 3両 8本 T11-T13 、W11-W13、W15/W17
0番台 6両 8本 W01-W08
2000番台 3両 2本 N11/N12
2000番台 6両 2本 N01/N02
T編成は683系R編成と共通で「サンダーバード」運用に
WとN編成は「しらさぎ」「ダイナスター」「能登かがり火」「ホームライナー」
吹田総合車両所京都支所
0番台 3両 1本 V11
1000番台 6両 1本 W01
683系と共通運用で「サンダーバード」「ダイナースター」「能登かがり火」「おはようエクスプレス・おやすみエクスプレス」に運用
2000番台は2015年3月14日の北陸新幹線金沢開業で定期運用を失い、JR西日本に譲渡され、「しらさぎ」に転用され、塗装も変更されました。
2000番台の「はくたか」時代の活躍の様子は別の機会に紹介致します。
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