2016年の航空機事故
2016年12月31日、今年も大晦日になりました。
今回の記事では2016年、世界中で起こった航空機事故を Aviation Safety Networkのデータベースのデータを参考に振り返ってみます。
日本時間で12月30日、午後4時時点でDBに登録されている件数は全部で152件です。
事故のカテゴリを 原因と機体の損傷程度で以下の様に分類すると
A アクシデント 1 全損
I インシデント 2 修復可能な損傷
H ハイジャック
C 犯罪行為 (妨害、撃墜)
O その他
A1に分類された事故は 54件
A2に分類された事故は 88件
C1に分類されたものは 3件
H2に分類されたものは 2件
O1に分類されたものが 2件
O2に分類されたものが 3件 計 152件 となります。
死者の出た事故・事件は 40件で
38件がA1、2件がC1です。
2件のC1、犯罪行為・全損事故は
1)2月2日、Daallo Airlines D3 159便(Mogadishu発Djibouti行き) Airbus A321-111 cn 642 SX-BHS が乗員乗客81名搭乗がソマリアのMogadishu空港を離陸後、15分の11時45分ごろ、高度12,000フィートに達したところで、R2ドア後部付近で爆発が起こり、胴体に大きな穴が開き、16F席の乗客(55歳)が吸い出され死亡し,他に2名が負傷し、機体は急遽、出発空港に引き返し、11時53分に無事着陸しました。
2)こちらは日本でも大きく報道されましたが、5月19日、エジプト航空 MS804便(パリCDG23:11発カイロ行き) Airbus A320-232 cn 2088 SU-GCC が乗員10名、乗客56名搭乗が地中海上空、エジプトの海岸線から200kmの地点、現地時間2:29、KUMBIのウエイポイントを経由してカイロFIRに入った直後、FL370のコンタクトを最後に交信が途絶えたものです。
同日,19:00にはエジプト航空により、海上で残骸の一部が発見され、ギリシャ軍当局はレーダー解析の結果、当該機はレーダーから消える前に急激に90度左旋回し、さらに360度逆向きにターンし、高度がFL370からFL150に急降下してレーダーから消えたと発表しました。
2016年12月15日に発表された事故調査報告書では犠牲者の遺体から多くの爆発物の痕跡が見つかったそうです。
民間機の犠牲者の数が多かった事故では
1)3月19日、FlydubaiのFZ981便 Dubai空港発Rostov空港行き Boeing737-8KN(WL) cn40241 ln3517 A6-FDN 乗員7名乗客55名が南ロシアのRostov-On-Don空港に悪天候で2度目のアプローチを行った際に現地時間3:41に空港の滑走路に激突し、乗員乗客が全員犠牲になった事故です。事故機のフライトレコーダーの解析から、滑走路の端から120mの地点に時速600km、角度下向き50度以上で衝突しており、着陸復航の決断後、ウインドシェアに遭遇した可能性も考えられています。
2)11月28日、LaMia航空のチャーターLMI2933便BoliviaSanta Cruz-Viru空港発コロンビアRionegro/Medellín-José María Córdova空港行き Avro RJ85 cn E.2348 CP-2933 乗員4名乗客73名がコロンビアRionegro/Medellín空港南方の森林地帯標高2600mに墜落した事故で、乗員3名乗客68名が犠牲になりました。
当該機はブラジルのサッカーチームChapecoenseの選手、スタッフらを乗せたチャーター便でコロンビアのMedellinで開催される試合に向けたものでした。日本のJリーグプレーをした選手や監督が多く犠牲となっており、サッカー界に衝撃を与えた事故となりました。
現時点での墜落原因は燃料切れとされています。
3)12月7日、パキスタン国際航空PK661便(Chitral空港発イスラマバードBenazir Bhutto国際空港行き ATR42-500 cn663 AP-BHO 乗員5名乗客42名搭乗 15:30にChitralを離陸し、イスラマバードに向かった機体が16:09にエンジントラブルを訴え、降下し、Havelian付近に16:20頃墜落した事故で、乗員乗客全員が犠牲となりました。墜落直前にMaydayの発出がありました。
現時点で墜落原因は不明です。
「aircraft_accident_in_2016.pdf」をダウンロード
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コメント
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B767-281様こんにちは。何とか大掃除を終えました。私は、つい最近ということもあって、サッカー選手が犠牲になってしまった事故が印象に残っています。それにしてもガス欠とは酷いですね。そう言えば前に767がリットルとガロンを間違えたためにグライダーになってしまったが、パイロットの凄い技量で無事着陸させた事故について読んだことがあります。いくらハイテクでも、飛行機を飛ばすシステム全体がしっかりしていないと事故は起きてしまうのですね話はズレてしまいますが、私の家は横田アプローチの近くにあるので(さっきもC17が降りて行きました。)オスプレーの事故はひと事ではありません。来年はますます世界の平和を切望する年になります。2016年の最後に勝手に力んでしまいました。本年もお世話になりました。来年も楽しみにしております。良いお年をお迎えくださいませ。
投稿: 細井忠邦 | 2016年12月31日 (土) 15時40分
細井忠邦さま、あけましておめでとうございます。
旧年中は、たくさんのコメントを頂きまして、ありがとうございます。
同世代の方の視点でいろいろと貴重なご意見を頂けると、記事を書いてゆくうえで大いに参考になりますし、新たなヒントも得られるように感じたこと、多々ありました。
本年もどうかよろしくお願いいたします。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2017年1月 1日 (日) 08時32分