京成電鉄の車両たち 6 AE車(2代)
京成電鉄の現役車両を一般車から見て来て、いよいよ最後は有料特急車両AE(Airport Express)電車の2代目です。
スカイライナーとしては3代目の車両で2009年度から2010年度にかけて8両編成8本が製造されました。
成田空港では2005年に平行滑走路(B滑走路16L-34R)の延伸が決定し、2010年度の開業に向けて工事が開始されました。これにより大型旅客機の離着陸回数が増加することが予想されました。空港アクセスルートとしては1990年から、京成はAE100形による運行が開始、1991年にはJR東日本が253系による成田エクスプレスを運行開始し、成田新幹線のために用意された空港地下施設が活用され始めました。
さらに1999年には北総鉄道北総線経由のルート実現に向けた検討委員会が発足し、2002年には施設を建設・保有する事業者が設立、2010年の開業に向けて動き出すことになりました。
2009年10月22日にはB滑走路延長の運用が開始され、2010年7月17日には成田空港線(京成高砂~成田空港駅間:51.4km)が開業しました。
↑成田空港
号車 車種 自重 定員 備考
1 制御電動車 M2c 37.5t 40
2 電動車 M1 39.5t 56
3 電動車 M2N 38.5t 56
4 電動車 M1 40.9t 52 サービスコーナー設置
5 付随車 T2 33.0t 42 トイレ・洗面所・車椅子対応座席設置
6 付随車 T1 33.0t 56
7 電動車 M2S 39.0t 56
8 制御電動車 M1c 40.0t 40
↓京成上野
車体
車両デザイン・新ロゴマークは山本寛斎氏によるものです。内装関係は日本車輛製造が、外装は東急車輛製造が主に担当しました。
基本構造はアルミニウム合金製で中空押出型材を使用したダブルスキン構造で軽量化を図りました。印旛日本医大~空港第2ビル間の18.1kmにおいて160km/h運転が可能なように列車選別装置が搭載されています。
主要機器
かご形三相誘導電動機4台を1群として制御するIGBT-VVVFインバーター(1C4M)を2,4,8号車に2群分搭載しました。主電動機はTDK-6070-A形三相交流誘導電動機(端子電圧1,100V、電流122A、周波数107Hz、定格出力175kW、定格回転数3,155rpm)を採用し、高速走行に対応するため歯数比は19:93 (4.89) に設定しました。高速性能を大きく取っている分、起動加速度は京成の車両では久方振りに低く取っており、2.0km/h/sとなっています。
台車は、京成としては初となるボルスタレス台車を採用しました。制動装置は回生ブレーキを併用した電気指令式空気ブレーキを採用したほか、高速走行時に対応した基礎ブレーキ装置として、電動台車には油圧で動作するキャリパー式ディスクブレーキを、付随台車には空気圧で動作するテコ式ディスクブレーキを採用しました。
SIVは三相交流440V、210kVAを3号車と7号車に搭載しました。CPはスクロール式1600l/minで1,6号車に1台ずつ搭載されました。
集電装置はPT7131-C形シングルアーム式を、偶数号車に1台ずつ搭載しました。折り畳み高さは地上から4,050mmとなりました。高速走行に対応するため、離線防止のためのオイルダンパを設けたほか、パンタ上昇検知装置によりパンタグラフの状態確認を運転台のモニタ画面で行なうことを可能にしました。
冷房装置は集中式を各車の屋根上に1基搭載しました。能力は41.86kW (36,000kcal/h) です。暖房は座席下の吊り下げヒータのほか、厳冬期における室内温度の早期立ち上げを図る目的で冷房装置に電熱ヒータを内蔵しています。
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