大井川鐵道 元南海21000系
再び、大井川鐡道の現行の電車シリーズです。今回は元南海21000系電車です。
1976/3 新今宮駅に入線する高野線急行運用の21000系 パンタは2個
モハ21001-モハ21100-モハ21100-モハ21001の全電動車方式による4両編成で1958年から1964年にかけて帝国車輛工業で8編成32両が新製されました。
2扉17m、準張殻構造で車体裾にに丸みが付けられ「丸ズーム」との愛称が与えられました。
2017/3/12 金谷 大井川鐡道で活躍中の車両は転換クロスシートです。網棚下に読書灯が設置されているのも南海の伝統だそうです。
1962年に新製された第3次車の第4編成までが扉間転換クロスシート、1963年~1964年に新製された4/5次車はオールロングシートに変更されました。さらに1974年に第3・4編成はオールロングシートに改造されました。
第1・2編成はセミクロスシートのまま残され、臨時「こうや」として運用もありました。
南海では高野線山岳区間直通運転を大運転というそうで、山岳区間に介在する50‰の区間を自力走行するため歯車比は12:83 (6.92)の高ギア比が採用されました。一方、平坦線では高速走行のためモータのけん引力を低下させないため、補償巻線を装備し、電機子の反作用を打ち消すことで整流を安定化させました。これにより、弱め界磁率を25%まで引き上げることが可能となり、山岳区間では30km/h、平坦区間では100km/hの走行が可能となりました。起動加速度は3.1km/h/s(初期車は3.5km/h/s)、減速度は4.0km/h/sです。
主電動機は東洋電機製造製TDK-820-Bを装備し、駆動装置も同じく東洋電機が開発した中空軸平行カルダン駆動方式、制御器についても当初は東洋電機製ACD-10を採用しました。
台車は第1・2編成が住友金属製鋳鋼ウィングバネ式台車のFS17、第3編成以降がこれにボルスタアンカーを追加して揺動の抑止を図ったFS17Aです。
2017/3/12 金谷
1973年、南海本線・高野線系統の架線電圧が直流600Vから1500Vに昇圧されることが決定したため、以後も全車が継続して使用される本形式については、冷房化工事と併せて実施されることとなり、1972年以降検査周期に合わせて近畿車輛で改造工事が実施されました。冷房装置は日立製作所製の集中式冷房装置であるFTUR-550-206Dが採用されました。
2017/3/12 新金谷車両基地
3/12、本線では21003-21004編成が活躍し、車庫には21001-21002編成がいました。
南海電鉄では1990年に2000系が登場し、1993年から置き換えが開始され、4連から中間車を抜いた2両編成が登場し、1997年8月29日を最後に全車廃車となりました。
21000系も引退時はこのパターンの塗装となっており、21001-21002編成は50000系「ラピート」の塗装比較試験に使用されていたそうですが、大井川鐡道の希望で登場時の塗装になって譲渡されたそうです。
大井川鐡道にはセミクロスシート車の第1・2編成の先頭車4両が譲渡され、第3・5~7編成の先頭車8両は一畑電気鉄道に譲渡され、3000系となりました。その3000系も今年1月22日のさよならイベントをもって運行が終了しました。
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B767-281様お早うございます。初期新性能電車はいいですね。様々な技術的な工夫が興味深いです。急勾配でも、平坦線でも通じる工夫、なるほどと感心させられました。私は今日から半ば無理矢理^_^休暇を取って、関西方面に行ってきます。323系に乗ってみようかと思っています。
投稿: 細井忠邦 | 2017年3月28日 (火) 07時26分
細井忠邦さま、おはようございます。
南海は高野線という、西武でいえば秩父線のような山岳路線があり、それに対処するための車両を出したのですね。
関西での休暇をお楽しみ下さい。わたしも時間があれば323系など新系列車を見てみたく思っています。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2017年3月29日 (水) 06時06分