大井川鐡道井川線に乗って その3 客車・制御客車について-3
大井川鐡道井川線の客車、今回は残るスハフ500形、クハ600形について触れます。
スロフ300形の増備後も観光客の増加は止まらず、多客時にはcトキ200形などの貨車を連結し、そのまま乗客を乗せたそうです。
貨車にポールを立て、屋根シートをかぶせて対処したモノの、さすがにそれではまずいということで1972年に増備されたのが、スハフ500形でした。cトキ200形の改造で当初は無蓋車に屋根と外板を取り付けたものにベンチを外向きに並べただけで窓ガラスのない、吹きさらしの構造だったようです。
車両定員 64名 座席定員42名
全長 11000 mm
車体長 10400 mm
全幅 1710 mm
全高 2690 mm
制動装置 自動空気ブレーキ
2017/3/11 千頭
一番手前の客車がスハフ501、あとの4両はスロフ300形 窓の枚数がドアを挟んでそれぞれ6枚ずつなのが特徴
1976年に窓ガラスを取り付け、スロフ300形と同様の客車スタイルになりました。窓は2段窓が並び、車内はロングシートです。暖房は設置されていません。 スハフ501~503の3両が在籍していましたが、スハフ502はスロフ317へ更新改造されたため廃車となりました。
2017/3/11 千頭
井川向き先頭に立つクハ600形 左からクハ601 602 603 601は右下に銘板がありませんが、602、603には日本車輌製造の銘板があります。
1990年のアプトいちしろ~長島ダム間のアプト式運転開始で、DLは常に列車の千頭側に連結する方式とし、井川行きの列車は推進運転方式となりました。そのために必要となったのが、井川方の制御車クハ600形です。
全長 11000 mm
車体長 10400 mm
全幅 1840 mm
全高 2690 mm
制動装置 自動空気ブレーキ
3/11 全線開通のHMを付けて井川に向かうクハ602先頭の編成
クハ601はスロフ310から改造され、602-604はcトキ200形の台車を流用し、日本車輌製造で新造されました。
運転台はDD20形とほぼ同一であり、DD20形用とED90形用の2基の主幹制御器が装備されています。またクハ600形の屋根は上の写真でも分かりますが、スロフ300形のような丸屋根ではなく、平面構成の屋根となっています。
連結器の斜め上に装備されている補助前照灯はカーブで台車の動きに合わせて首を振る仕組みとなっており、DD20形の補助前照灯を踏襲しているそうです。
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コメント
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B767-281様 ロとハの件ご教示ありがとうございます。あまり違いは無いようですね。塗装と言い山岳路線を走るところも何となくスイスの登山列車のような趣きがありますね、訪れたのはもう忘れてしまったくらい昔です。記事に触発され、行ってみたくなりました。
投稿: 細井忠邦 | 2017年3月18日 (土) 10時21分
細井忠邦さま、おはようございます。
そうですね。まさにスイスの山岳鉄道の雰囲気とよく似ていますね。
今回は2日間有効の大井川本線、井川線の全区間に乗れる周遊券を購入しましたが、十分に元が取れた感じでした。
季節も春めいてきましたのでおでかけのシーズンですね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2017年3月19日 (日) 06時40分