大井川鐵道 元東急7200系
3月10日から12日にかけて千頭、川根両国駅を中心に開催された「SLフェスタ」に参加するため、初めて大井川鐵道を訪れ、現地からのレポートに続き、井川線の乗車体験を記事にしてきました。
あと少し大井川鐵道関連の記事を続けたく思います。
今回の記事では最初に乗車した7200系について触れようと思います。
1967年から1972年にかけて53両が導入されました。もともと1962年から東急では東横線の輸送力増強、地下鉄日比谷線乗り入れ用に7000系を投入し、田園都市線溝の口~長津田間延伸用にも7000系を増備していました。7000系は地下鉄乗り入れ性能を満たすため全電動車方式であり、東横線では急行用としても使用されていましたが、田園都市線や目蒲線、池上線ではそこまでの性能は求められず、むしろ導入費や保守経費の高さが問題でした。7000系が134両導入された時点でMT比を1:1にしたモデルチェンジ車として設計・導入されたのが7200系でした。
わたしも1971年4月から1974年3月までの高校時代、渋谷から学芸大学まで東横線で通学しており、7000系に混じってたまに見かける「ダイヤモンドカット」と呼ばれる「く」の字形状18m3扉車の7200系を見かけていました。尤も、写真で記録まではしてませんでしたが。
抵抗制御方式、界磁調整器(東洋製)、もしくは界磁制御器(日立製)による回生ブレーキ搭載で、主電動機出力は110kW、歯車比は5.73でした。1M方式のため、電動車と付随車の組み合わせにより、編成組成の自由度は極めて高い車両でした。台車は電動車がTS-802形、付随車がPIII-707形パイオニア台車でした。
形式は
Mc デハ7200形 渋谷向き制御電動車 1967年から
オールステンレス車 22両 (日立12両 7201-7212、東洋10両 7251-7260)
アルミ車 1両 (日立 7200)
M デハ7300形 1969年から
オールステンレス車 3両 (日立2両 7301-7302、東洋 1両 デハ7351)
当初は4両編成の中間車として製造されたためMG/CPは非搭載でしたが、後に3両編成化を考慮し、1980~1981年にかけて全車MG/CPが搭載されました。
M デハ7400形 1969年から
オールステンレス車 4両 (日立2両 7401-7402、東洋2両 7451-7452)
当初からMG/CPを搭載した中間電動車として製造されました。
Tc クハ7500形 桜木町向き制御車
オールステンレス車 22両 (日立12両 7501-7512、東洋10両 7551-7560)
アルミ車 1両 (日立 7500) 冷房化後に電源用のMGもしくはSIVを搭載しました。
これらのうち、デハ7211とデハ7259が本来の運転台側の反対側に8000系スタイルの運転台取り付け改造を行い、両運転台車となり、モハ7204、モハ7305として2002年に十和田観光鉄道に譲渡されました。
しかし、2012年3月31日に同線が廃線となり、しばらくの間車庫で保管されていましたが2014年6月、大井川鐵道に再譲渡されました。大井川鐵道では当初、2014年冬から運行予定でした、2ヶ月ほど遅れ、2015年2月23日から運行が開始されました。
導入にあたり、大井川鐵道では車両費1000万円、輸送費900万円、改造費6100万円の合計8000万円がかかったそうです。それぞれ単車で運転することは可能ですが2両編成で運行されているようです。
この日は金谷~新金谷間の運用に入っていました。
車内は大井川鐵道本線で活躍中の他の編成、元南海21000系、元近鉄16000系と較べるとこの写真のようなロングシートであり、些か残念な感じもしますが、
来年で50歳になる車両が少しも古さを感じさせずに活躍しているところは東急車輌のステンレス車体の優秀さを感じます。
最後まで読んで戴きありがとうございます。
上のリンクをクリックされると面白い鉄道記事満載のブログ村。もしくは鉄道コムに飛ぶことができます。
« 大井川鐡道井川線に乗って その5 駅や観光名所-5 奥大井湖上から井川まで | トップページ | 2017年3月25日 西武鉄道ダイヤ改正の話題 その1 »
「旅行・地域」カテゴリの記事
「民鉄:大井川鐵道」カテゴリの記事
- 日本工業大学工業技術博物館の2100形2109号機 その1(2020.09.10)
- 新金谷駅SL広場に保存されているC12 164号機(2020.07.29)
- 大井川鐵道 (元西武鉄道) 電気機関車 E31形 2 大井川鐡道譲渡後(2017.04.14)
- 大井川鐵道 (元西武鉄道) 電気機関車 E31形 1 西武鉄道時代(2017.04.13)
- 大井川鐵道 電気機関車 ED501(2017.04.08)
コメント
« 大井川鐡道井川線に乗って その5 駅や観光名所-5 奥大井湖上から井川まで | トップページ | 2017年3月25日 西武鉄道ダイヤ改正の話題 その1 »
B767-281様お早うございます。ダイヤモンドカットでしたか?7200系の顔、いいと思います。南海6000系といい、ステンレス車は当初の目的通り長持ちですね。寿命が十分あるのに無駄使いしているのは、東の某会社位でしょうか?
投稿: 細井忠邦 | 2017年3月25日 (土) 09時14分
細井忠邦さま、おはようございます。
2015年暮れの青森・函館旅行でも東急のステンレス車両を弘南鉄道で見かけましたが、流石だなと思いました。
また、まだ記事にしていませんが、ひたちなか海浜鉄道の阿字ヶ浦駅にケハ601の車体が保存されていますが、これを見てもステンレス車体の長持ちを感じましたですね。
JR東日本の中央線のグリーン車導入計画、駅の工事が手間取りそうで、2020年には無理とか言うことになりそうですね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2017年3月26日 (日) 06時30分