JAレジの777 5 ANAが導入した777-300ER
ANAの導入したBoeing 777、最後は長胴-300型の長距離タイプ、-300ERです。
2011/7/29 NRT JA731A 1号機はスターアライアンスcs
2000年7月24日、国際線747-400の後継機として発注されました。胴体長は昨日の-300と同じですが、翼端にレイクド・ウイングチップ(主翼端に後退角を付けた小さな翼で翼端渦を減少、もしくは上方に移動させることで空気抵抗(誘導抗力)を減らし、燃費を向上させる効果があります)を付けたため、ウイングスパンが延長されました。このため、胴体長もウイングスパンもAirbus A350-1000を越える世界最大の双発機となりました。
2011/7/29 NRT JA736A 翼端のレイクド・ウイングチップの構造が分かります。
胴体長の延伸に対応して離着陸時のテイル・ストライク防止のため、引き込み式のテイル・スキッド、テイル・ストライク・プロテクションシステム(TSP)、セミ・レバード・ギア(SLG)も装備されました。SLGはボギー式メインギアの最前列軸とストラットの間に油圧アクチュエータを取り付け、離陸引き起こし時に後2軸に機体重量がかかるシステムで離陸時の引き起こし角度を大きく取ることを可能にしました。TSPはフライトコンピュータに組み込まれ、尾部が接触しないように操縦システムを制御するものだそうです。
エンジンはGE90-115Bに限定されるため、777シリーズでは唯一のGEエンジン装備機となりました。
初号機JA731Aは2004年9月に受領し、11月15日から成田~上海線に投入されました。2005年5月から本来の成田~ニューヨーク線に就航しました。キャビンはFCYに加えてプレミアムエコノミーのある4クラス制で247席でした。当初の発注は6機(JA731A~JA736A)でしたが、747-400に代わるエース級の機材なので、その後追加発注がなされ、北米全路線、ロンドン、パリ、フランクフルト線に就航し、ANAを代表する機材になりました。
2009年11月10日、ANAはプロダクトとサービスの新しいブランド”Inspiration of Japan"(IOJ:現在、ANAの機体に描かれている)を発表し、新サービスの柱となるファーストクラスの座席「ANAファーストスクエア」とビジネスクラスの座席「ANAビジネススタッガード」を装備した777-300ERの初号機JA784Aが2010年4月19日、成田~ニューヨーク線にデビュー、インテリアは787のものを先取りしたそうで、2010年7月までに6機(JA784A~JA789A)受領し、これを以て747-400は全機退役しました。
さらに2015年3月から5月にかけて3機(JA790A~JA792A)を受領しました。
ボーイングでは後継機種として777-9を開発中でデリバリー予定は2020年以降の見込みですが、東京オリンピックによる輸送需要の増加を考慮して、その間の繋ぎとして777-300ERを2019年に6機追加導入する予定だそうです。
以上でANAの777シリーズは全タイプを見てきました。今回、久しぶりに羽田でスポッティングを3週連続、土曜日に行い、747が全機退役した後の現在のANAの長距離路線のフリートの状態が漸く理解できたところです。
引き続き、JALの777の様子を次回からの記事で触れてゆきます。
最後まで読んで戴きありがとうございます。
上のリンクをクリックされると面白い鉄道記事満載のブログ村。もしくは鉄道コムに飛ぶことができます。
« JAレジの777 4 ANAが導入した777-300 | トップページ | JAレジの777 6 JALが導入した777-200 »
「旅客機 Boeing 777」カテゴリの記事
- イタリアのフラッグ・キャリア いつのまにかアリタリア航空からITAエアウェイズになっていた その1 アリタリア航空編(2023.11.22)
- 5月12日 羽田空港にて その2 ANAの鬼滅の刃 スペマー「鬼滅の刃 じぇっと -壱・弐・参-」(2023.05.22)
- ウクライナからの避難された方々、20名がポーランドから帰国した政府専用機で入国(2022.04.06)
- 2019/8/31 久しぶりの成田空港 その26 アエロフロート・ロシア航空 Boeing777-300(2019.10.14)
- 2019/8/31 久しぶりの成田空港 その20 オーストリア航空 Boeing 777(2019.10.07)
コメント
« JAレジの777 4 ANAが導入した777-300 | トップページ | JAレジの777 6 JALが導入した777-200 »
B767-281様今晩は。そうですね、777-9なのですね。787あたりからー8やー9となってどうも馴染めないままです。ー320、20はボーイング社カスタマーコードなど昔はわかりやすかったと思います。エアバスは全く違いますが^_^
投稿: 細井忠邦 | 2017年5月 1日 (月) 19時46分
細井忠邦さま、おはようございます。
そうなんですよ。747-400のあと、-8が出てきて、787はいきなり-8から登場しましたね。
愛称が7で終わるので-8が良いかなという感じなのでしょうか。
さらに、787-8の場合、最近はカスタマーコードが復活して、ANAの場合は-881なんて言っているようですが、-9ではまだのようです。
777も通常タイプが-200で始まり、胴体短縮長距離タイプとして-100が計画されたそうですが、767-400とのバッティングなどで幻となったそうです。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2017年5月 2日 (火) 05時52分