第31回新幹線車両基地公開 その4 保存車両3 D51 1108号機
新幹線総合車両センターに保存される車両、今回は3両の蒸気機関車のうちの1両、D511108号機です。
保存車両のうち、蒸気機関車D51、C58, C11はこの順に写真のように駐められています。構内ちょうど端に位置するため、
側道からも撮影できます。写真からも分かりますが、かなり表面の傷みが激しく、一刻も早い処置が必要な状態です。
煙室前部と煙室扉上部の丸みは戦時形(1001~1161)のため、省略されています。
蒸気ドームと砂箱を統合するドームは戦時形のカマボコタイプです。砂箱からの砂管も3本が垂直に下りて、途中で分かれるスタイルです。
炭水車は台枠を省略した船底スタイルであることがよく分かり、台車は戦時形D51やD52の炭水車によく見られるスタイルの台車です。
炭水車の上に見えるタンクは重油併燃装置用の重油タンクでしょうか。
D511108 日本車両名古屋工場=1297 1944-07-29 S77.60t1D1T(1067)
車歴;1944-07-29 製造→ 納入;国鉄;D511108→ 配属;? → 配置;? →1948-07-01 現在;新津→
1950-04-00 二休;新津→1955-08-01 現在;大館→1957-11-00 現在;弘前→
1970-11-11 青森→1971-06-05 会津若松→1972-10-02 廃車;会津若松→
1976-00-00 保存;宮城県仙台市「仙台市民SL 公園」;D511108→
1994-11-00 移管保存;宮城県利府町「JR 東日本仙台総合車両所」;D511108
昭和19年7月29日、日本車輌名古屋工場で落成し、製造直後の配置は不明なものの、4年後は新津に配置されていました。その後、奥羽本線北部、大館、弘前、青森と活躍の場を移し、最後は会津若松で廃車を迎えました。
3両の蒸機は仙台市内のガス局前の仙台市民SL公園に保存されていましたが、1994年11月にこちらに移されたようです、2003年に整備が行われたようですが、それ以来この状態で置かれているようです。
こうやってよく見ると、シリンダーカバーのセンター部分や、汽笛、空気圧縮機一式、給水ポンプ一式など重要部品が欠落しているのが分かります。また東北形の特徴としてキャブの屋根が後方に延長されています。
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コメント
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B767-281様こんにちは。工場の保存車にしては酷い状態ですね。旧大船工場内旧型国電が解体されてしまったり、旧大井工場のクモヤ90などもやはり解体。価値ある車両はきちんと保存していただきたいものです。ややブラックですが、再び戦時型が登場する世の中にはなって欲しくないです。
投稿: 細井忠邦 | 2017年6月18日 (日) 14時56分
細井忠邦さま、おはようございます。
本日のC58も同様ですが、何のためにこうやって仙台市からこちらに移して保存しているのか、これらの蒸機はもちろんですが、これから登場する交流電機に関してもこのまま朽ち果ててしまうのではと思うほど傷んでいます。
大宮車両センターでもEF58やEF60が結局、解体されたりしていますが、修復する予算、新たな置き場の問題等でそういう結論に至ったのかも知れませんが、それぞれが貴重な鉄道遺産であるだけにもったいない気が致します。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2017年6月19日 (月) 05時25分
大変、興味深く拝聴させていただきました。
重要部品の欠落を指摘されていましたが、昨年、とある動態保存機の見学会の時に
職員の方が「部品の枯渇、入手困難に苦慮している。仙台新幹線運転所に行って
保存されているD51から発電機を借用してきたことがあるが、あれはどうなったんでしょうか?」
との問いに解体された旨を告げたら、「じゃそのままにしよう(笑)」と言って、場内は爆笑となりました。
こうやって生きているSLに部品を移植していたのですね・・・
一昨年の郡山駅でのJR鉄道部品市にD511108のプレートがオークション出品されていたこともあり
解体の事実は紛れもないものになりました・・・
意外に現業部門に保存されている車両の保存状態が良くないのは残念ですね。
投稿: Soa | 2023年12月 3日 (日) 11時35分
Soaさま、はじめまして。
コメントありがとうございます。
SLを動態保存するということは消耗する部品の供給、人材の育成などたいへんな問題を抱えており、いつまで続けられるのかという現実があるとよく聞いております。
観光資源としてSLを復活させてもやがてSL自身の老朽化などでどうにもならなくなる事態が来ることは色々なケースで見えて来ていますね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2023年12月 4日 (月) 04時54分