第31回新幹線車両基地公開 その4 保存車両1 961形
今回からは2016年10月22日土曜日に新幹線総合車両センター(新利府)で開催された「第31回新幹線車両基地まつり」の様子について、残っている分を報告します。
これまでの記事では
2016/10/25 prologue
2016/11/27 その1 車両工場内の様子
2017/1/4 その2 保守用車両
2017/2/13 その3 953形 STAR21
について触れて来ました。
今回からは、同車両センターの最北端の一角に保存してある車両群について触れて行こうと思います。
新幹線関係では、すでに報告済みのSTAR21の953形他、961形961-1、961-2、200系221-1、237-1
蒸気機関車ではC11形351号機、C58形365号機、D51形103号機
交流機関車ではED91形21号機、ED71形1号機、ED75形1号機、ED77形1号機、EF71形1号機が保存されており、ED78形1号機も2015年6月まで保存されていましたが、現在は生まれ故郷の日立製作所水戸工場に保存され、毎年6月第1週に開催される同工場のお祭りで公開されています。今年は参加し損ねましたが来年こそはと思っています。
前にも書きましたが、このイベントに参加した一番の目的はこれらの車両、特に交流電機の保存車両を観るためでした。
最初は200系の土台となった961形試験電車です。
交流25kV、50/60Hz対応の6両全電動車構成、アルミ合金製ボディマウント方式の車体で1973年に川崎重工業(-1,-2)、日本車輛製造(-3,-4)、日立製作所(-5,-6) が分担して製造しました。
新幹線では初めて客室窓がすべて小窓構造となり、主電動機の出力は951形を上回る275kWに増強されました。直巻整流子電動機MT920形をサイリスタバーニア連続位相制御方式で制御し、WN平行カルダン方式(歯車比2.40)で駆動しました。制動方式は電気指令式空気ブレーキ(チョッパ連続制御)が採用されました。保安装置はATC-2型でした。
運転台にはATOMICと呼ばれたミニコンピュータシステムが搭載され、指定された速度での定速走行や自動停車などを可能にしましたが、本格採用には至らなかったそうです。また、積雪の多い地域を走行することを考慮し、雪切室が設置されました。
6両編成のうち、1,2,6号車は通常車両で2号車にのみ腰掛が設置され、3号車は初の食堂車となりました。側廊下方式が採用され、一角にはソファーコーナーも設置されました。営業用では36形として実用化されました。
4号車は寝台車と小グループ旅行用の個室の設備を設け、6名定員の特別個室が2室、さらに2段式の普通寝台も配置されました。
5号車は内装をせずに車両の剛性と乗り心地の関係を調べるため、敢えて剛性を下げ、補強材を入れての耐久試験も行われました。
完成後は大阪運転所に配置され、山陽新幹線岡山~博多間で試験走行が行われました。1979年、小山試験線での試験走行を行うため、浜松工場で整備を受け、大井車両基地から小山試験線管理所まで陸送されました。
2015/10/4 ひかりプラザ に保存されている319km/hのプレート
1979年12月7日、小山試験線にて当時の電車における世界最高速度記録319km/hを樹立しました。なお、この頃は0系同様、白地に青いラインの塗装でした。
最後まで読んで戴きありがとうございます。
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コメント
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B767-281様お早うございます。もし国鉄が続いていたら、九州から北海道まで新幹線が結んだいたかも知れませんし、北海道の路線廃止もこれ程までいっていなかった、と思います。公共交通を大切にしない政治の姿勢は酷いと思います。共謀罪もあり得ない「法律」だと思いますが。
投稿: 細井忠邦 | 2017年6月16日 (金) 07時27分
細井忠邦さま、おはようございます。
国鉄分割民営化、以前にも話題になりましたが、30年でその問題点が大きくクローズアップされましたね。
一方で、森友や加計のような縁故政治が行われており、その問題点の追求を隠蔽しようとする政権が共謀罪のように人の心の内側を監視するような法律を手にするなんて、まさに言語道断ですね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2017年6月17日 (土) 06時10分