名古屋~亀山間 関西本線 その2 213系5000番台
関西本線、名古屋~亀山間の電化、1987年4月の分割民営化で同区間はJR東海に継承されました。
JR東海が名古屋~四日市間で近鉄にやられまくっている現状を打破するために投入したのが213系5000番台でした。
213系は211系の1M版として国鉄が最後に登場させた新規系列で、国鉄時代に基本番台(0番台)が岡山地区向けに製造・投入され、民営化後の1989年から1991年にかけて5000番台2両編成14本が製造投入されました。
車体は211系のステンレス製軽量車体と117系100番台の片側2か所両開き扉の側面、前面は211系に準じたFRP製のマスクが採用されました。客室からの展望を配慮して、前面窓は助手席側、貫通扉ともに下方に向けて拡大されています。座席は転換クロスシートとなっています。
主制御器は211系と同様の界磁添加励磁制御方式で1M方式のため電動カム軸方式のCS59が採用されました。界磁制御を行うためHS65励磁装置が搭載され、回生ブレーキ、抑速ブレーキが搭載されています。主電動機は直並列組み合わせ制御に対応し、端子電圧は750VのMT64形です。
台車は205系に採用された軽量ボルスタレス台車で動力台車はDT50B、付随台車はTR235Bです。
補助電源装置は国鉄時代に製造された電車では唯一のSIV方式で5000番台では補機類の電源がDC600Vになったことが特徴的です。
1989年から大垣電車区配置で関西本線(名古屋~亀山間)に投入され、普通・快速電車に運用されました。
2000年より、関西本線閑散時の普通列車運用がワンマン化されるにあたり、神領区に転属となり、日中の列車の大半が後継の313系3000番台に置き換えられました。
2008/9/6 名古屋 H01編成
これにより運用が激減し、昼間は名古屋駅の電留線で休む光景が多くみられるようになりました。
2011年10月1日に関西本線から撤退し、トイレ設置や半自動ドアの設置などの改造を施し、勾配抑速ブレーキ搭載のメリットを生かして、大垣区に再転出の後、飯田線を第二の職場とすることになりました。
改造を終えた編成は2011年11月27日より、飯田線、および中央線茅野~辰野間での運用に就いています。それまで飯田線で活躍していた119系は2012年3月17日のダイヤ改正で定期運用を終了しました。
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B767-281様こんにちは。東海は車両番号のフォントなど国鉄らしくJRの中ではまだ許せます。(笑い)213系は、なかなかグレードが高いですね。スタイル的にはその後の311系が好みですが、こちらも脚が遅い為に新快速には入っていない(ラッシュ時はあり?)ようです。あちこち飛びますが、117と119系は西浜町に大量に留置されているのを新幹線から見ています。ただ今東京に帰る途中です。次は来週末岡山に研修で出掛けます。新幹線に縁のある夏になっております。名古屋近辺豪雨です!
投稿: 細井忠邦 | 2017年8月11日 (金) 17時43分
細井忠邦さま、おはようございます。
213系5000番台、わたしも中央線、関西本線、飯田線でそれぞれ乗車しましたが、首都圏にないクロスシート車として魅力的でした。
一方で、313系の大量増備、ある意味での画一化で国鉄車両が大量に淘汰されたのがこの15年でした。
関西の次は岡山とは素晴らしいですね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2017年8月12日 (土) 06時30分
こんばんは。
整ったデザインに見え、乗ってみたいと感じさせてくれる車両です。
飯田線にはまだ119系が活躍していた頃に訪ねたのが最後で、関西本線には313系に統一されてからしか訪ねたことがなく、いまだ東海のこの車両には縁がありません。
クロスシートに腰掛けて飯田線の車窓を眺めれば、きっといい旅になりそうですね。なかなか出会う機会は多くないですが、いつか乗ってみたい車両です。
風旅記: https://kazetabiki.blog.fc2.com
投稿: 風旅記 | 2019年10月29日 (火) 20時21分
風旅記さま、おひさしぶりです。
213系というのはある意味非常にユニークな系列かと感じております。
大量に製造された211系の陰にあって、JR西日本でもJR東海でも独特の存在感を示しながらまだ頑張っているところが好感の持てる系列かなと思います。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2019年10月30日 (水) 04時33分
空気の汚い四日市から清々しい伊那路へ…213系5000番台はいきなり勝ち目の無い関西本線名古屋口で敗戦処理係を押し付けられた感も否めない一方で、間合いで東海道や中央西線の211系と混結になる運用では2扉転換クロスシートでサロ165を回想させるような側窓でデラックスぶりを発揮してました。私的には213系5000番台は首都圏ならばグリーン料金を取るレベルの車両を中京では普通乗車券のみで乗せる…という方が合ってるイメージです。
飯田線に転出後の213系5000番台は、国鉄時代の定番だった関西急電という幕内の土俵で華々しく活躍した車両が飯田線という十両の土俵で関取を維持できる限り活躍するという図式をJR化後に唯一遂行した車両です。JRが単純に国鉄から全国統一の非分割民間企業になっていたら、現在の飯田線は横須賀色になった117系や115系3000番台、リクライニング機能を撤去された185系などが雑居する路線になっていて令和の飯田線詣でがブームになっていたのかもしれません。
投稿: ねこたろう | 2023年7月 9日 (日) 13時57分
ねこたろうさん、おはようございます。
JRが今のように分割民営化ではなく非分割だったら飯田線に横須賀線のお古が行っていたかも知れませんね。一方で、相変わらず国鉄時代の中央集権体制が続いていたかもしれません。地域の事情に即したサービスを優先するのが難しかったかもしれません。JR九州がJR四国からキハ185系を購入したようにもっと会社間で積極的に車両を融通しあうことも重要ですね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2023年7月10日 (月) 04時09分