JR東海の非電化区間で活躍 その1 キハ40系気動車
JR東海の非電化路線で活躍するローカル列車用気動車、民営化30年の歴史の中で、国鉄から受け継いだキハ40系(キハ40、キハ47、キハ48)、JR東海が独自に開発したキハ11形、そして最新のキハ25系と触れて行こうと思います。
まずはキハ40系列ですが、民営化の時点で国鉄からは
キハ40 14両
500番台 2両 1977年末から製造 寒地仕様車 501~594
2000番台 12両 1979年製造開始 一般仕様車 2001~2148
キハ47 5両
0番台 2両 1977年上期製造開始 1~193 トイレ付き
1000番台 3両 1978年から1982年まで製造 1001~1134 トイレなし
キハ48 40両
0番台 3両 準寒地向け 1981年1982年に6両製造 トイレあり
500番台 18両 寒地向け 1979年から1982年に製造 501~559 トイレあり
1000番台 2両 準寒地向け 1981年1982年に4両製造 トイレなし
1500番台 17両 寒地向け 1979年から1982年に製造 1501~1550 トイレなし
の計 59両が承継されました。
塗色は1990年頃までは国鉄時代の塗色を引き継ぎ朱色でしたが、1990年頃からアイボリー地緑とオレンジのラインが入ってJR東海色になりました。2011年よりキハ40 3005、6309、キハ48 3812, 6812 6502の5両が旧国鉄一般気動車標準色風になりました。
国鉄時代は非冷房でしたが、1988年に冷房装置の試作的搭載を実施し、1990年度から床下搭載型のAU27とAU28形により、本格的搭載が開始され、1991年度中に終了しました。
改番を伴う改造は機関の換装とワンマン化で、機関は1989年にキハ85系で採用されたカミンズ英国工場製のC-DMF14HZ (350 PS/2,000 rpm) と1997年からのキハ75形、キハ11形300番台で採用されたカミンズ英国工場製のC-DMF14HZB (350 PS/2,000 rpm)があり、前者は少数派でしたが、後者において1999年までに全車実施完了しています。トルクコンバータもキハ85系、キハ75形で採用された新潟コンバータ製C-DW14A(変速1段・直結2段)に換装され、1999年度までに全車に対して施工を完了しています。
キハ40 5000番台
紀勢本線用のキハ40形2000番台のエンジンをカミンズ製のC-DMF14HZに換装し冷房装置を搭載したもので、1989年から1990年にかけて6両が改造されました。冷房装置はC-AU711Dを2基屋根上に搭載しています。番号は原番に3000を加えたものとされましたが、1999年度に後述の番号整理に伴って3000番台に再改番されました。
キハ40 2030 - 2032・2058・2059・2129 → 5030 - 5032・5058・5059・5129 → 3001 - 3003・3005・3306・3010
キハ48 3500番台
1992年の武豊線への投入に伴い、東海道本線での運用のためキハ48形500番台の機関をC-DMF14HZに換装して出力増強を図るとともにワンマン運転設備を付加したもので、5両が改造されました。番号は原番に3000を加えたものとされたが、後述の番号整理に伴って1999年に3800番台に再改番されました。
なお、これらとペアを組むキハ48形1500番台5両(1523・1524・1528 - 1530)にもワンマン運転設備が付加されているが、機関換装は実施されず、改番も行われませんでした。
キハ48 526・529・531・532・541 → 3526・3529・3531・3532・3541 → 3809・3812・3814・3815・3816
ワンマン運転対応は1991年の東海交通事業城北線開業に伴って同線用に貸し出されたキハ40 2057・2112に対して実施されたのが最初であり、翌年には武豊線のワンマン化に伴ってキハ48形にも実施され、最終的にワンマン運転線区の拡大により全所属車の半数以上が改造されました。キハ47形のワンマン運転対応車はありません。
1997年度から再開されたC-DMF14HZBへの機関換装に伴って在籍する全形式の全車に対して寒地装備、トイレ、ワンマン運転装備の有無、エンジンの形式などに基づいた番号整理、改番が実施されました。
暖地向け車は5001(トイレなし車およびキハ40形は6001)から、寒地向け車は5501(トイレなし車は6501)からそれぞれ原番の順に通番整理され、機関換装と同時に改番を実施されました。
上述のように1999年には、以前の改造で機関換装を実施していた車に対しても再改番が実施されたが、C-DMF14HZ装備であったため3000番台に区別されました。ワンマン運転対応装備車は300を加えてさらに区別されました。これには一部に機関換装時点でワンマン設備を装備していたものの再改番も含まれます。
キハ40 3000番台 C-DMF14HZ搭載 3001-3003, 3005, 3010で一部はJR西日本所有車と番号重複
キハ40 3300番台 3000番台のワンマン対応車 3306
キハ40 5500番台 500番台にC-DMF14HZBを搭載。2両 (576・577 → 5501・5502) が改番されましたが、後に5502はワンマン運転設備を付加して後述の5800番台に再改番され、5501 1両に。
キハ40 5800番台 1999年に5500番台にワンマン運転設備を付加して再改番 (5502 → 5802) を実施したもの。5802の1両のみ。
キハ40 6000番台 2000番台にC-DMF14HZBを搭載。6両 (2057・2111 - 2113・2130・2131 → 6004・6007 - 6009・6011・6012) が改番されたましたが、全車にワンマン設備を付加して6300番台に再改番され、2000年度に消滅しました。
キハ40 6300番台 1999年から2000年にかけて6000番台にワンマン運転設備を付加し、再改番を実施したもの。6両全車がこの番台となりました (6304・6307 - 6309・6311・6312)。
キハ47 5000番台 0番台にC-DMF14HZBを搭載したもの。2両 (3・4 → 5001・5002) が改番されました。
キハ47 6000番台 1000番台にC-DMF14HZBを搭載したもの。トイレなし。3両 (1027・1109・1110 → 6001 - 6003) が改番されました。
キハ48 3800番台 旧3500番台。改番時点でワンマン対応改造済み。3809・3812・3814 - 3816の5両。
キハ48 5000番台 0番台にC-DMF14HZBを搭載。3両 (1 - 3 → 5001 - 5003) が改番されましたが、後に5002と5003の2両がワンマン運転設備を付加して再改番されたため、5001の1両に。
キハ48 5300番台 5000番台にワンマン運転設備を付加して再改番を実施したもの。2000年と2003年に1両ずつ (5302・5303)、計2両が登場しました。
キハ48 5500番台 500番台にC-DMF14HZBを搭載。13両 (509 - 514・524・525・527・528・530・542・543 → 5501 - 5508・5510・5511・5513・5517・5518) がこの番台となりましたが、後に8両がワンマン運転設備を付加して5800番台に再改番されたため、5501・5508・5511・5513・5518の5両となりました。
キハ48 5800番台 1999年から5500番台にワンマン運転設備を付加して再改番を実施したもの。5802 - 5807・5810・5817の8両。
キハ48 6000番台 1000番台にC-DMF14HZBを搭載。2両 (1・2→6001・6002) が改番されたが、後に6002がワンマン運転設備を付加して再改番されたため6001のみとなりました。
キハ48 6300番台 2000年に6000番台にワンマン運転設備を付加して再改番を実施したもの。6302の1両のみ。
キハ48 6500番台 1500番台にC-DMF14HZBを搭載。17両 (1515 - 1519・1523 - 1531・1536 - 1538 → 6501 - 6517) がこの番台となりましたが、後に14両がワンマン運転設備を付加して6800番台に再改番されたため、6501・6502・6517の3両のみが残りました。
キハ48 6800番台 1999年から6500番台にワンマン運転設備を付加して再改番を実施したもので、6803 - 6816の14両に対して実施された。うち6806・6807・6811 - 6813の5両は6500番台への改番時点ですでにワンマン運転設備を装備していました。
59両全車が高山本線や紀勢本線などで長距離運用を中心に使用されていましたが、2015年より順次キハ25形へ置き換えが進められた。2016年3月26日のダイヤ改正にてJR東海所属車は運用終了し、2016年3月30日をもって全廃となりました。置き換えられた車両は、ミャンマーへ譲渡されました。
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