JR東海の非電化区間で活躍 その2 キハ11形気動車
昨日のキハ40系に続き、JR東海が非電化区間、および子会社の東海交通事業城北線などに導入したキハ11形です。
2012/3/15 津 キハ11-1 後の車両は300番台のため車幅の違いが分かります。
性能、仕様は新潟鉄工所製のNDC(ローカル線向け軽快気動車)第二世代18m級車体のシリーズをベースにしています。ステンレス製の300番台以外は普通鋼製で出入り口はワンマン運転に対応させて車体両端に寄せてあり、幅850mmの片引き戸を2カ所に設け、押しボタン式の半自動ドアとしました。側窓は下降式一枚窓です。
腰掛けはロングシートとクロスシートを合わせたセミクロス方式で、定員は110名、短距離使用が多いために300番台を除いてトイレの設置はありません。冷房装置は機関直結式C-AU29を1基搭載しました。
エンジンはキハ85系と同じカミンズ製のC-DMF14HZA(330ps/2000rpm、NTA-855R1と同型ですが、変速機に軽快気動車用C-DW15を使用しているため出力はキハ85系の350psに対して320psに抑えられています。最高速度は95km/hで20‰上り勾配で60km/h以上、25‰でも50km/h以上の走行が可能となっています。
台車は大径心皿式空気バネ台車C-DT58(動力台車)、C-TR242(付随台車)で動台車は2軸駆動方式です。変速機は新潟コンバーター製で変速1段、直結2段方式で従来よりも加速、粘着性能が向上しています。
0番台 1988年 新潟鐵工所製 1~10
伊勢車両区配置で名松線、参宮線、紀勢本線で運用されていました。紀勢本線多気以南ではトイレ設備の関係で300番台と連結した2両以上で運用されていました。9は2007年1月の落石事故、6,8は2015年4,8月の車両入れ替えで抹消、2016年3月29日で全廃されました。
100番台 1988年 新潟鐵工所と自社名古屋工場 101~123
笛シャッターや扉付近の保温対策がなされた寒地向け車両、当初は美濃太田区に配置、後に107~112が伊勢車両区に転属、美濃太田の車両は高山本線(主に岐阜~白川口間)と岡多線で運用されました。2015年3月14日のダイヤ改正で美濃太田の車両は運用を離脱、同年10月30日までには全廃されました。
200番台 1993年 東海交通事業が城北線全線開業時に4両(201~204)新製
203,.204は2015年3月14日のダイヤ改正で運用を離脱、ひたちなか海浜鉄道に譲渡されました。201,202も300番台の導入にあたり、ひたちなか海浜鉄道に譲渡とされています。
300番台 1999年 暖地向け改良車 新潟鐵工所製6両 301~306 車幅が2.7mから2.8mに拡大されました。車椅子対応トイレの設置、側窓の固定化、貫通路上部に前照灯の増設などの変化があります。同年製造のキハ75との部品の共通化を図るため、仕様が変更され、エンジンはC-DMF14HZB (350ps/2,000rpm、N14Rと同型) 、台車はキハ75形からヨーダンパを省略したボルスタレス式のC-DT64/C-TR252を採用しました。運転台のマスコンハンドルは手前に引く横軸式になりました。バックミラーの取り付け方式も変わりました。
301,302は現在、JR東海を除籍になり、東海交通事業へ、、303~306は名松線で単行運用に就いています。
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コメント
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B767-281様お早うございます。キハ11と言えば、その昔の10系気動車が浮かびます。こちらはさしづめ2代目でしょうか。またまたエンジンはカミンズ社製ですか。なかなか高性能なのですね。朝一番で後楽園を散策、午前中いっぱい研修して東京に戻ります。
投稿: 細井忠邦 | 2017年8月20日 (日) 09時31分
細井忠邦さま、おはようございます。
わたしもこのJR東海のキハ11形を最初に見たとき、そういえば国鉄キハ17系のなかにそういった形式があったはずだと思いました。
JR各社の形式名、それぞれが考慮しているようで重複ナンバーがあったりしますね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2017年8月21日 (月) 06時12分