近鉄一般型車両 1010系
近鉄名古屋線で活躍する他線からのコンバート車両、2系列目は1010系です。1010という系列番号は2610系のように、1000系の小改良という意味ではなく、その時代に沿った改良をしたら、1000系に近い車両になったということからのようです。
2017/8/4 近鉄冨田 1011F
1972年に輸送力増強を目的に920系として、一部の走行機器を600系などから流用し、製造された吊り掛け駆動方式の旧性能車で
モ920(奇数) + モ920(偶数) + ク970形
の3両編成、5編成が製造されました。当初は冷房装置も省略されていました。
1982年から冷房装置搭載、駆動方式のWNドライブ化、制御方式の抵抗制御から界磁位相制御への変更などの改造工事が施行されました。主電動機は廃車となったビスタII世10100系の三菱電機製MB-3020Eに交換されました(出力は125kWから132kWに増強)。回生ブレーキの使用も可能となり、前面方向幕が設置されました。CPはHS-10をMc車に、MGは日立製HG-634をTc車に搭載しました。
京都線・橿原線での3連の運用が減少したため、1987年から1989年にかけて方向転換、連結器高さの変更等を行い、名古屋線に転属しました。この際、改番され
モ1010-モ1060-ク1110 となり、
系列名も1000系に近い性能から1010系となりました。
最高運転速度 名古屋線:110km/h
湯の山線・鈴鹿線:80km/h
京都線時代:105 km/h
自重 Mc車・M車:41.0 t
Tc車:35.0 t
全長 62,160 mm
車体長 20,720mm
車体幅 2,800mm
全高 4,150mm
車体高 4,017mm
台車 Mc・M車:KD-74
Tc車:KD-32E/KD-42A/ND-8A→KD-51H/KD-64A
主電動機 三菱電機MB-3020E
主電動機出力 132kW
駆動方式 WNドライブ
製造当初は(吊り掛け駆動方式)
歯車比 5.47 (82:15)
編成出力 1,056kW
制御装置 界磁位相制御
製造当初は(抵抗制御)
型式:日立製作所製MMC-HTR-20E
製造当初は(三菱電機製ABF)
制動装置 回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキ
型式:HSC-R
保安装置 近鉄型ATS、列車選別装置、列車無線装置
1992年から1993年にかけて1回目のリニューアルが行われ、クハ1110形の台車が廃車発生品のKD-51Hに変更されました。2006年から2007年にかけて、1012F, 1013F, 1015Fに2回目のリニューアルが行われ、外装の交換、ワンマン対応工事、ク1110形台車の空気バネ化(KD-64A)などが行われました。
2008年8月12日と2011年1月2日に鈴鹿線内で1012Fによる断流器周辺の絶縁不良による火災事故が起きたため、編成替え(1012Fの先頭車と1014Fの中間車から新たに1016Fを組成)、一部廃車の措置がとられました。その結果、1011F, 1013F, 1015F, 1016Fの4本が現在、明星検車区配置で活躍中です。
最後まで読んで戴きありがとうございます。
上のリンクをクリックされると面白い鉄道記事満載のブログ村。もしくは鉄道コムに飛ぶことができます。
« 近鉄一般型車両 1000 (初代)1200系 | トップページ | 近鉄一般型車両 2800系 »
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 2023年 北九州旅行 その3 現在の関門のヌシ EH500 門司機関区新製配置組 part2 46号機(2023.06.08)
- 2023年 北九州旅行 その2 現在の関門のヌシ EH500 門司機関区新製配置組 part1 45号機(2023.06.07)
- 2023年 北九州旅行 その1 関門鉄道トンネル(山陽本線)(2023.06.06)
- 北九州旅行 2023/5/30~6/3 全体を振り返って(概論編)(2023.06.05)
- 2022年夏 名古屋遠征 名鉄ほぼ全線乗りつくしの旅 81 車両編 3300系・3150系の後継として2020年登場の9100系(2023.03.30)
「民鉄:近畿日本鉄道」カテゴリの記事
- 2022年夏 名古屋遠征 再び、近鉄名古屋駅に戻って撮影(2022.11.09)
- 2022年夏 名古屋遠征 近鉄一般車も米野駅にて撮影(2022.11.08)
- 2022年夏 名古屋遠征 近鉄特急を米野駅にて撮影(2022.11.07)
- 2022年夏 名古屋遠征 近鉄80000系特急「ひのとり」を米野駅にて撮影(2022.11.04)
- 2022年夏 名古屋遠征 近鉄80000系特急「ひのとり」を近鉄名古屋駅にて撮影(2022.11.03)
コメント