小湊鉄道キハ5800形公開イベント その2 小湊鉄道とキハ5800形の歴史
8月27日日曜日の小湊鉄道の「キハ5800形公開イベント」
まずは小湊鉄道の歴史について見てゆきます。
鉄道免許状が下付されたのは1913年11月26日のことで、五井から安房小湊を目指しての鉄道建設でした。工事は帝国陸軍鉄道連隊の敷設訓練の性格もあったそうです。
1917年には会社が設立され、1924年には安田善次郎率いる安田財閥の資金でボールドウィン製蒸機2両を購入、1925年3月7日、五井~里見間が開業に漕ぎつけます。1928年5月16日、路線は上総中野(39.1km)まで開通しました。それより先は資金難と難工事が予想され、1934年には国鉄木原線が上総中野まで延伸されたこともあり、延伸は断念されました。
1942年12月、当局の勧奨により、京成電気軌道系列の企業となりますが、1970年代の京成の経営危機の際に事実上独立しています。開業時より活躍してきた蒸機は1962年3月21日に全廃となり、ディーゼルカーに統一されます。
今回、公開されたキハ5800形は元々鉄道院が1913年、山手線・中央線用として計画した系列でデハ6300 (6300-6365)、デハニ6465 (6465-6468)、クハ6400 (6400-6401)が製造されました。その中の1両、1914年製造のデハニ6465は1927年にデハ33400形から電装品を譲り受け、全室荷物車のデニ6450形6458に改番されました。さらに1928年10月の車両形式番号規定改正ではモニ3形3009となりました。
1930年代半ばまで横須賀線で荷物車として使用されていましたが、1936年、飯田線の前身である三信鉄道にデ101として譲渡されました。1941年にはデ301に改番、1943年飯田線の国有化で鉄道省デ301となり、1951年にはクデハ301に改番、1953年電装解除、片運転台化や車両形式称号規定改正でクハ5800に改番されました。
1959年第三の職場として小湊鉄道に譲渡され日本車輛にて内燃動車に改造され、DMH17C形エンジン (180ps/1500rpm) を搭載、小湊鉄道では最初の液体式変速機も搭載されました。
1960年3月18日に譲渡設計変更許可を受け、同年4月から運用が開始され、1977年には多くの旧型DCが現在も活躍中のキハ200形に置き換えられ、飯田線から譲渡されたキハ5801形もも廃車される中、キハ5800は予備車として残され、1997年3月に除籍されるまで活躍しました。その後も、五井機関区の研修庫に保管され、今回の公開に至りました。
こうやって振り返るとキハ5800形は製造されて103年、小湊鉄道の歴史よりも長い歴史を持つ車両であることが分かります。
イベントではキハ200の牽引などにより、庫内にあるときは車内見学、庫外に引き出されて外観の見学が出来ました。それらの様子を以降の記事で触れます。
最後まで読んで戴きありがとうございます。
上のリンクをクリックされると面白い鉄道記事満載のブログ村。もしくは鉄道コムに飛ぶことができます。
« 小湊鉄道キハ5800形公開イベント その1 五井まで | トップページ | 小湊鉄道キハ5800形公開イベント その3 キハ5800形の外観 »
「私鉄」カテゴリの記事
- 速報版 2024年晩夏 京都の旅 2日目 午前中は嵐電、午後は叡電を満喫(2024.09.04)
- 速報版 2024猛暑の夏 新潟の旅 4日目 (2024.08.22)
- 2023年晩夏の関西旅行 嵐山電鉄編 その3 嵐電の車両 part5 モボ2001形(2024.08.14)
- 2023年晩夏の関西旅行 嵐山電鉄編 その3 嵐電の車両 part4 モボ631形(2024.08.13)
- 2023年晩夏の関西旅行 嵐山電鉄編 その3 嵐電の車両 part3 モボ611形(2024.08.12)
「催事」カテゴリの記事
- 通勤電車シリーズ 205系 20 E231系500番台(ヤテ514~516)の山手線への投入による動き(2022.02.21)
- 秩父鉄道の駅 その5 ひろせ野鳥の森駅と広瀬川原駅(貨物駅)(2021.08.31)
- 2021年春、外房線~内房線を巡る旅 その6 蘇我駅で撮影した蒸気機関車牽引列車(2021.06.21)
- 2018年晩夏 長野県内の保存蒸機を見て歩く旅 4 諏訪市湖畔公園に保存されているD51 824号機(2020.09.18)
- 小湊鉄道 五井機関区の保存機 その3 小湊鉄道B10形4号(2020.08.26)
「気動車」カテゴリの記事
- 速報版 2024猛暑の夏 新潟の旅 4日目 (2024.08.22)
- 速報版 3月15日から名古屋を訪問中 帰路は中央線経由で、途中 明知鉄道を訪問(2024.03.21)
- 速報版 3月15日から名古屋を訪問中 17日は岐阜、大垣へ、樽見鉄道に乗車、東大垣、本巣、そして谷汲口から旧谷汲駅へ、そして樽見まで(2024.03.20)
- 2023年夏と2024年冬の名古屋旅行 その3 名古屋車両区のキヤ97系(2024.01.24)
- 天竜浜名湖鉄道、日帰りの旅 その14 車両編 part3 2001年に登場したTH2000形、その改良形のTH2100形と観光用バージョンTH9200形 (続編)(2024.01.11)
コメント
« 小湊鉄道キハ5800形公開イベント その1 五井まで | トップページ | 小湊鉄道キハ5800形公開イベント その3 キハ5800形の外観 »
B767-281様お早うございます。凄い車両ですね。気動車から電車の制御車や付随車は沢山聞いたことがありますが、電動車から気動車は珍しいのではないでしょうか?もしかして元は木造車で鋼体化されたのでしょうか。カンパか何かで綺麗にしていただけたらな、と思います。
投稿: 細井忠邦 | 2017年9月 1日 (金) 06時14分
細井忠邦さま、おはようございます。
私もイベントの際にはきちんと聞かなかったのですが、鋼製国電と言えば30系からで、この車両はそれよりかなり前の製造なので木製での製造で間違いないと思います。
外観や内装はそれを感じさせない状態でした。仰るように外観の塗装をやり返せばもっと魅力的になると思います。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2017年9月 2日 (土) 05時39分