三岐鉄道北勢線 三重交通サ2000形→140形
先週、18日に旅先の福井で家内と旅行中だった義母が死去するという突発的な事件があり、わたくしも急遽、福井に向かい、簡単な葬儀を行い、小平に戻ったため、Blogに空きが出来てしまいました。福井へはHDDを持たずに向かったため、それ以降のアップが出来ませんでした。一方で、久しぶりの福井訪問で福井鉄道やえちぜん鉄道の写真を写す機会もあり、それらは後日、アップします。
三岐鉄道北勢線の車両の話題を再開します。今回は三重交通がサ2000形として世に出した電車です。
現在、近鉄の路線になっている湯の山線(営業キロ数15.4km)は四日市鉄道が1913年に軌間762mmのナローゲージの軽便鉄道として開業した路線でした。免許が交付されたのは1910年、1913年6月1日に川島村(現在の伊勢川島)~湯の山(現在の湯の山温泉)間が開業、同年9月24日には諏訪~川島村間が開業、さらに1916年3月5日には四日市~諏訪間が開業しました。1919年に四日市駅は四日市市駅に改称されました。1921年11月1日、四日市市~湯の山間が電化されました。
1927年11月29日、四日市市~諏訪間が廃止され、伊勢電気鉄道に跡地が譲渡されました。1931年3月18日、四日市鉄道が三重鉄道に吸収合併され、三重鉄道となりました。1944年2月11日、三重鉄道ほか6社が合併して、三重交通が発足、内部・八王子線と合わせて三重線となりました。
1956年9月23日、名古屋線四日市付近の経路変更(後日、近鉄四日市駅の記事で触れる予定です)で諏訪~中川原間が廃止、、近畿日本四日市~中川原間の新線が開業しました。1959年、架線電圧をDC600Vから750Vへ昇圧。
1964年2月1日、三重交通が鉄道事業を三重電気鉄道に分離譲渡。3月1日、軌間を762mmから1435mmに改軌、架線電圧をDC1500Vに昇圧し、内部、八王子線との直通運転を廃止しました。1965年4月1日、近畿日本鉄道が三重電気鉄道を合併しました。
三重交通の時代の1959年に湯の山温泉の観光開発を目的として導入したのがモ4400形と呼ばれた新型電車で、当時最新の垂直カルダン駆動機構を装備していました。しかし、特異な駆動機構のため保守には難渋し、1編成で製造が終了してしまいました。
当時の三重線系統には木造客車も多数残存しており、それらの代替は急務でした。そこでモ4400形の設計を流用した付随車を量産し、これらを置き換えることにしました。こうして1960年から1962年にかけて名古屋の日本車輛製造本店でサ2000形2001-2007の7両が製造され、1964年に上記のように湯の山線が改軌されると内部・八王子線には輸送力過剰であったので、全車北勢線に転籍し、近鉄合併後はサ130形に続いて、サ140形141-147に改番されました。
1977年からの北勢線近代化後は総括制御運転と編成の固定化が実施され、141-145は270形と同型の運転台が新設され、制御車ク140形41-145となりました。奇数番号141、143、145は西桑名側に運転台が新設されHG-583Mrb電動発電機とDH-25空気圧縮機が追加搭載されてモ270形と固定編成を組んだのに対し、偶数番号の142・144は阿下喜側に運転台が新設され、従来同様に1両単位での増結用車両として用いられました。
全車についてブレーキ弁のSTEからACA-R・ATA-R自動空気ブレーキへの改造が施工されました。1991年よりA動作弁の補修部品が入手難となったことから、保安性向上も兼ねてHSC電磁直通ブレーキへ空気ブレーキを再改造、この際台車もブレーキ系が改造され、NT-7Kとなりました。
2017/8/6 阿下喜 サ142 右隣の130形と比べて妻面が丸くないことが特徴
ク142・144は三岐鉄道移管後の2003年には運転台を撤去して再度付随車に改造されてサ140-1形142・144となり、3両編成の中間に追加挿入されて4両編成の中間車となっています。
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