三岐鉄道北勢線 北勢鉄道モハニ50形→モニ220形保存車モニ226
三岐鉄道北勢線の車両の話題、最後は阿下喜駅横の軽便鉄道博物館に復元展示されているモニ220形モニ226の話題です。
阿下喜駅の横に建つ軽便鉄道博物館 北勢線に乗った日はちょうど開館日でした。
1931年7月8日、北勢線の路線の六石~阿下喜間が延伸され、全線電化開業しました。これに合わせてモハニ50形モハニ50~55の6両と電気機関車20形20・21が名古屋の日本車輛製造本店で製造されました。
1944年2月11日の三重交通への統合では、松坂電気鉄道からのモニ201形(旧デ31形)、四日市鉄道からのモニ211形(旧デハニ51形)に続くモニ221形モニ221-226が附番され、改番されました。
1949年3月に同型のモニ227-229の3両が追加製造され、227が北勢線、228・229が三重線に配置されました。
車体は11m級の半鋼製、内装は木製、座席はロングシートです。
三菱電機KR-8直接制御器に同じく三菱電機MB-216ARという当時の軽便電車用モーターとしては比較的大出力の主電動機を2基ずつ組み合わせて永久直列とし、これら2組を抵抗の挿抜を組み合わせた上で直並列制御する、路面電車並みの直接制御車です。電車と言えども総括制御ではなく、機関車のように付随客車を牽引し、両端駅で入換えを行う方式の運用形態が採られました。モーター出力の関係から付随車4両まで牽引することが可能でした。
台車は日本車輌製造NKC-1が採用され、リンク支持の板バネによる枕バネを備える軸バネ式台車でした。
ブレーキはシンプルな非常弁付き直通空気ブレーキ(SMEブレーキ)が採用されました。
電化後の北勢鉄道の主力として活躍し、1934年以降の北勢電気鉄道、1944年以降の三重交通北勢線、1964年以降の三重電鉄北勢線、1965年以降の近畿日本鉄道北勢線時代も他線に移ることなく使用されました。近鉄時代に形式称号がモニ220形になりました。
昨日の記事にあるようにモ4400形(現200系)が1971年に非電装化された際には牽引車として活躍しました。
1977年、270系が投入され北勢線の電動車に余剰が出るとモニ225-227の3両は内部・八王子線に転属となり、モニ221-224は221/223の電装を解除、荷物室を廃止し、西桑名より妻面に貫通路を設けて阿下喜向き片運転台式制御車ク220形ク221、223へ改造され、モニ222,224は荷物室を廃止、方向転換の上、阿下喜寄り妻面に貫通路を設置し、西桑名向きの片運転台式制御電動車とし、両形式を背中合わせに連結し、ク221+モ222、ク223+モ224の2両固定編成2本となりました。
この際にモ222,224は制御装置を総括制御方式のHL-8Sに交換、ブレーキは中継弁付きのAMA-RおよびACA-Rブレーキとし、ドアエンジン設置、サービス電源としてMGを搭載、台車はク220形はNKC-1Aとし、CPをク220形に搭載し、重量増加を抑止しました。
前照灯も従来のケーシング内で横並びとする方式でシールドビーム2灯化されました。しかし、内装の更新はなされなかったため、老朽化が目立ち、1992年8月に運用を終え、9月に廃車解体されました。
一方、内部・八王子線に転属したモニ225-227の3両は1982年の近代化で260系が入線するとモニ225,226は1983年に廃車、227-229はサ120形サ121-123への改造が進められました。
このときに廃車されたモニ226は2008年まで四日市スポーツランドに保存されておりましたが、後に三岐鉄道阿下喜駅に移送され、復元作業ののち、2011年11月より、一般公開されるようになりました。
2012年10月25日に最初の記事をupしてから、早いもので5年の歳月が流れました。これからも話題の続く限り、このBlogを続けて行くつもりです。
最後まで読んで戴きありがとうございます。
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