貨物鉄道博物館の保存車 6 大物車シキ
今回は特大貨物である変圧器輸送のための大物車、国鉄シキ160形貨車の紹介です。
日本車輛製造にて1955年3月16日に製造された130t積みの大物車です。
富士電機から日本パワーシステムズに所有者が移管され1998年まで活躍しました。変圧器は上の写真の上部フレームがふたつに分離する部分に吊掛ける方法(シュナーベル方式)で搭載され、空車時の全長は23,756mmですが、積載する変圧器のサイズで全長も変化します。現存する吊かけ式大物車としては国内最古の貨車だそうです。
車体は重量に耐えるため高張力鋼が用いられており、荷受け梁はトラス構造で重力を分散して受け止めるようになっています。
走り装置は一段リンク方式の軸箱支持装置を3つ連ねたNC-2ボギー台車で両側に2個ずつ、計12軸から構成されています。
1961年に性能向上のための改造工事が日本車輛製造東京支店で行われ、台車の車輪径も製造時の860mmから800mmになりました。
製造当初は安善駅常備で、富士電機製造川崎工場製の変圧器輸送に活躍していましたが、1962年に千葉工場が開設されると1963年から京葉臨海鉄道の開業を受けて京葉市原駅常備となりました。
1968年10月1日のヨンサントウのダイヤ改正で高速化不適格車とされ、最高速度65km/hの指定車となり、識別のため「ロ」がシキの前に追加され、黄色1号の帯が巻かれました。
1998年の全検切れ以降、工場内で保管されていましたが、2007年に当館に寄贈されました。2010年に貨車の発達を示す重要車輛と認定され重要科学技術史資料第00048号に認定されました。
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