三岐鉄道 保存車両 ED22 2号機
三岐線の終点、西藤原駅に到着すると反対側のホームに数両の保存車両が出迎えてくれます。その中の一両がED22 2号機です。
この電機は信濃鉄道(現在の大糸線松本~信濃大町間)が1926年から1927年にかけて新製した電機でした。信濃鉄道では1形電気機関車と呼ばれボールドウィン・ロコモティブ・ワークス(機械関係)ウェスティングハウス・エレクトリック社(電気関係)を担当し、3両が新製されそれを輸入しました。1・2号機が1926年製、3号機が1927年製です。
まず信濃鉄道について、長野県松本地方の鉄道では1902年に篠ノ井線が開通、1906年には中央線も開通し、残された問題は北越糸魚川との鉄道連絡でした。当時政府は幹線鉄道は国有化、私設鉄道は1910年に軽便鉄道法、1911年に軽便鉄道補助法を公布し、その建設を奨励しました。
1910年12月11日に信濃鉄道免許申請書が提出され、1911年4月5日に軽便鉄道免許状(松本~大町間)が下付されました。1912年3月31日、信濃鉄道創立総会が開催され、会社が設立、1915年1月4日、松本(現、北松本)~豊科間が開業、同年内に順次延伸し、11月2日に南松本(現、松本)~信濃大町(現、仏崎)間が開業、1916年7月5日、高瀬川の鉄橋完成で現、信濃大町までが完成、9月18日旅客営業を開始しました。1925年12月には電化工事も完成し、1926年1月8日から電動客車による運転が開始されました。1937年6月1日、国有化され、鉄道省大糸南線となりました。1形電機もこの時点でED22形になりました。
国有化後も引き続き3両とも北松本機関区に配置され大糸南線で使用されましたが、1943年には豊橋機関区に転属となり、飯田線に活躍の場を移しました。
1号機は1948年廃車となり、西武鉄道に譲渡され、1形(初代)1となり、1950年には近江鉄道に譲渡され、再びED22 1と命名されました。1960年に一畑電気鉄道に譲渡、1974年同社の貨物営業廃止により、弘南鉄道に譲渡され、大鰐線で除雪用機関車として使用されています。
2・3号機は、1956年に廃車となり、2号機は三岐鉄道貸し出しを経て、譲渡され電車救援用や富田駅の入れ換え用に使用され、1984年に廃車、三重県いなべ市大安町の中央児童センターで保存の後、2016年6月より、西藤原駅構内に保存となりました。
3号機は岳南鉄道に一時貸し出された後、西武鉄道に譲渡されA1形A1となりましたが、1960年8月に松本電気鉄道(現、アルピコ交通)に譲渡されED30形ED301と改番されました。電圧も1500V→600V(岳南)→1500V→750Vと増降圧を繰り返しました。構内入れ換え、工事、除雪用として使用され、1986年の上高地線の架線電圧1500V化では四度目の電圧変更工事も経験しました。2005年に除籍、静態保存に移行しました。
3台とも車齢90年を越えますが、1号機は現役、2,3号機も解体されること無く保存されています。
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