小菅の複々線を走る様々な列車達 東武の車両編 14 10080系
これまで数回に渡り、東武10000系のモデルチェンジ車である10030系を編成タイプごとに見て参りました。10030系の歴史のなかで、忘れてはいけないのが1編成のみで、80番という番号、4R車として登場した10080系です。
この編成は東武電車へのVVVF制御方式導入のための試作車として、10030系と同時に1988年4月に製造されました。
日立製作所製造のGTOサイリスタ素子によるVVVFインバータ(1C4M方式2基 VF-HR228)でクハ11480、モハ12480は東急車輛製、モハ13480、クハ14480は日本車両、東急車輛製です。
車体は10030系の前期車と同一、主電動機はTM-88(170kW)、駆動装置は中実軸平行カルダン方式、歯数比は87:14=5.21、ブレーキ装置は回生ブレーキ併用全電気指令式電磁直通空気ブレーキHRDA、T車遅れ込め・応荷重・保安・抑圧・抑速ブレーキ付きです。CPはHS-20C、SIVはINV033-A0をモハ13480に搭載、パンタはPT-4815-A-M1をモハ12480に2基搭載していました。これらは10030系との併結を考慮して、極力同じものが搭載されていました。
1996年には編成両端の連結器を電連付き廻り子式CSD-90へ交換しました。2005年後半頃から、インバータ装置のトラブルにより、長期休車となっていましたが、50000系列で採用されたIGBT素子による1C8M方式のVFI-HR2820F制御装置と主電動機は165kWタイプのTM-03に換装し、歯数比は87:16=5.44とすることで2007年9月12日から営業運用への復帰が実現しました。2015年7月には10000系列4R車として初のリニューアル工事が施行されました。
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