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2017年12月28日 (木)

黒磯~白河へ 東北本線の輸送体系の変化 その5

昨日の新白河駅に続いて今回は白河駅です。

171216_2 2017/12/16 白河駅駅舎

明治20年(1887年)8月19日、日本で101年ぶりに皆既日食が起こるため、米国アマースト大学のデビッド・ペック・トッド博士を中心とする観測隊が来日し、白河の地で観測を行うことになりました。時の明治政府も国家事業として取り組み、観測隊の支援や観測機材、さらには一般の観望客の輸送のため、当時上野から黒磯までだった日本鉄道の路線を突貫工事で白河まで開通させたそうです。
ということで白河駅は1887年7月16日に開業しました。

日食の当日は臨時の汽車も通常の3倍運行され、往復の汽車賃は半額となり、白河は千人を超える見物客を迎え、おおいに盛り上がったそうです。しかし、観測所(当時は司天台と仮称)の観測隊にとっては曇天、雨天で皆既日食は写真でも肉眼でも観測できなかったそうです(122年前の白河日食のサイトより)。

1916年10月8日には白河駅を起点として白棚鉄道が磐城棚倉(現、水郡線の駅)まで開業しました。1920年10月10日、白坂~白河間が経路変更で移転となりました。1938年10月1日、白棚鉄道は国に借り上げられ、1941年5月1日、国有化されました。1944年12月11日、白棚線は不要不急路線に指定、営業が休止されました。

1959年7月1日、黒磯~白河間が交流電化されました。このときに交流電気機関車ED71形が登場しました。

白河の地は白河の関が設けられたように奥州地方への出入り口として要衝であり、江戸時代白河藩は奥州外様大名の抑えの役割を担っていました。

171216_2_2
駅からは阿武隈川と谷津田川の間に位置する小峰城が見えます。この城は鎌倉時代後期から南北朝時代の武将結城親朝により、1340年に築城され、白河結城氏から会津領での蒲生氏、上杉氏、蒲生氏、江戸時代には丹羽氏、榊原氏、本多氏、奥平松平氏、越前松平氏、久松松平氏、、阿部氏の時代を経て慶応4年、戊辰戦争白河口の戦いで焼失、落城しました。7家21代の城主交代があった城としてユニークな城だそうです。1873年の廃城令では存城となりましたが、城郭は曲輪・土塁・石垣・水堀を残すのみとなり、1991年に本丸跡に三重櫓(天守に相当)、1994年に前御門が当時の史料に基づいて復元されました。2006年4月6日、日本100名城(13番)に選定されました。

171216 今の季節、駅前からは雪を頂いた那須連山を見ることができます。

ちなみに1887年の皆既日食の際にアメリカ・アマースト大学の天文学者D・P・トッド博士らの一行は小峰城の西側城壁最上段に主力観測設備の40フィート水平カメラを据えたそうです。白河での観測は生憎の悪天候で失敗に終わりましたが、同じころ、内務省地理局測量課長兼中央気象台長・荒井郁之助の一行は新潟県で観測を行い、こちらは日本でただ一か所、専門家の観測地として観測に成功したそうです(こちらのサイトの情報より)。

E5313000_k551_171216_9 白河駅の電留線で夕刻まで休むE531系3000番台K551編成

白河駅横の線路はE531系の留置のみならず、

Eh50055_171216_2
東北本線下り貨物列車の退避にも使われています。

171216_3
通路にはこういった広告もありました。

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駅舎内部は広々としており、

171216_5

列車の運行情報などがリアルタイムで表示される装置もありました。

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