2018年3月の関西旅行 南海電鉄編 その1 概要
2018年3月23日、金曜日から25日、日曜日にかけて、関西地方を旅行し、初日は南海電車(本線)、水間鉄道に乗車しました。そこで撮影した車両、駅、乗車した線区などを歴史的背景とともにレポートしようと思います。 写真はなんば駅、新今宮駅,天下茶屋駅などで撮影しているので、本線、高野線両方の車両を撮影しています。
まずは南海本線です。大阪と和歌山を結び、さらに和歌山港からのフェリーとも接続し、1994年の関西国際空港開港からは同空港アクセス路線の役割も担っている路線です。競合路線はJR阪和線ですが、府県境のルートは阪和線が雄ノ山峠を越える険しいルートであるのに較べ、こちらは比較的緩やかな孝子峠越えとなっています。
距離(営業キロ) 難波~和歌山市 64.2km
軌間 1067mm
駅数 43駅 起終点駅を含み 今宮戎、萩ノ茶屋(両駅は高野線の駅)を除く
複線区間 複々線 難波~住ノ江 複線 住ノ江~和歌山市
電化区間 全線DC1500V
閉塞方式 自動閉塞式
最高速度 110km/h
上の緑の線が高野線、途中から分岐しているオレンジの線が泉北高速鉄道、下の紫の線が南海本線
歴史
1885年12月29日 阪堺鉄道が難波~大和川間(大和川の北岸)を開業、日本鉄道、東京馬車鉄道に次ぐ、日本で3番目の民営鉄道で日本鉄道が政府の介入が強い半官半民会社、東京馬車鉄道が市街交通であることを考慮すると、日本最初の純民間資本による私鉄と言えます。
軌間838mm(2ft 9in)は世界でも例が無く、日本では工部省釜石鉄道と阪堺鉄道のみでした。この軌間が選ばれたのは1883年に廃止された釜石鉱山鉄道の資材を利用したからでしょう。
1888年5月、大和川架橋工事などが完成し、堺の吾妻橋まで延伸され、大和川仮駅は廃止されました。
阪堺鉄道の営業成績が好調であったので堺から和歌山への路線の延長が目論まれ、紀泉鉄道、南陽鉄道を経て南海鉄道として1895年8月25日に会社が設立されました。
南海鉄道は最初から軌間1067mmで建設されましたが、阪堺鉄道も阪和間直通と将来の合併のため、軌間を838mmから1067mmに改軌することになり、1897年12月15日に改軌工事が完成しました。1898年10月1日、阪堺鉄道が南海鉄道に事業譲渡しました。1903年3月21日、難波~和歌山市間が全通。8年後の1911年11月21日、全線電化が完成。1922年12月22日、全線複線化が完成。
ホームは頭端式で1番から4番線が高野線・泉北高速鉄道などの発着、5番から9番線が南海本線・空港線の発着ホーム
合併等による事業の拡大
1909年、現在の阪堺電気軌道上町線に当たる浪速電車軌道(天王寺~下住吉)を合併
1915年、恵美須町~浜寺終点間の阪堺電気軌道を合併
1922年、大阪方面から高野山までの路線延伸を企てていた大阪高野鉄道・高野大師鉄道を合併、1925年7月、汐見橋~高野下間が全通しました。
1925年、高野山電気鉄道設立、1929年4月、高野下~極楽橋間が開通、1930年6月には鋼索線も開通しました。1932年4月には南海鉄道との間で相互乗り入れが開始され、難波~高野山間の直通運転が開始されました。
1940年、1926年に設立され後の国鉄阪和線、現在のJR西日本阪和線を開業した阪和電気鉄道を合併(山手線に)
和歌山市駅 駅名標 南海本線の終点であり、ここから和歌山港線と紀ノ川分岐の加太線が発着しています。
1942年、1912年に加太軽便鉄道として開業、1930年からの加太電気鉄道を合併(加太線に)
1944年、運輸通信省が山手線を買収、国鉄阪和線に
1944年、戦時輸送体制の確立のため関西急行鉄道と南海鉄道が合併し、近畿日本鉄道に
1947年、高野山電気鉄道が南海電気鉄道に社名変更、近畿日本鉄道が旧・南海鉄道の路線を南海電気鉄道に分離譲渡
1961年、南海圏の拡充のため和歌山電気軌道を合併、貴志川線、和歌山軌道線が誕生しました。しかし、和歌山軌道線は1971年に廃止され、バス事業に一元化、貴志川線は2006年に岡山電軌軌道の子会社、和歌山電鐵に譲渡されました。
1980年12月1日、上町線、阪堺線を2代阪堺電気鉄道に分離譲渡
1984年11月18日、天王寺支線、天下茶屋~今池町間廃止、1993年4月1日、同線の今池町~天王寺間も廃止
1994年6月15日、空港線開業
2002年5月26日、和歌山港線、和歌山港~水軒間廃止
最後まで読んで戴きありがとうございます。
上のリンクをクリックされると面白い鉄道記事満載のブログ村。もしくは鉄道コムに飛ぶことができます。
« 西鉄貝塚線の車両たち 600形 | トップページ | 2018年3月の関西旅行 南海電鉄編 その2 50000系 rapi:t »
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 2023年12月26日 松本城を見学(2024.12.26)
- 2023年晩夏の関西旅行 城巡り編 その3 岸和田城(2024.12.25)
- 2023年晩夏の関西旅行 城巡り編 その2 彦根城(2024.12.24)
- 2023年晩夏の関西旅行 城巡り編 その1 長浜城(2024.12.23)
- 2023年晩夏の関西旅行 南海電鉄編 来年4月からは南海電鉄になる泉北高速鉄道の5000系(2024.12.19)
「民鉄:南海電鉄」カテゴリの記事
- 2023年晩夏の関西旅行 南海電鉄編 来年4月からは南海電鉄になる泉北高速鉄道の5000系(2024.12.19)
- 2023年晩夏の関西旅行 南海電鉄編 1962年登場の6000系のスタイルを引き継いだ6300系(2024.12.18)
- 2023年晩夏の関西旅行 南海電鉄編 1974年より製造された6200系(2024.12.12)
- 2023年晩夏の関西旅行 南海電鉄編 9000系の後継として1992年に登場した2代目1000系(2024.12.11)
- 2023年晩夏の関西旅行 南海電鉄編 2015年から運転を開始した7000系・7100系(南海本線)、6000系(高野線)置き換え用の8300系(2024.12.10)
« 西鉄貝塚線の車両たち 600形 | トップページ | 2018年3月の関西旅行 南海電鉄編 その2 50000系 rapi:t »
コメント