2018年3月の関西旅行 南海電鉄編 その10 6000系 part1
これまでの南海シリーズで現在活躍中の優等列車は全て登場しました。
続いては通称「カエル顔」シリーズと呼ばれる高野線の6000系、南海線の7000系一族です。
1962年12月25日、日本初の20m4扉オールステンレス製の車両が高野線にデビューしました。アメリカ・バッド社のライセンス供与で東急車輛製造が製作した6000系です。それまでに東急7000系や京王井の頭線3000系は既に登場していましたが、これらはいずれも18m車体で20m車体としては6000系が最初でした。
高野線沿線は宅地開発が真っ盛りで住宅地として急激に沿線人口が増加しつつあり、河内長野以北での通勤客の増加に対応しての6000系の投入となりました。
1962/1963年製(1・2次車)は難波方から
モハ6001形Mc+サハ6801形T+モハ6001形Mcの3両編成で4編成製造されました。
1964年製造分(3次車以降)からは
モハ6001Mc+モハ6001形Mc+クハ6901形Tcの構成となりました。これは後にTcを追加し、cM-Tc+cM-TCとする計画のためでした。なお、6010は4次車の増備の前に6011と改番され、4次車で新たに二代目6010が製造されました。
建造に際しては車体をひっくり返して機器の取り付けや配管・配線を行う、反転艤装、スポット溶接、コルゲート仕上げなどの技法が用いられました。
ステンレス車体の平面部はつや消し、コルゲート部は光沢としてコントラストが付けられました。
車体の寸法、窓配置は1521系、2051系を継承し、片開きドア、窓は2段上昇式、前照灯はシールドビーム2灯150Wを一体カバーに納める方式とし、屋根のベンチレータはバット社のタイプのものが採用されました。
主要諸元
設計最高速度 120km/h
台車
登場時は軸箱梁式パイオニアIII形台車(TS-702・TS-702T)
S型ミンデン式ダイレクトマウント空気ばね台車FS-392C・FS-092A
ミンデンドイツ式ベローズ式空気ばね台車FS-355
主電動機 直流直巻電動機 MB-3072-A
制御装置 超多段式バーニア抵抗制御方式 4M1C
昇圧前 VMC-LHTB-20A1 I 昇圧後 VMC-HTB-20A1
WNカルダンドライブ 歯車比85:16
制動装置 電磁直通ブレーキ
(発電ブレーキ併用、抑速ブレーキ付き)
2018/3/23 天下茶屋
ステンレス車体車だけあって登場後56年が過ぎても美しい姿を保つトップナンバー編成
登場時は架線電圧600Vでしたが、昇圧が決定した1965年以降は複電圧車として製造され、1966年以降は輸送需要の高まりを考慮して、Mc+Tc+T+Mcの4両編成で製造され、初期車も1972年に複電圧使用に改造され、1973年10月に昇圧を迎えました。1969年までに全72両が製造され、現時点でも1両も廃車が出ていません。
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コメント
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B767-281様こんにちは。南海6000系、大変長持ちですね。何かで読みましたが、50年目に詳細な検査をしたところ、車体構造に何ら問題がなかったので、V V V F化まで検討されたそうです。南海に限らず関西私鉄はしっかりメンテをして長持ちさせる考えが主流で、いいことだと思います。何処かの鉄道会社に爪の垢でも飲ませたいところです(笑い)
投稿: 細井忠邦 | 2018年7月24日 (火) 17時13分
細井忠邦さま、おはようございます。
この6000系と南海線を走っていた7000系材質がステンレスと全鋼製と違うだけで基本設計は同じだったそうですが、精密検査の結果、腐食の具合が全く違い、6000系は生きながらえて、7000系は2015年で全廃になったのですね。
VVVF化もさすがに既に更新済みだったので諦めたそうです。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2018年7月25日 (水) 05時14分