2018年3月の関西旅行 南海電鉄編 その7 30000系
弘法大師・空海が真言宗の道場を開き、信仰の中心として繁栄を続けてきた高野山に鉄道が通じたのは1929年2月21日のことでした。当時は高野下までは南海鉄道、鋼索線を含む高野下~高野山間は高野山電気鉄道と別会社でした。電圧や線路条件が違い、高野下で運転系統が分離されていました。1932年に高野下以南を600Vに降圧し、難波~極楽橋間を直通2時間で結び、乗客からは歓迎されました。
1938年には観光特急への使用も考慮した流線形展望車両1900形が製造されましたが、国家総動員法などが施行され、世は戦時ムードでした。
終戦後の1947年6月1日、戦時中に強制合併させられていた近畿日本鉄道から旧南海鉄道部門が独立し、高野山電気鉄道と一体となり、南海電気鉄道ととして独立し、1951年7月には難波~極楽橋間に夏季だけの臨時列車として「こうや号」が運転開始されました。このときの編成は15m級モハ1251形ロングシート車3両編成でした。
翌年の1952年4月1日からは特急列車となり、7月からはクハ1900を加えた3両編成となりました。1938年に製造された1900形展望車は車体中央部のドアから前方が当時の国鉄展望車を彷彿させるテーブルと回転式ソファーを配した展望室、後方が補助席つきの回転式クロスシートでした。他の2両は当初、ロングシートでしたが1953年4月からは車内はオール転換式クロスシート、塗装もグリーンとクリームの塗り分けとなり、全車座席指定車となりました。
1958年に21000系ズームカーが登場すると初代こうや号も性能的に陳腐さを隠せなくなり、1961年7月5日のダイヤ改正で20000系「新こうや号」の登場となりました。惟、この20000系は1編成しか製造されず、検修時には運休となり、不定期列車であり続けたことでした。
2018/3/23 天下茶屋
この日、遭遇したのは第2編成による「りんかん」でした。
1984年4月1日から5月20日にかけて弘法大師御入定1150年大法会が行われるのに合わせて、3代目こうや号が投入されることとなり、製造されたのが30000系2編成です。製造は東急車輌製造です。全電動車方式、普通鋼製、山岳線区対応のため車体長は17m、前面は非貫通形です。
主要諸元
最高運転速度 100 km/h
設計最高速度 115 km/h
起動加速度 2.5 km/h/s
(山岳線内 3.5 km/h/s)
減速度(常用) 3.7 km/h/s
車体 普通鋼
台車 緩衝ゴム式ダイレクトマウント空気ばね台車
住友金属工業FS-518
主電動機 直流直巻電動機
三菱電機製MB-3072-B7形
駆動方式 WNドライブ
歯車比 84:17 (4.94)
編成出力 2,320 kW
制御方式 抵抗制御
制御装置 日立製作所製MMC-HTB-20T形
制動装置 発電ブレーキ併用全電気指令式電磁直通空気ブレーキ(抑速ブレーキ付)
座席はフリーストップ式開店リクライニングシートで定員は20000系に較べて編成あたり4名増加しています。
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