西鉄貝塚線の車両たち 313形
西鉄貝塚線の電車、今回は「鉄道伝説」でも取り上げられた”モノコックボディ”の313形です。
1952年近畿車輛で大牟田より制御電動車モ313形と制御車ク363形の2両固定編成で4編成が製造されました。
車体は18mで側扉は2カ所、座席はロングシート、前面は2枚窓非貫通です。台車はウイングバネ方式の近畿車輛製KD2形、主電動機は出力110kW、駆動方式は吊り掛け式です。
鉄道伝説でも紹介されたように鉄道車両として我が国では初めてのモノコック構造を指向した車両で鉄道技術研究所が全面的にバックアップし、加重試験などで多くのデータが蓄積され、東急初代5000系、国鉄モハ90系(101系)、20系(151系)などの登場に大きく貢献しました。
主要諸元
起動加速度 2.2 km/h/s
減速度(常用) 3.0 km/h/s
編成定員 260人
車両定員 130人
車両重量 モ313 36.74t ク363 25.8t
編成重量 2両編成 62.54t
全長 18,000 mm
全幅 2,670 mm
全高 3,655 mm mm
歯車比 3.44
編成出力 440kW
制御装置 三菱電機製、順序開閉電動機操作スイッチ式自動総括(ABFM-154-15H),弱界磁70%
制動装置 自動空気(AMA,ACA)制動弁(M-24C)
1964年から室内灯の蛍光灯化、扇風機の設置、客用扉のステンレス化などの近代化改造が行われ、1965年から1968年にかけて制御回路が改造され、他の300番台車両と併結が可能となりました。天神大牟田線時代の晩年は2両固定編成であることから太宰府線専用となり、1977年に宮地岳線に転属しました。
転属に際して台車はDT12、TR23、主電動機はMT15C(104kW)に取り替えられましたが、ク366だけはモ1から流用のDT10タイプとなりました。
1980年にワンマン運転対応のための改造が行われ、1984年から車体更新が行われた際に、側面中央部に扉が増設され、前面窓と戸袋窓がHゴム支持に、他の窓もアルミサッシ化されました。
1987年から1988年にかけて集約分散式冷房装置による冷房化が行われ、屋根と床板が鋼板化され、MGがCLG-355Aに交換されました。
1991年には前照灯が大型1灯からシールドビーム2灯に、1992年には西武701系の廃車で発生した台車を譲渡され、カルダン駆動方式に改造されましたが、西武では1C8M方式のため、ク363形の連結面側の台車を動力台車として2個モーターを増設し、313Fから316Fのうち314F以外は1.5M/0.5T編成となり、314Fは終生吊り掛け駆動方式のままでした。
2007年4月の西鉄新宮~津屋崎間の廃止で314Fと316Fが廃車され、313Fもこの廃止後に休車となり、2008年1月18日に廃車となりました。最後まで残った315Fは2014年4月15日、多々良工場に入場、天神大牟田線時代後期のベージュとマルーンの塗装に復元され同年5月23日から運行開始、2015年1月24日で運行を終了し、引退セレモニーが行われました。2014年度末で廃車となり、313形は形式消滅しました。
最後まで読んで戴きありがとうございます。
上のリンクをクリックされると面白い鉄道記事満載のブログ村。もしくは鉄道コムに飛ぶことができます。
« 西鉄貝塚線の車両たち 300形 | トップページ | 西鉄貝塚線の車両たち 600形 »
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 2023年晩夏の関西旅行 大阪メトロ編 その2 中央線を走る車両 Part2 2代目 20系(2024.09.10)
- 2023年晩夏の関西旅行 大阪メトロ編 その2 中央線を走る車両 Part1 20系投入まで(2024.09.09)
- 速報版 2024年晩夏 京都の旅 3日目 嵐電から始まり、阪急PRiVACE、JR、阪急2300系で締めくくり(2024.09.05)
- 速報版 2024年晩夏 京都の旅 2日目 午前中は嵐電、午後は叡電を満喫(2024.09.04)
「民鉄:西日本鉄道」カテゴリの記事
- 2023年 北九州旅行 その66 門司から博多へ 鹿児島本線駅巡り その4 千早駅(2023.11.09)
- 西鉄貝塚線の車両たち 600形(2018.07.10)
- 西鉄貝塚線の車両たち 313形(2018.07.09)
- 西鉄貝塚線の車両たち 300形(2018.07.08)
- 西鉄貝塚線の車両たち 概要編(2018.07.06)
コメント