2018年3月の関西旅行 南海電鉄編 その15 大阪府都市開発100系
所謂、南海「カエル顔」シリーズの最後は大阪府都市開発(現在の泉北高速鉄道)がその開業に備え1970年から1973年にかけて投入した100系です。
泉北高速鉄道が開業したのは1971年4月でした。会社設立は1965年12月24日、当時は大阪府都市開発株式会社、大阪府が出資する第三セクター会社で、トラックターミナルや倉庫業を営むグループ会社と合わせてOTKグループと言われました。
大阪府は泉北ニュータウンへの連絡路線建設のために、御堂筋線、四つ橋線、千日前線などの大阪市交通局によるルート、近鉄南大阪線によるルート、国鉄阪和線によるルート、南海によるルートを検討しました。その結果、輸送能力に余裕があり、営業エリア的にも問題がない南海高野線ルートで新路線を打診することにしました。
しかし、南海は1960年代後半に立て続けに大事故を起こしており、運輸省から厳重注意されていたこと、さらに架線電圧の昇圧を間近に控えていたことや難波駅の改良、高野線河内長野以南の複線化など懸案が山積みで新路線の建設までは手が回らないことから、大阪府は既存の第三セクターを活用してて鉄道運営に当たらせるようにしたそうです。
橋下府政下の2008年4月、大阪府都市開発に対して大阪府が保有する株の売却が検討され、外資のローンスターと南海が興味を示し、沿線自治体における様々な政治的判断の結果、2014年7月1日以降、南海がその株式の99.9%以上を取得し、南海グループの一員となっています。
1974/10/6 岸ノ里
非冷房車6連でパンタが運転台上部にあった頃
南海6100系と似てはいるものの、造りが単純化されています。
南海高野線との相互直通運転のため、車両の仕様は当時、南海が高野線に導入を進めていた6100系に準じたものになりました。
4両編成5本、2両編成5本の計30両が東急車輛製造で製造されましたが、初期の16両は大阪製作所(旧、帝国車輛工業)にて製造され、これらは大阪製作所最後の鉄道車両となりました。
形式
←なんば・中百舌鳥
4連 Mc 100形+T 500形+T 500形+Mc 100形
2連 Mc 100形+Tc 580形
現在はレールが分断されていますが、高野線は本来、汐見橋(左手、直進方向)が起点でした。難波方面は右手に分岐していました。1993年からの高架化工事で高野線と汐見橋線は分断されました。
南海6100系がオールステンレスなのに対してこちらは製造コスト軽減のためセミステンレス車体となりました。冷房装置は当初、搭載されず、1983年から1986年にかけて冷房装置が設置されました。集約分散方式の三菱電機製CU-191P形を4台、車内天井にローリーファン4台が設置されました。冷房化でパンタは下枠交差方式に交換され、難波・中百舌鳥より先頭車運転台上に設置されていたパンタが連結面よりに移設されました。また冷房化で電動車に搭載されていたMGが撤去され、制御車、和泉中央側の付随車にSIVが設置されました。
経年による老朽化で1995年から2000年にかけて廃車されました。
最後まで読んで戴きありがとうございます。
上のリンクをクリックされると面白い鉄道記事満載のブログ村。もしくは鉄道コムに飛ぶことができます。
« 2018年3月の関西旅行 南海電鉄編 その14 22000系から2200系、2230系 | トップページ | 2018年3月の関西旅行 南海電鉄編 その16 6200系 part1 »
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 2022年夏 名古屋遠征 名鉄ほぼ全線乗りつくしの旅 49 車両編 1600~1700系から2230系へ(2023.01.27)
- 2022年夏 名古屋遠征 名鉄ほぼ全線乗りつくしの旅 48 車両編 2200系 一部特別車の空港特急用車(2023.01.26)
- 2022年夏 名古屋遠征 名鉄ほぼ全線乗りつくしの旅 47 車両編 2000系 空港アクセス特急「ミュースカイ」専用車(2023.01.25)
- 2022年夏 名古屋遠征 名鉄ほぼ全線乗りつくしの旅 46 車両編 1000系+1200系、1800系の車体更新(2023.01.20)
- 2022年夏 名古屋遠征 名鉄ほぼ全線乗りつくしの旅 45 車両編 1000系+1200系編成に増結車として1800系・1850系が登場(2023.01.19)
「私鉄」カテゴリの記事
- 再び 馬橋へ 流鉄の混結編成を撮影しに(2022.05.16)
- 流鉄 5000形 「あかぎ」+「なの花」混結編成(2022.05.11)
- 流鉄 5000形 ニューデザインの「流星」(2022.05.10)
- 通勤電車シリーズ 205系 51 富士急行への譲渡 part4 6702編成 (2022.04.20)
- 通勤電車シリーズ 205系 50 富士急行への譲渡 part3 6701編成 (2022.04.19)
「民鉄:南海電鉄」カテゴリの記事
- 2018年3月の関西旅行 阪堺電気軌道編 その1 概要(2018.08.26)
- 2018年3月の関西旅行 水間鉄道編 その4 保存車 クハ553(2018.08.23)
- 2018年3月の関西旅行 南海電鉄編 その29 天王寺支線(2018.08.19)
- 2018年3月の関西旅行 南海電鉄編 その28 紀勢西線乗り入れ(2018.08.18)
- 2018年3月の関西旅行 南海電鉄編 その27 和歌山港線(2018.08.17)
コメント
« 2018年3月の関西旅行 南海電鉄編 その14 22000系から2200系、2230系 | トップページ | 2018年3月の関西旅行 南海電鉄編 その16 6200系 part1 »
【B767-281さん】、こんにちわ!!(^^)泉北高速100系ですね!!この頃は泉北高速の車両の南海高野線運用があったんですね。区間急行運用もあったとは!!(^^;)
投稿: マスダっち1971 | 2019年11月18日 (月) 13時09分
マスダっち1971さま、おはようございます。
私はこのときはまさに通りすがり的に撮影しており、事情はよく分からないのですが、現在とはだいぶ違っているようなのですね?
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2019年11月19日 (火) 04時13分
【B767-281さん】、こんにちわ!!(^^)泉北高速100系についてですが、1989年9月3日のダイヤ改正以前まで泉北高速3000系(1975年登場)と共に、南海高野線の車両と共通運用で三日市町まで乗り入れをしていたそうです。
投稿: マスダっち1971 | 2019年11月25日 (月) 13時34分
マスダっち1971さま、おはようございます。
そういう時代があったのですね、勉強になりました。ありがとうございます。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2019年11月26日 (火) 05時19分