2018年3月の関西旅行 南海電鉄編 その16 6200系 part2
1980年代、省エネ電車の時流に乗って1975年に試作された8000系(初代)電機子チョッパ車の使用実績を考慮しつつ、もうひとつのチョッパ方式として複巻直流電動機を使用した界磁チョッパ方式を採用したのが8200系でした。
製造にかかるコスト、電力消費量、勾配線での電力回生効率、平坦線での高速走行特性などを電機子チョッパ方式と比較検討した結果、界磁チョッパ方式の方が優れているとの判断から、8200系は1982年、1984年、1985年に6両編成各1編成ずつ計3編成18両が東急車輛製造で製造されました。
Tc1 8701-M1 8201-M2 8201-M1 8201-M2 8201-Tc2 8701
主要諸元
設計最高速度 115km/h
起動加速度 2.5(乗車率200%まで一定)km/h/s
減速度(常用) 3.7(乗車率200%まで一定) km/h/s
減速度(非常) 4.0(乗車率200%まで一定) km/h/s
車両定員 160人(先頭車)170人(中間車)
車両重量 26t(先頭車)38t(中間車)
最大寸法
(長・幅・高) 20,825mm×2,740mm×4,000(先頭車)
20,725mm×2,740mm×4,130mm(集電装置付き中間車)
20,725mm×2,740mm×4,000mm(集電装置なし中間車)
主電動機
複巻整流子電動機 MB-3280-AC
*かご形三相誘導電動機 TDK-6314-A(6200系50番台)
主電動機出力 160kW(8200系)200kW(6200系50番台)
駆動方式 WN式平行カルダン
歯車比 85/16=5.31
制御装置 界磁チョッパ制御 FCM-218-15MRDH
*VVVFインバータ制御(IGBT素子・6200系50番台)
制動装置 回生・発電・抑速ブレーキ付電磁直通ブレーキ
保安装置 点制御速度照査式
*はVVVF改造後
M1車に制御装置(電動カム軸式抵抗制御器とGTO素子による界磁チョッパ制御器のペアで構成)、集電装置2基をM2車にMG, CPを搭載しました。この編成から前面外側に「額縁」と言われるFRP製の飾り縁が設けられ、前面窓の下辺が引き下げられ大型化しました。そのスタイルは南海線に登場した9000系にも継承されました。
1次車 1982.3 8201-8204 8701-8702
2次車 1984.3 8205-8208 8703-8704
3次車 1985.8 8209-8212 8705-8706
抵抗制御の6200系のVVVF化改造
6200系4両編成は機器集約化のため、CPや補助電源を1台しか設置しないため、トラブル発生時に車両が走行不能になる可能性が高いという問題がありました。この問題を回避するため、他系列などと併結していましたが、輸送人数減少で、非ラッシュ時に4連での単独運用が増え、日中の運用が限定され運用効率の悪さが目立ってきました。
そこで2009年9月の6511Fを嚆矢に6507F、6505F、6509Fが8000系(2代)と同じIGBT素子によるVVVFインバータ制御方式への換装を兼ねた車体更新を行いCP,SIVを2台搭載し冗長性を持った二重系となりました。車両製造後35年以上経過した車両がVVVF化されるというのはかなりレアなことでもあります。
そして、界磁チョッパ制御方式だった8200系も、界磁チョッパの更新部品の入手が困難になる中、2013年から6200系4連に続いて更新工事が始まり、IGBTインバータ制御方式(1C4M)制御方式に転換され、難波方から3両目のモハは電装解除され、サハ6850形となりました。また2両目の高野山方のパンタも撤去されました。
これらの更新改造で8200系3編成は6200系50番台に改番となり、系列消滅となりました。
これにより、6200系の総両数は76両となりました。
2015/10 8701F→6553F
2014/10 8705F→6552F
2013/11 8703F→6551F
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コメント
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B767-281様お早うございます。確かに製造後35年で更新は凄いですね。時々乗る武蔵野線の205系は V V V F改造車も引退しつつあります。インドネシアで再就職ということなのでよかったと思いますが、内装なども一新すればまだまだ使えると思います。長く使っていると言えば、関東近辺では東急8500が思い浮かびます。ただし利用者には、何時も混んでいるし、車両が古いと評判は今一つなようです。
投稿: 細井忠邦 | 2018年8月 3日 (金) 06時46分
細井忠邦さま、おはようございます。
抵抗制御方式からVVVFへというのは名鉄100系の初期車でもあるようです。
関東ではJR東日本の205系ですね。
インドネシアへの車両の譲渡、単に車両を移動するのみならず、鉄道のシステムとしての考え方、安全の概念などもアドバイスしているようですね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2018年8月 4日 (土) 06時06分
B767-281さま、初めまして。
南海6200系は当初全車VVVF更新が計画されていたようですが、省エネ化より運用可用性の向上が目的だったようで、4両編成4本と8200系からの編入6両編成3本にとどまり元8000系からの編入を含む6両編成7本は施工されていません。
現在昭和のオールステンレスカー御三家の一つである6000系がようやく新形式車と交代することが話題となっていますが、6200系の非VVVF車6両編成7本もこれに続いて(並行もあり?)置き換えられて姿を消すと思われます。
更新して長く使うことにもそろそろ限界が来ており、並行するJR阪和線や大阪メトロ御堂筋線では新車投入で魅力アップが図られており、南海高野線は見劣りするのが否めないのが事実ですから。
6200系は東急8000系シリーズ同様軽量化に成功したものの、車体強度が下がったため長期の使用に耐えないと判断したことも更新が中断(最低限やって打ち切り)したことの一因でしょう。
投稿: SR快速 | 2018年8月 5日 (日) 16時13分
SR快速さま、はじめまして。
コメントありがとうございます。
やはり、6200系の場合、VVVF化は4連に留まり、8000系やオリジナル6連はそのままなんですね。
東京でも東急8500系の後継が動き始めていますが、流石の長寿命車もそろそろと言うようですね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2018年8月 6日 (月) 05時14分