2018年3月の関西旅行 水間鉄道編 その4 保存車 クハ553
水間鉄道水間線の終点、水間観音駅横には1990年の架線昇圧まで活躍した元南海1201形のクハ551形553が静態保存されています。後述するように蛍光灯の交流化の際に電装解除された車両で、南海ではモハ1240でした。
1201形は南海鉄道時代の1934年から1943年にかけて南海線の大型急行用車のモハ2001形を補完する中型の汎用車両モハ133形として、天下茶屋工場、日本車輛製造、汽車製造会社東京支店、川崎車両、木南車両によって新製されました。さらに戦後の戦災復旧名義で富士車両や川崎重工業泉州工場で新製され、総計72両が製造されました。
製造が長きに渡っており、メーカーも多いため主電動機、制御器、台車も非常に種類が豊富です。
主電動機
・ GE-244A / ゼネラル・エレクトリック(GE) 端子電圧675V時1時間定格出力85kW 国鉄MT4
・ WH-558-J6 / ウェスティングハウス・エレクトリック(WH) 端子電圧600V時1時間定格出力74.6kW
・ MB-146-SFR / 三菱電機 端子電圧750V時1時間定格出力93.3kW
・ K7-1253-AR / 川崎車両 MB-146-SFR同等品
・ MT40 / 国鉄制式品(三菱電機製) 端子電圧750V時1時間定格出力142kW
制御器
・ PC-14-A /GE
・ RPC-54/ 東芝
・ PR-200-N5 / 日立製作所
・ ALF-PC / 三菱電機
・ PCM-150-K / 川崎車両
台車
・ K-16 / 汽車製造会社
・ D-16 / 日本車輌製造
・ KN-16 / 木南車輌
・ N-16 / 南海鉄道天下茶屋工場
・ Brill 27MCB-2 / J.G.Brill
・ FS9 (F-19) / 扶桑金属工業
・ KS-8 (K-19) / 汽車製造会社
・ FS26 (S-19) / 住友金属工業
1973年の南海の昇圧で昇圧対応工事はせず、そのまま廃車が決定し、1971年より、地方私鉄への譲渡が決まりました。南海の中でも架線電圧が600Vのままとなった貴志川線はモハ1201形が大量に使用されることとなり、水間鉄道と京福電気鉄道福井支社に合計28両が譲渡されることになりました。
1976/3 福井 三国芦原線で活躍していた頃のモハ2001形2003
水間鉄道に譲渡された車両はモハ501形、サハ581形に改番され、車体塗装はクリーム色とマルーンに変更されました。その後、搭載されていた直流蛍光灯が生産中止となり、MGを搭載する必要が生じ、一部が電装解除され、クハ551形となりました。
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