2018年3月の関西旅行 近畿日本鉄道編 その1 概要
2018年3月23日からの関西旅行、2日目の24日土曜日は大阪難波駅からの奈良線、生駒から生駒線、新王寺からの田原本線、田原本から橿原神宮前まで橿原線、ここまでは標準軌線(近鉄では広軌としています)、橿原神宮前から南大阪線で大阪阿部野橋まで狭軌の南大阪線の旅でした。
ロゴ 社章
2017年8月には近鉄四日市を拠点に名古屋線、山田線、鳥羽線を訪問し、いろいろな車両を撮影しましたが、今回はその第二弾として大阪・奈良編です。
2018/3/24 大阪阿部野橋駅に掲示されている近鉄全線路線図
近畿日本鉄道(以降は近鉄と略しますが)は現在、総路線長508.1kmの日本最長の路線網を誇り、鉄道のみならず、デパート、ホテル、旅行会社、かつてはプロ野球球団を傘下に持つ大企業ですが、どのような歴史を経て今日に至ったかを見てみましょう。
生駒駅の周辺地図
現在は生駒トンネルに並行して近鉄けいはんな線の新生駒トンネルが通っています。
1916年9月16日、大阪と奈良を結ぶ路線を敷設すべく設立されたのが奈良軌道でした。同社は同年10月には大阪電気軌道と改称し、標高642mの生駒山をトンネルで貫くルートを計画しました。
大阪~奈良間には片町線と関西本線のルートが既にありました。片町線(現在は学研都市線)は1895年8月22日に浪速鉄道により、片町~四条畷間が開業し、1897年2月9日には関西鉄道に路線が譲渡され、1898年4月12日、長尾まで、同年6月4日、新木津まで、同年11月18日、加茂~新木津間が開業しました。こちらは生駒山の北側を迂回するルートでした。
一方、現在は大和路線という愛称が与えられている関西本線JR難波~加茂間は大阪鉄道により、1889年5月14日、湊町~柏原間が開業、1890年9月11日、柏原~亀瀬仮停車場間、同年12月27日、奈良~王寺間、1891年2月8日、王寺~稲葉山仮停車場間、1892年2月2日、亀瀬仮停車場~稲葉山仮停車場間が開業して全通しました。1900年6月6日には関西鉄道に路線が譲渡されています。こちらは生駒山の南側を迂回するルートです。いずれも非電化で蒸気機関車牽引の列車でした。
大阪電気軌道としては生駒山をトンネルで貫通し、電車で結ぶことで大量の乗客が誘致できると考え、トンネル掘削工事を行い、1914年に想定された工費570万円に対して820万円、工期も2年10ヶ月を費やし、生駒トンネルが貫通しました。全長3388mで当時、中央本線笹子トンネルに次ぐ長さのトンネルとなりました。
大阪電気鉄道として初の路線、奈良線(上本町~奈良)が開業しますが生駒トンネルの建設工事費用の膨張などでこの頃の会社の経営はかなり苦しかったようです。沿線に住宅は少なく、奈良への行楽客が乗客の大多数を占めていたからと言われています。
1927年には天理・橿原神宮方面への路線網を確立し、さらに伊勢を目指して参宮急行電鉄を設立し、1931年、宇治山田まで開通、大阪から伊勢神宮の日帰り参拝を可能にしました。さらに伊勢電気鉄道を合併、関西急行電鉄を設立し、1938年には名古屋へのルートも確立しました。
戦時中の陸上交通事業調整法により、周辺の鉄道会社を合併、大阪電気鉄道、参宮急行電鉄、関西急行電鉄が統合され、関西急行鉄道に再編されました。1943年には南大阪線を経営していた大阪鉄道とも合併し、現在の路線網の原型がつくられました。
1944年、国策により南海鉄道とも合併し、、資本金2億3147万円、総延長630kmの日本最大の民営鉄道会社、近畿日本鉄道が発足しますが、戦後の労働運動の盛り上がりもあり、1947年には旧南海の難波・天王寺局は高野山電軌鉄道から改称した南海電気鉄道に譲渡され、関西急行鉄道時代の路線にもどりました。
同年10月、上本町~近鉄名古屋間に有料特急の運転を開始、1970年の大阪万博では来場者を伊勢志摩に誘致するため、志摩線を改良し、鳥羽線を建設し、直通化、さらに1947年の南海分離以来となる難波乗り入れも同年3月の難波線開業で実現しました。
2009年3月20日、阪神なんば線との相互直通運転により、奈良方面から西宮・神戸方面への乗り入れが開始されました。
最後まで読んで戴きありがとうございます。
上のリンクをクリックされると面白い鉄道記事満載のブログ村。もしくは鉄道コムに飛ぶことができます。
« 2018年3月の関西旅行 阪堺電気軌道編 その8 保存車モ121形(モ130) | トップページ | 2018年3月の関西旅行 近畿日本鉄道編 その2 各線と駅 大阪難波駅・今里駅・布施駅 »
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 青梅線開通130周年、青梅駅駅舎築100年(2024.11.28)
- 秩父鉄道の電車・貨物列車を久しぶりに撮影(2024.11.26)
- 西武4000系 4017F 西武秩父線開業55周年記念ラッピングを撮影(2024.11.25)
- 2023年晩夏の関西旅行 近江鉄道 100形 がん検診啓発「しがのハグ&クミ」ラッピング編成 104F(2024.11.20)
- 2023年晩夏の関西旅行 南海電鉄編 50000系 ラピート(rapi:t)(2024.11.21)
「民鉄:近畿日本鉄道」カテゴリの記事
- 2023年晩夏の関西旅行 大阪メトロ編 その2 中央線を走る車両 Part7 近鉄7020系(2024.09.18)
- 2023年晩夏の関西旅行 大阪メトロ編 その2 中央線を走る車両 Part6 近鉄7000系(2024.09.17)
- 2023年夏と2024年冬の名古屋旅行 その62 名古屋線で遭遇した近鉄特急車両 part6 似ているものの識別の容易な22000系と22600系(2024.06.19)
- 2023年夏と2024年冬の名古屋旅行 その61 名古屋線で遭遇した近鉄特急車両 part5 識別の難しい12410系と12600系(2024.06.18)
- 2023年夏と2024年冬の名古屋旅行 その60 名古屋線で遭遇した近鉄特急車両 part4 80000系「ひのとり」(2024.06.17)
« 2018年3月の関西旅行 阪堺電気軌道編 その8 保存車モ121形(モ130) | トップページ | 2018年3月の関西旅行 近畿日本鉄道編 その2 各線と駅 大阪難波駅・今里駅・布施駅 »
コメント