2018年3月の関西旅行 近畿日本鉄道編 その3 特急車両 26000系 さくらライナー
2018年3月の関西旅行、近鉄特急の話題、今回からは狭軌の南大阪線で活躍中の特急車両です。標準軌(近鉄では広軌)同様、系列数字の大きい方から行きます。
近鉄の車両系列番号の規則では1000の位は投入線区を意味しており、
1,2 大阪・名古屋線 (車両統一後は奈良・京都線も)
3 京都線(市営地下鉄直通用)
5 標準軌急行クロスシート車
6 南大阪線
7 けいはんな線
8,9 奈良・京都線 (車両統一後は大阪・名古屋線も)
といったように南大阪線に投入される車両は一般車両は6000番台、特急車両は16000、26000番台となっています。
最初は26000系「さくらライナー」です。
大阪阿倍野橋と吉野を結ぶ所謂、吉野特急は1965年に運転が開始され、1990年に25周年を迎えました。この機会に、高品質の輸送サービスを提供するために投入されたのが26000系でした。車体や内装は21000系「アーバンライナー」のデザインを流用しており、それに飛鳥、吉野路を走行するのにフィットした観光要素を加え、1990年3月15日のダイヤ改正から営業運転が開始されました。
さくらライナーのさくらは勿論、吉野の桜を意味していますがそれ以外に、さ:さわやかデザイン、く:くつろぎ車内、ら:らうんど展望のコンセプトが設計に反映されていることを意味しているそうです。近畿車輛により、4連(全電動車方式)2本が製造されました。
主要諸元
最高運転速度 110 km/h
起動加速度 2.5 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
編成定員 226名
全長 先頭車 20,700 mm
中間車 20,500 mm
全幅 2,800 mm
全高 4,150 mm
車体 普通鋼
台車 シュリーレン式ダイレクトマウント空気ばね台車 KD-99
主電動機 三菱電機 MB-3308-A直流直巻電動機
主電動機出力 95 kW (340 V)
駆動方式 WNドライブ 歯車比 3.81
編成出力 1,520 kW
制御方式 抵抗制御
制御装置 日立製作所 MMC-HTB-20U
制動装置 電磁直通式HSC-D (発電・抑速・保安ブレーキ付)
保安装置 近鉄型ATS
1990年登場当時としては、2ハンドルディスク採用の運転台、ドア上のフリーパターンディスプレイ装置、肘掛け内蔵の座席テーブル、4灯式前照灯と以後の近鉄特急車両の標準装備がいち早く導入されたのに対して、抵抗制御方式、シュリーレン式台車、折り戸式客用扉、簡易リクライニングシート、和式トイレ等、この車両で最後となる装備も多数見られ過渡期の車両といった位置づけでした。
←大阪阿部野橋 吉野→
号車 1 2 3 4
形式 モ26400 モ26300 モ26200 モ26100
Mc M M Mc
SIV, CP, BT <>, CON, <> SIV, CP, BT <>, CON, <>
自重 44.0 44.0 43.0 45.0 (t)
定員 56 56 56 56
洗面・トイレ 洗面・トイレ
公衆電話 車販準備室
客室は全車普通車
車体塗装は日本的美しさの表現をテーマに全体は白を基調とし、窓廻りはうすずみ色とし、雲海に煙る吉野山をイメージしました。車体裾にはもえぎ色のグラデーションのラインが引かれました。
リニューアル後ロゴもこういった吉野の桜をイメージしたものになりました。
登場後、21年が経過した2011年に2編成とも更新工事が行われ、外観は車体裾部のグラデーションが吉野の桜をイメージしたピンク色に変更されました。
車内は3号車がデラックスカーとなり、座席は「ゆりかご型リクライニングシート」に、通路を挟み1+2の席配置となり、独立式の回転シートとなりました。他の3両のレギュラーカーも回転機構は持たないものの「ゆりかご型リクライニングシート」が装備されました。車内は全車禁煙となったので、モ26100形の大阪阿倍野橋側デッキと客室の間に喫煙室が設置されました。1号車4号車の運転台後部にはデッキが増設され、フリーの展望スペースが設置されました。3号車の車販準備室は自動販売機コーナーに改造されました。トイレは全て洋式となりました。
配置は2本とも古市検車区です。
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