2018年3月の関西旅行 阪堺電気軌道編 その5 モ251形
話題は再び、阪堺電車に戻ります。
1978年から1979年にかけて当時の南海電気鉄道は大阪軌道線用に京都市電の路線廃止で全車廃車となった1800形(元々は800形をワンマン化改造したもの)を6両譲受したのがモ251形でした。
これは当時40両以上在籍し、ツーマンカーとして活躍していたモ205形が将来、平野線の地下鉄谷町線の延伸での廃止による廃車を考慮してのことでした。
京都市電時代に844号から、ワンマン化改造で1844になった1950年近畿車輛製をモ251に、866から870の連番で同じく1866から1870になった1953年愛知富士産業製の5両をモ252から256と改番しました。
譲受に際して、集電装置は京都市電の標準ピューゲルから菱形パンタへ交換、前照灯は前面上部の旧ワンマンカ―表示部に移設、シールドビーム1灯に変更、旧前照灯取付位置に尾灯を移設しました。室内等も蛍光灯に交換されました。
導入はしたものの、専用軌道上で高速運転をする阪堺線では車体が小さく、速度も出せないことから、朝のラッシュ時限定運用とされモ205形の代替目的にはそぐわないと判断され、結局正月3が日の初詣輸送時に使用される以外、ほとんど休車状態となり、モ701形などの増備で1995年には全車廃車となりました。
乗務員の間では「走らない電車」であること、京都由来であることから、舞妓さんに例えて「先斗町」などとあだ名されていたそうです。
モ256は現役時代の最晩年に京都市電塗装に戻され、我孫子道車庫に動態保存されており、毎年6月の「路面電車祭り」などでは公開されています。一方、モ255はアリゾナ州ツーソンのオールド・プエブロ・トローリーに譲渡され、京都市電の状態に復元され動態保存されているそうです。
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